「推し」の聖書【横川良明】

しばらく前に買っていた本ですが、ようやくじっくり読めたので。
『人類にとって「推し」とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた』という本です。

以前から「推し」を推す姿勢がとても素敵な方で、心の中で師と仰ぐ方のひとりです。
正直、noteに手を出した理由のひとつは「横川さんが文章を書いているから」だったりもしますw

おっさんずラブが爆発的に盛り上がり、その頃書かれていた記事で一番感動したのが横川さんの文章でした。
理路整然としているのに、熱量は誰よりも高い。
言いたいことを伝えながらも全力で推す姿勢に、どこまでも品格と敬意を感じました。

おっさんずラブ、楽しかったなあ

そんな横川さんが「推し」についての本を出す、と。
それは買いますよ。買うしかないです。
というか発売日をチェックしてまで買いましたw

基本的にこの本は「啓発本」ではありません。
あくまでも横川さんの「推し論」を深堀りしていくものであって、「推しとはこうである」とか「こうやって推すべき」といった押しつけではありません。
「推す」段階で起こる不可解なあれこれを、とても丁寧に説明してもらっているような感じです。
「顔が好き」論を肯定してもらった!と思った次の瞬間には「顔が好みじゃない推し」についても書いてくれていて、思わずガッツポーズをする私がいますw
推し続けることだけではなく、担降り(推すのを辞めること)にまで言及している書籍はかなり貴重だとも思います。

全てが肯定できる、という種の本ではありません。
むしろ多角的な視点で「推し」を見ることで、自分の「推し方」を改めて考えてみたり、推しへの気持ちを整理したりするのにピッタリな本だと思います。

まさに「推し」の聖書なのです!

そうは言っても、とっても読みやすくて楽しい本でもあります。
突然出てくる島木譲二さんにお茶を吹いたりw、性別論に唸ってみたり、サステイナブルについて考えたり、あえての「お金を落とさない」話だったり。
切り口が多彩極まりないので、あっという間に読み終えてしまいましたw

横川さんご自身が幼少期から様々な「推し」を抱きつつ、今では全く想像できないような無の時間を過ごし、そこから「推し」を得てガンガン進んでいくという紆余曲折を経ています。
そんなこともあって、誰が読んでも必ずどこかに「分かる…!!!」というポイントがあると思うのです。
共感を叫ぶもよし、そう来たかと唸るもよし。
楽しみ方も千差万別、色々な推し方を学べたりもします。

「推し」を心に抱く方も、「推し」ってなんだろうと首をかしげる方も、ぜひぜひ手に取って読んでいただきたい一冊です。
そして、よろしければ横川さんの書いている雑誌記事やネット記事もチェックしてみてください。
そこには「推し愛」溢れる最上級の言の葉が並んでいるはずです。


余談ですが。
私の推しは言うまでもありませんが「星野源」さんです。
今のところ私にとっては唯一神級の推しであり、独走ぶっちぎりで宇宙一尊い存在です。
そんな私が源クラに向かって言いたいことがあるのです。

この本…源クラなら絶対に叫ぶ一文があります。

どうか読んでみてください。
私はその一文を見つけた瞬間、爆笑しましたwww
そして源さんをより一層好きになりました。
あ、源さんの名前が直接出てくる訳ではありません。
けど絶対に源さんを連想させる文言ですw

そういう視点からも、オススメの一冊です!

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