松村真宏『仕掛け学』、読了。

遊び心のあるアイデア発想のために。松村真宏『仕掛学』が面白い。audio bookの「人気の本」で見かけて手に取った一冊です。

ひとこと言うと…「どうやって遊びゴコロを仕込むか?を本気で考えたい人のための本。」でした。

こんな人にオススメ
・デザインの中でも特に、UX(体験)側のデザインに興味がある
・マーケティングに関わる仕事をしていて
・退屈なものではなく、おもしろいアイデアを考えられるようになりたい

「音の鳴る階段」や「世界一深いゴミ箱」の話は、UXを考えるためのリサーチなどで目にしたことがあった(※詳しくはこの記事で)けど、この本にはそういった事例が沢山掲載されています。

深掘りこそ多くはないものの「心の在り方」みたいな部分を再認識させてくれる素敵な本です!

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FAVORITE WORDS

ここからは私がメモに残したい文章を引用し、コメントを記します。

重要なのは人に気づかせることであって、そのためには「仕掛け」をデザインすればいい。
問題を解決するように影からそっと人を「絡繰る」のが仕掛けのアプローチ
仕掛けは謎掛けに似ている。一見すると関係ないように見えるAとBの間に見事にCという共通項が見えるとうまい仕掛けになる。

著者のスタンスがよく見えるフレーズたち。人を「動かす」仕組みというのは、善良に使うこともできるし、悪用もしてしまえる。

けれど人はそういった心の機微に意外と敏感で「なんか嫌な感じ」というのは心の奥底に残るものです。仕掛ける側の人は、常に子供心と遊び心を忘れずに、純真でありたいものですね。

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MEMO

知らないことや、覚えておきたい用語がたくさん出てきたのですが、引用があまりに多くなってもよくないので、もう一度読む時用にワードだけ抜粋します。

■ 男性用トイレの的
男性用トイレにそんなシールが設置されてるなんて知らなかった…!貴重な(キレイな)写真が見れて満足。

■「良い仕掛け」と「悪い仕掛け」

良い仕掛けはその意図に気付いたユーザーが「一本取られた!」と笑顔になるもの。悪い仕掛けは「だまされた!もう二度と引っかからないぞ」と感じるもの。

■ FAD要件

Fairness(公平性)
Attractiveness(誘引性)
Duality of purpose(目的の二重性)
仕掛学では、仕掛けを満たす3つの要件を「FAD要件」として定義しています。

■ 誘引性と行動変容の強制は別

誘引性とは行動を「いざなう」性質のこと。無理やり行動を変えさせるようなものは仕掛けとは呼びません。

■ アンダーマイニング効果

報酬によって本来持っていた動機が失われること。運の要素を入れるといい。

■ ナッジ
ナッジはデフォルト選択肢の設計方法に向いていて、はオルタナティブな選択肢の設計方法に向いているとのこと。
UIデザインのデフォルト設定の面で今までも知らずに考慮はしてきたけど、ナッジ(肘でつつくの意)というものについてもうちょっとお勉強したい。

■ 便益、負担、持続性
■ 装置中心アプローチから行動中心アプローチ
■ 仕掛けの原理図
■ 異質馴化、異質異化
■ 鏡付きのチラシスタンド、近づいた人が自分の行動を正当化するために■ シードマネー効果
■ マズローのハンマーの法則
■ 一方ロシアは鉛筆を使った

■ シカケの原理
シカケの原理を細分化して分類していた図が興味深かったです。
このスライドに、似た図が公開されています。
https://www.slideshare.net/akihiromoriyamaureka/shikakelogy

■ この図はこんな風に使える
アイデア出しのシーンでリアルに活用できる画像はこちら。
https://image.slidesharecdn.com/161103-speech-shikake-workshop3mb-161109102349/95/shikakelogy-34-638.jpg?cb=1478687375

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まだこの本を読んでいない方へ

この本は、正攻法じゃない、遊び心のあるアイデアを考えたい時に読み返す本です。個人的に素敵だなと思うのは、著者の徹底した立ち位置。どこまでも、遊び心で「仕掛ける」という精神性を説いているところがとても好きです。

興味が湧いたらぜひ手にとってみてくださいね。

【追記】昨年新しい本が出たようなので、こちらも読んでみようと思います。表紙の"警告"から、すでに仕掛けを感じますね(笑)


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