自由な結婚

同性婚を法律婚として認めるならば、結婚から育児を切り離して単純に二人の同棲のみの権利にすべきではないだろうか。つまり、育児については国が社会的養護として行い、親に委託するという形にすればよい。そうなると大きく変わるのは相続ではないだろうか。現行の夫が死んだときに妻に1/2の財産を相続させるという制度は廃止して、相続税として国が召し上げ、育児の必要がある間は国が親権者に支給するという形にして、子供の独立後は他の人、例えば、財産のないシングルマザーが利用できる国の基金にすればよいのではないか。

今後、18歳を成人とすると成人後に大学に進学することとなり、大学への進学費用の問題が出てくるが、それもこの基金を利用できるようにすれば、生活保護家庭や社会的養護を受けた子たちがもっと大学進学を現実的なものとして視野に入れることができるのではないか。

そうなると、遺産を当てにしていた人は困るかもしれないが、例えば相続税による徴収を強化すれば、国にお金がたくさん集まることになるので障害者や病気で働けない人への支援も増えることになると思う。

一方では遺産目的の結婚は減ることになるので真の意味で結婚を求める人だけが結婚することになるのではないかと思う。女性の社会進出も進んでいるので、人は男女にかかわらず、皆労働戦士として死ぬまで働き続けるという原則の上でどうしても結婚したい、財産などどうでもよいという人だけが結婚すればよいと思う。異性婚も同性婚も姓も自由にすればよいが、結婚の利益は配偶者の代理人としての権利と貞操義務だけでよいのではないか。

この弁護士さんも似たようなことを言っておられるけれど、子育てを親だけの責任にするのはおかしいのである。たとえ独身であったとしても子供たちの養育の責任は国民の一員としてその一部を負担すべきである。なぜなら、たとえ独身者であったとしても彼らは大人として生まれてきたわけではなく、一定期間、子供として養育され、保護を受けてきたのである。その保護の分は返す必要がある。

付け加えていうと、税制の大きな部分は相続の問題になると思う。親の責任を軽くして国がもっと大きな責任を負えばよい。同性婚を許容する時点で結婚は育児支援という位置づけから外れるので、育児のために妻が大きな優遇を受ける必然性は減少する。

このアイデアは別の弁護士である小倉弁護士の意見を改変したものである。彼は100%相続税を主張していたわけである。私は小さな政府でゆくならば相続制度をきちんと維持すべきだと思うが、結婚から育児支援の機能を除去するならばその機能は国が背負うことになるので、国の役割を大きくする必要がある。そして、国の役割増加にかかる必要経費は国民全体で負担すべきであろうと思う。一定の大きな政府論である。

この状況では相続については親子間のみで一定の優遇措置があってもよいが、それ以外については遺言書による指定以外の相続は認めず、遺産は国が没収する制度にしたほうが不公平が減るのではないか。

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