公共事業

朝日新聞が「国が布マスクを8千万枚も発注してけしからん」というニュースを出したようである。

使いもしないマスクを作らせるなんでどういうこと?もうマスクは十分あるじゃないの!ということであろう。

ちょっとここに問題がある。同じ朝日新聞のニュースであるが、こういうものがあった。

つまり、今回のコロナウイルス禍では飲食店だけではなく服飾アパレル業界への打撃も大きい。

NHKでも、ジーンズ業界の人が緊急事態宣言の後、生き延びるためにデニム地でマスクを作っている姿を紹介していた。

実際、数ヶ月間は服を買おうと思ってもそもそも店が空いていなかったものね。私も、ここ数年新しい服を買っていなくて、(ビンボーでごめんね。育児にはカネがかかるのよ)ついに今年は着られる春物がなくなったということに気づいて慌ててデパートに行ったら食料品店以外は全部休んでいたのである。仕方がないので1時間くらい探し回ってやっとのことで郊外のユニクロで営業している店を発見して必要なものを買った覚えがある。

そういう状態であれば、国の布マスク発注はこれらアパレル業界にとっては一種救いの手ではなかったろうか。

もちろん私はアパレル業界になど全く縁のない人なので本当のところは知るよしもない。けれども本当は本業で忙しいならば、そもそもマスク製作の仕事を受けないんじゃないかと思う。

今は中華大陸の感染が抑制されているということでマスク事情は緩和しているが、いわゆる第二波が起こってこないとは限らないわけである。そうなれば再び中華の工場がロックダウンしてマスク不足が蔓延する可能性がある。

左派は「その時には政府が悪い、アベやめろという好機じゃないか、日本国民が困ってもアベサエヤメレバスベテガヨクナル」と言いたいのかもしれないが、ちょっと頭が悪すぎないだろうか。

もう一つはいくら役に立たないといっても政府が発注して製品を作ることは経済効果はある。私は経済学者じゃないから原則論しか言えないが、

なんてことをしていても経済には何の役にも立っていないことはよくわかる。野党の人が「国民一人10万円給付」とか叫んだ結果、野党も低所得層に集中して援助するのをやめて野党の案に乗ったわけだが、結局、給付されたお金は使われることなく預金に流れ込んだ結果を見ると、経済に与える効果は低かったと言わざるを得ないのではないか。

翻って、マスク作成を考えると、少なくとも、マスクを作るためには布が必要である。そして縫製機を操る人を雇う必要もある。材料代や人件費を払うわけなのでお金を日銀に積み上げているよりは効果が高いであろう。布を売った人やマスクを作って給料をもらった人はそのお金で布を作る糸を買ったり自分たちの食料などを買ったりするわけであろう。

野党は公共事業を目の敵にして毛嫌いするが、この大難を乗り切るにはもっと有効に公共事業を実施して国民にリーズナブルに資金を供給すべきではないか。

「能力のない奴が悪い、能力の高い野党支持者であればきちんと収入を得るからこのような状況でも難なく生きていける。能力のないものは自己責任。自分の能力のなさを呪いながら飢え死にすれば良いのだ」と野党支持者はいいたいのかもしれないが、そういう人たちには例えば単に穴を掘って埋める作業であったとしても国や地方自治体が公共事業として与えることで、彼らに生きていく術を与える方が良いと思うのである。

※まあ、こういうことを書くと手足の動きが制限されたALSの患者に対する差別だ!とサヨク様が叫びそうな気がしたので念のために書いておくと、私は彼らにも彼らのできることを公共事業として企画することには何の反対もないのである。全部やれということである。




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