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ウルトラC

「西園寺さんは家事をしない」がとてもいいドラマだった。

家族ってなに?幸せってなに?普通ってなに?っていうのを、とってもポジティブにハートフルに描く。みんなの葛藤が愛おしい。

名前がなくても信じられることが、思っていることを面と向かって言えることが、ウルトラCを一緒に考えられる人が隣にいることが、どんなにどんなに素晴らしいか。

私たちにとって何がベスト?ということを考え続けられる関係が最高だ。

ちょっと思い出したのが、私もそんな不思議なことを試みたことがあったなあということ。それは「1ヶ月更新」で付き合うということ。

一度付き合って別れて、また再会した彼。
一度はうまくいかなかったけれど、やっぱりお互い好きだし。
でもこれって付き合うという形がベストなのかなあ?みたいな話になり。

1ヶ月更新での恋人というのがわたしたちのウルトラC。1ヶ月ごとに契約更新の会議を開こうということになった。

周囲からは、何それと言われたし、逃げの姿勢と言われたらそれまでだし。私たちも自信があったわけじゃないけれど、愉快に「1ヶ月更新だから」と笑っていた。私たちらしくていいなと思った。

お互い忙しかったりあまり会えない時期があったりで、会議もできなければ、結局、付き合うという関係性は終了してしまったのだけど。

それでも、私たちは何がベスト?みたいなのを夜な夜な語り合ったのが最高に楽しかった。バカ真面目に、面白おかしく、人生について語り合っていける関係性って素晴らしいなと思った。

「人間関係の価値は時差理解」という言葉を、最近ラジオで聴いた。

今の関係性の価値は、今はなかなか気づけない。

後から振り返って、お互いにいい時間だったと思えればいい。過ぎ去っていく日々はその日まかせで、なくなった後に気づくものだ。

「西園寺さんは家事をしない」は、亡くなってしまったお母さんもいなくなっていない。出会い、別れた人たちの全てで、今の私たちがあるよね、ということを感じさせてくれた。

別れた彼も、疎遠になってしまった友達も、その時その時でベストな関係を築こうと努められたなら。ウルトラCを見いだせたなら。あの時間はよかったなと思い出しながら、その時間を誇らしく思いながら、今一緒にいる人たちと楽しめているのなら、それでいいよね。

でもちょっと切ない時もあって。距離的にも遠くなってしまった旧友たちをたまに思い出しています。


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