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奇跡のassembly【Reassembly】

もうひとつの「assembly」


星野源のファンミーティング「Reassembly」に参加してきた。
この数日でファンミーティングについてはあれこれ語ったが、もう少しだけ書き記しておこうと思う。
それは、観客たる「ファン」側の話だ。

assemblyという言葉の意味は「目的をもって集まる」というニュアンスになるようだ。
それゆえに集会とか会合という意味合いを持つ。
組み立て、という意味もあるらしい。
インターネット老人会気味な私に言わせれば、IT用語の「アセンブリ」というのが馴染み深い。

今回の目的は「星野源に会う」ことだ。
けれども、ここに集まるのは結構な熱量の「星野源が好きすぎる変態」である。
なんたってチケットを購入するにはオフィシャルイヤーブックを買わなければならない。
少なくともチケット以外に4,400円の課金をする猛者ばかりが集まっているのだ。

とはいえ、ご時世がご時世である。
大手を振って「みんなで集まろうぜー!」とは言いづらい。
なので私も参加するほんの数人にしか会おうとは思っていなかったし、場合によっては挨拶だけで終わらせようと思っていた。

ところが。
その前日に「大声が解禁」ということも後押しして、終演後には「ああ、会える人には会っておきたい」と思った。
実はたまたま席が隣だった方と規制退場前にあれこれ話していたのだが、それが本当に楽しかった。
その会話を交わしているうちに、どんどん見知らぬ友人達のことを思うようになった。
会場を出る頃にはお互いに待ち合わせもあり、慌ただしく「また会いましょう」と声をかけて別れた。
直後に「あ、連絡先を聞かなかった」とは思ったものの、13,500人の人波に飲まれてはもう追いかけることもできなかった。
その悔しさが、誰かに会いたいという気持ちを加速させた。
初めての関東遠征なのだ、正直言って会いたい人は多い。
それどころか私のように日本全国から遠征してきた人も多々いるので、これを逃したら会うことが叶わない人もいるだろう。

そうして、頭の中のスイッチがぱちんと切り替わった。

はじめまして、旧知の友人たち


ありがたいことに、何人かの方からはDMで直接連絡をもらっていた。
まずはその方々に会おう!と意を決してDMを送る。
すぐに連絡はつくものの、とかく初対面の方と合うのは難しい。
見知った方にはすぐ会えたが、初対面だと服装で判断するしかない。
ようやく会えたのは20分も経つ頃だった。

そこから共通の友人を探していくと、どうやら何人かで集まっている様子だった。
そこにたどり着いてビックリした。
古今東西、たくさんのSNS仲間が集まっていたのだ。
よく話す方も、時折見かける方も、そしてほぼ初対面の方も。
それはあまりにも嬉しすぎる誤算だった。
集まってみれば総勢10人。
偶然そこに居た方から、この日のためにと足を運んでくれた方も。
立派な星野源偏愛集団、変態の集まりだった。
もちろん褒め言葉である。

交流はソーシャルディスタンス

私は、ロイヤルホストへ行ってみたかった。
源さんが藤井隆さんのニューアルバムの話をして以来、ずっと訪れたかった場所なのだ。
北海道にもロイホは存在するものの、札幌圏にしか店舗がないのでそう気軽に行けるものではない。
とはいえ、本州勢にとってはごく普通のファミレスだろう。
それでも変態御一行様は文句のひとつもなく、イチ道民のワガママに付き合ってくれた。
残念ながら満席で座ることはできなかったが、ロイホの匂いを嗅げたので大満足だった。

最終的には何人かで、丸亀製麺のうどんを食べた。
実はここも初体験だったので相当テンションがぶち上がっていた。
ソーシャルディスタンスなのでカウンター席に座りながらの夕食だったが、本当に楽しかった。
はしゃぎ過ぎと予想以上の疲労であれこれ迷惑をかけてしまったのは反省しきりである。

結局、全く無知な私は電車の乗り継ぎを教えてもらいつつホテルに戻った。
最後の最後まで友人たちにお世話になりまくった。

そして、ひとり

ホテルに戻る道中、ひとりで歩いた。
私は思いがけず、九州から本州から、ありとあらゆる「旧知の友人たちと初対面」を果たしていた。
源さんのことはもちろんだが、正直この出会いも嬉しくて堪らなかった。

閉塞した世界に呑まれて数年が経つ。
無意識だったが、私達は孤立していた。
それがこの一日で「assembly」を果たしたのだ。

皆で集まってパーティーをした訳ではない。
どちらかと言うと、ただ話しながら歩いていた。
その時間がどれほど幸福だったか、たぶん私の語彙力では語り尽くせない。

けど、同じ人を偏愛して。
同じ空間を感じて。
沢山の思いを共有した。

アナログなコミュニケーションは、とても心地好かった。
沈んでいた心がふわりと浮き上がった。
「Reassembly」で長岡さんが言っていたが「ひび割れに水が貯まるように」多幸感が沁み込んでいった。

私は、一生忘れない。
この日はきっと、私の大切な日になる。

奇跡は終わらない

余談だが。
この1週間で、とにかくあれこれ書き散らかしていた。
源さんのこと、ライブのこと、他にも色々。
そんなことをしていたら、SNSに通知がきた。

「たぶん私、お隣の席だった者です」

目を疑った。
だってあの会場には13,500人ものファンがいたのだ。
そして私もその方も、名前を全く名乗らなかった。
それなのに、お話してくれることは全て覚えのあることだった。

人間、驚きすぎると大爆笑する。
私調べだが。

本当に笑い転げた。
こんな奇跡があるのか!
拙いSNSでの発信が、こんな奇跡を呼ぶなんて。
なんの自信もないのに「また会いましょう」と言った台詞が、こんなに爆速で現実になるのか。
SNSやってて良かった、心の底からそう思った。

さらに余談だが。
諸々終わって帰路につき、飛行機で北海道に戻った。
そこで「もしかして、ライブへ行っていた方ですか」と見知らぬ方に声をかけられた。

自慢ではないが、私の住むエリアは超絶ド田舎だ。
ファンを名乗る方には会ったこともあるが、熱量が違いすぎてだいたい引かれる。

話してみると先方もライブに参加されていた。
というか、3公演も参加されている猛者だった。
世の中は本当に侮れない。

終わってみれば、私は3年間分の出会いをこの2日間でこなしたような気分になった。
いや、それ以上だったかも知れない。

【assembly】

まさに「出会い」の2日間だった。

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