Thymesiaクリアしました

 Steamのフレンドにゲームを送りつけ続けていたら、数日前にThymesiaというフロムソフトウェアの高難易度アクションゲームライクなインディーズゲームをギフトされたので、プレイしてクリアしました。
 クリアまでのプレイ時間は10時間程、多少寄り道しましたがサブクエストやメイン以外のボスは未討伐のもいます。

 ここからはゲームの感想及びレビューと文句とネタバレを展開していくので、ご了承の上、続読ください。

・ぶっちゃけ面白いの?

 素直に「面白いよ」とも「つまんないよ」とも言えない。
 本作は明らかにSoulsシリーズやSEKIROに影響を受けているが、それらより優れている表現や要素はかなり少なかった。ただ前述の作品群がアクションゲームの面白さの髄を完成させているため、その再現自体には成功している本作は最低限の面白さはある。
 とはいえ、やはり難がある。独自のシステムによる煩雑さがゲームの面白さ、プレイヤーへの良質な体験にきちんと接続されているわけではない。他者のレビューで見かけた「何でも盛り込めば面白くなるわけではない」という評価に大きく頷いてしまった。
 面白い部分もあるが、それが独創性に支えられたものではないため、全体でみるとやや負の評価が高くなってしまう。

・あまりにもフラストレーションの溜まる経験

 本作は高難易度アクションゲームとして割と致命的なバグか仕様か判断しにくい現象がある。
 どうも一部のモーションが悪さをしているらしく、敵味方関わらず攻撃が明らかに当たっているのにすり抜けたり、当たり判定が消失したりする「お前それアクションゲームであったら駄目だろ!」というバグなのか仕様なのかよく分からないことがちょくちょく起きる。
 
※恐らく目に見えているキャラクターの判定よりも、ダメージの当たり判定が下にあるんじゃないかと予想している。そのためモーションによっては当たり判定が足元(攻撃が当たらない位置)にずれて、攻撃が当たらなくなっているのだと考えられる。

 それでいて、敵の止めを刺すときのフィニッシュモーションがあるのだが、そのフィニッシュモーションには無敵がない。
※1月6日追記
 プレイしなおしてみたらきちんとフィニッシュモーションに無敵がありました。しかし、確かに集団に囲まれた時にフィニッシュモーション中に殴られてダメージを受けた記憶が確かに存在しており、もしかしたらフィニッシュモーション中の当たり判定が通常では当たらない場所に移動しているのに、そこにたまたま敵の攻撃がヒットした疑惑があります。もうワシには分からん……何もかもが……

 つまり、複数の敵に囲まれて焦って、倒した敵にうっかりフィニッシュモーションを出すと回避も防御も出来ない状態で一方的に攻撃されてダメージを食らう。一応フィニッシュモーションを回避する方法もあるが、じゃぁわざわざカッコいいフィニッシュモーションにデメリット与える意味なくない?となる。マジでよく分かんないんだよな、この辺のバランス。

 ロックオンの精度も悪い。これは単純にそれ以上でも以下でもない悪口で、もう本当に精度が悪いので相手から攻撃されてるのにロックオンで反応出来ない。カメラを回してもロックオン押してもあんまり止まってくれない。精度が悪い。

 このゲームには技能、ステータス、疫術、回復薬という強化要素がある。
 疫術はそもそも振りなおすシステムではないので関係ないが、技能(スキル)は無限に振りなおせるのにステータスと薬は振りなおさせてくれない。
 ステータスはボスを倒せば手に入るアイテムで一応振りなおせるが、ボスを倒すためにステータスを振りなおしたい場面がちょくちょくあった。逆にボスを倒せるならステータスを振りなおす必要はほぼない。ここを縛る必要性を感じなかった。
 体力を回復してくれる薬は三種類あり、ステージを攻略する度に新しい薬を選べるようになるが、その薬には後述する激怒級のバグがあり、後から手に入る回復薬よりも最初の回復薬が実は一番強い。そして、それに気付くのが一番最後に手に入る薬を最大強化しおわった後だった。
 回復薬を強化するには中ボスを初回撃破した時の確定ドロップかステージボスを撃破した時に確率で貰えるアイテムを使う必要があるが、これはリセットが効かない。そのため手っ取り早く最大強化をするならボス周回をする必要がある。

 それでねぇ、一番最後に手に入る速攻薬って回復アイテムがあって、これ初期所持数が6で最大強化で9まで増えるんですよ。初期の回復薬が所持数3→6なので1.5倍の回復機会があることになり、細かに回復するなら速攻薬が一番強そうに見えるじゃないですか。一番最後に手に入るに手に入るし、これは強いに違いない!最強!よし、最大強化だ!!
 しかし、なんとこの速攻薬、2個同時使用バグがあります。
 詳しい原因は不明ですが、この薬だけ1ボタンの押し込みで2個使用するバグが存在し、そのためこのアイテムの最大所持数は9ではなく半分の5です。
 稀に1個だけ使用できることもありますが、体感では運なので信用できません。このバグのせいで6回使える初期回復薬の劣化だと発覚した時はこのゲームを辞めたくなりました。
※1月6日追記
 フレンドの配信を見ていたら再現性がなく、他のバグ報告もないことから特殊な状況下でこのバグが発生すると思われる。
 恐らく致死ダメージを受けた時に回復アイテムを自動で使用する技能があり、それが原因ではないか?以下は仮説である。

 1.致死ダメージ回避技能を取る。
 2.回復量が100の速攻薬をセットする。
 3.自身のHPを10~50程度に調整する。
 4.その状態でボスなどから150以上の速攻薬の回復量を超えるダメージを受ける。
 5.致死ダメージ回避技能が発動し、速攻薬を2回分使用する挙動を取る。
 6.以降、通常使用でも2回分使用するようになってバグる。

 暇な人は検証してください。責任は取りません。

 このようにゲーム本体の難易度とは全く関係ない所でめちゃくちゃフラストレーションが溜まる要素があった。


・アクション面での難易度とそのバランスの悪さ

 このゲーム、実はステージ1が一番難しくて、技能や疫術、ステータスでごまかしが効く後半の方が簡単である。プレイヤーの慣れという部分も大きいが、前半のボスはルール違反をちょくちょくかましてきた癖に、後半はかなり大人しくなっている。
 後半のボスの方がモーションや事前準備が大振りで反応しやすい。避けにくい範囲攻撃も少なく、難易度としては坂を下るようになってしまっている。
 雑魚敵も使いまわしなため、序盤に苦しめられた相手でも同じパターンを使いまわされると後半は流石に作業となる。しかも雑魚の攻撃力やHPが増えている訳でもないので後半のステージは歯ごたえがなく、ステージを進める面白みは少なかった。

 アクションゲームが好きじゃないと作らないはずの高難易度アクションゲームジャンルのゲームなのに「作った人は本当にアクションゲーム好きなのか?」とかなり疑問に思っている。


・総評

 Deamons Soulsが生まれる前にこの作品が世に出ていたら傑作でしたね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?