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流言飛語とコロナウィルス

新型肺炎が発生しているクルーズ船で検疫が行われている。いまだ隔離期間内ではあるが、感染していない高齢者等を上陸させる方針が決まったようである。不用意に乗船させて国内に感染を広げることになれば本末転倒ではあるが、人道的見地からは望ましいことであろう。乗客にしてみれば上陸することで一定の安堵感が得られることであろう。

さて問題はオカルティズムである。今回は発生地の武漢にウィルス研究所があったことから「今回の原因ウィルスは人工ウィルスである」とか「エイズウィルスの遺伝子が組み込まれている」とか「消毒用アルコールは効果がない」という荒唐無稽なデマが発生している。

日本でも患者が発生して、既にウィルスが分離され、塩基配列まで決定されている。もしこのウィルスが「人工ウィルス」であれば機密が全部漏れたということであろう。某中華の国にしてみれば大恥になる。今までも完全に人工のウィルスを作成したなんて報告はない。(もしあったら世界中が大騒動である)今回発見されたウィルスは3万塩基ほどの長さであるが、最初の1000塩基くらいをblastにかけてみるとこれまでに発見されたコロナウィルスとの相同性が見事に検出されている。人工ウィルスというよりコロナウィルスなのであろう。

塩基配列がわかると「エイズウィルスの遺伝子を組み込んだかどうかは一発でわかるわけである。まあ、専門家は「エイズウィルス」って言葉はもう使わないように思うけれど。

消毒用アルコールは効かないという話は本当に噴飯物で信じる人はいないと思っていたら厚労省が注意喚起を行ったわけである。

まあ、私も学生時代に「60〜70%のアルコールが消毒用に使えるのなら無水アルコールの方がより殺菌効果は強いのではないか」と発言して失笑を買ったことがあるので学生さんが多いインターネッツだったのかもしれないけれど。


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