睽孤

易に火沢睽という卦がある。この睽という文字は背くという意味である。つまり、夫婦がお互いに「フン!」とそっぽを向いている形である。そういう状況であれば小事に吉ということになる。そりゃ夫婦がいがみ合っていれば大きなことはできないであろう、大したこともできないよという卦である。

面白いのはその爻辞は大体会う話になっていることである。例えば初爻は馬が逃げるけれど追ってはいけない。自分から帰ってくる。悪人を見れば咎なしということになっている。
言ってみれば夫婦喧嘩して悪い方が家を飛び出した。でも追っかけてはいけない。頭が冷えたら自分から帰ってくるだろう。悪いことをした相手を寛大に許してやれば咎はないという感じである。

そうやって仲直りして夫婦仲良くやればいいのであるが、上爻ではもう背いて一人なりということになるので離婚であろう。イノシシが泥まみれになっているのを見たり、鬼(幽霊)が車に一杯に乗っているのを見る訳である。最初は弓で幽霊を撃ち果たそうとするが、冷静になってよく見ると、喧嘩したいのではなくて結婚したい訳である。まあ離婚をやめて仲直りしようということである。雨が降ってきて真の姿を確認すれば幸せになるよということである。

けれども、今の多くの左派はむしろ幽霊をけしかけているようなものであろう。お前の夫は本当は幽霊だぞ、さあ弓で撃ち殺してしまえと叫んでいる訳である。そうしてどんどん一人に孤独にさせているのである。

いやまあ本当に別れなければならない夫婦はもちろんいる訳であるが、本来なら仲直りできる夫婦を家父長は射殺してしまえとばかりに攻撃を煽ってどうしたいのか。この辺りがもう混乱の元凶というよりないであろう。

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