怨みはらさでおくべきか
ちょっとツイッターの左派を見ていたけれど、やはり貧すれば鈍すというか、少数派閥の先鋭化というか、もうどうしようもないのではないかと思える。
右派、保守派では例えば日韓断交と叫ぶ人は生暖かく見られ、あるいは嗜められることがあったのだが、左派はもう竹槍一本で香車のように突き進むのみなのだろうと思える。
戦略も戦術もあったものではない。どうしたいのよと言ってももはやどうしたくもない。長年の恨みつらみで妖怪のようになっているのかもしれない。
というか、もうそれしかない訳である。
例えば、ウクライナがロシアのファシズムを攻撃するプロパガンダとしてファシズムの本家本元ファシスト党のムッソリーニとナチス党のヒトラーを出した時についっと昭和帝の顔もつけていた訳である。もちろん日独伊三国同盟をやった日本である。世界的には第二次大戦の日本のイメージはリメンバーパールハーバーと日独伊三国同盟の枢軸国である。それは歴史的事実であるが、もう100年近い前の話である。東京裁判で昭和帝は訴追されなかったのである。そして東條英機をはじめとするA級戦犯は巣鴨プリズンの刑場の露と消えた訳である。そうしてサンフランシスコ講和条約で日本は対戦国と講和を結ぶことができたのである。その時点で解決なのである。もちろん、中共と平和条約を結んで解決したのは戦後40年近く経ってからであり、ソ連ー今のロシアとはいろいろ交渉を頑張っているがとりあえずは別の戦争を始めてしまって話は中断しているということはあるけれども。
もう何十年も前の話ではあるが、日本と関係の強くなかったウクライナでは(ソ連時代はウクライナはソ連内の一共和国であった)多分ファシズムに対しては日独伊三国同盟であり、ヒトラー、ムッソリーニ、ヒロヒトであったということであろう。かの国の大統領は米国議会に向けて「リメンバーパールハーバー」と叫んだ訳である。彼らにしてみれば日本は存在するが帝国日本と日本国はいまいち連続していなかったということであろう。
それに対して日本ではリメンバーパールハーバーに吹き上がった右派の人はいたようである。そして、昭和帝をファシストとして描くプロパガンダ映像については更に怒りが現れた訳である。
リメンバーパールハーバーは米国大統領だってしばしば口にする言葉であるし、日本の国会に向けてそう言ったのではなく、米国議会への演説でそう言った訳だからまあ、他人事ということで収まったわけであるが、昭和帝をわざわざヒトラーの横に入れなければならない理由はもはやないわけである。
そこで政府は冷静に申し入れをして、ウクライナも速やかに訂正を行った。
単なるプロパガンダ映像である。それは歴史の真実を示すものでもなんでもない。脇役のちょっとした映像の修正などは本質ではあり得ないのである。
そうしたら左派が吹き上がったわけである。曰く、「ヒロヒト」の罪は日本人が総括すべきであった!日独伊三国同盟を結んだヒロヒトを総括せよ!なぜ日本人はヒロヒトを血祭りにあげなかったのか!と叫び回ったわけである。
そんなのまずは連合軍の都合である。豪州などは天皇の訴追を主張したそうだが、天皇を廃すと日本人が切れるかもしれないと心配した米国は天皇を訴追しないことを決めたわけである。
そうして日本は独立を回復した。もちろん日本国民にも色々な考えの人はいただろうが、天皇を廃止したいという人はあまりいなかったのである。だからこそ昭和帝が全国を回られても日本国民は帝を責めることはなかった。
そういう日本であればこそ戦後復興も速やかに進んだということであろう。
それをまあ、今になって天皇の戦争責任とか嬉しそうに叫ぶわけである。そんなの少なくとも帝がご存命なされている間に言うべきであったろう。死体を誅する風習のある大陸とは違って本法は死ねば水に流すのが文化である。しかもまあ、既に歴史になりつつある事項について喚き散らすばかりで一切の解決策には言及しないのである。もう駄々っ子の癇癪に近いわけである。
これは、その意見に広がりがないことを見るに、SNSが極小の偏った意見を可視化してしまったということであろう。
世界にもそういう偏った考えの人はいるのだけれど、もう歴史になった事項に文句を言っても仕方がないと思う人がほとんどであろう。今の世に生きる人たちのことこそ重要なのである。
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