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自叙伝

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発達障害者の自叙伝です。まとめて読めます!
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#LD

小学校6年生 自叙伝#04

新学期最初の日、その先生はいた。B(仮名)先生。始業式の後、みんなで集まった。B先生は「今からお弁当食べるけど、自由席にしてもいいか多数決を取ります。一人でも反対する人がいたらみんな一人で食べます」と言い、多数決を取った。その時に咄嗟に僕は手を上げなかった。 先生「みんな上げてる?」 友達「福くんがあげてません」 みんな僕の方を見る。 先生「理由は?」 僕「えーと」 友達「先生、これってただなんとなくって理由でも、全員一人ずつ食べるんですか?」 先生「うん」

ハート #03

第三節 出会い「翔くん?」 同じゼミの百合が心配そうに聞いてきた。 「おお、大丈夫」 翔は恐る恐る答えた。 ゼミは木曜5限にあって、17時過ぎに講義がある。みんな疲れ切っていて話など聞いていない。けれど、お構いなしに講義は行われる。 その時、ゼミ長の及愛がプレゼン担当だった。このゼミでは、自分が気になることや勉強したいことを自学して、みんなにプレゼンするゼミだ。今回のテーマは「貧困児」で、及愛が選んだテーマだ。 及愛は頭は少し悪いけれど、誠実で、誰よりもゼミに貢献

自叙伝#03

小学校5年生小学校5年生になった時、担任の先生が変わった。 この先生は優しすぎた。 だいぶ、歳をとっていて、2年後に定年退職した先生。 子どもが孫のような感覚で、子どもを注意することができなくなっていた。もうおばあちゃんと呼べるような歳だったし、子どものバイタリティについていけなくなったのかもしれない。 そこでA(仮名)くんというクラスで浮いた子がいた。浮いていると言っても、少し普通とは違って、陰キャではなく、むしろ陽キャだった。でも、家庭環境が普通ではなく、毎日ヨレ

発達障害 自叙伝#02

小学校1年生〜4年生小学校に入りたての頃、お尻から透明な液体が出るようになった。最初は何かわからなかった。大便をした後なんかには必ず起こったし、突然起こることもあった。市内の病院に行ってもわからず、結局、宮城県子ども病院を紹介され、検査を受けた。わかったことは、腸の中に膨大なガスがあること。それが何かしらお腹に悪影響を及ぼしているのではないかという推測だった。 それから、治療をしていった。多少よくなっていたが、根本的に解決には至らなかった。その先生は腸の研究をしている先生だ