触感

今週は25度以下が続いている。昼間はまだ暑さを感じるものの朝晩は冷えて肌寒い。五時頃、街の街路灯は点灯したまま、朝月は登ったまま。緩やかに物音を立てずに、移り変ろうとするそれはどこか心地いい触感がする。落ち着きを取り戻せる気もする。駅のホームはどこか涼しげで、羽織り物から顔を覗かせる。寝坊したみたいに草木もまだ眠っている。車窓から見える空は薄暗く、雨がぽつりぽつりと窓ガラスに水滴を垂らす。わたしのすきなきせつがやってくる。わたしのしっている触感がそういっている。

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