これを消化しないと他の感想が書けないくらい思考が囚われている気がしているので早めに消化しようと思っていたけど中々噛み砕けずここまできました

ミュージカル『憂国のモリアーティ』concert 2024/7/12 ソワレ公演を観てきました。

本垢とか鍵垢とかで散々モリミュって最高で……の話はしてるんですけど、こうやってきちんと文章にするのは初めてな気がします。
モリミュコンの話というよりもモリミュ全体の話になると思いますし、おそらく言語化し切れず抽象的な話になると思います。

まずチケットを取るのが大変でした、いや本当はいざーさん(セバスチャン・モラン役の井澤勇貴さん)のFCに入りたいんですけど宗教上の理由で入れないファニ…なので、Op.4-5のCDに封入されているシリアルでの申し込みで落選し、SQ.先行で落選し、前回購入者先行で落選し、ギリッギリオフィシャル先行でお目当ての公演を勝ち取れて安心しました。
お目当ての公演、というかお目当ての日はミス・ハドソン役の七木奏音さんとアイリーン・アドラー役/ジェームズ・ボンド役の大湖せしるさんのお二人のでる日。このお二人がゲストの回が発表された日から絶対にこの二人を見るぞ!と心に決めていました。
Op.5まで観て、全部最高だったのは大前提としてやっぱり私はOp.2が一番好きだな〜と思うんですよ。「シンデレラ戦争」はYoutubeで見られるので、全人類見てください。「二人の探偵」も大好き。

ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.2 -大英帝国の醜聞-より「シンデレラ戦争」

「二人の探偵」はコンサートで歌ってもらえるビジョンが見えなかったのでそうなったら「シンデレラ戦争」だけは絶対見たいと思うじゃないですか…ということで、とにかく7/12しか申し込みしていなかったので本当になんとか取れてよかったです……

Op.5を見た後Op.6はやる必要ないなと個人的には思っていたのですが、もうこの上質な舞台を見ることができないかと思うととても寂しいなと思っていました。
ここで終わるのが一番美しい終わり方だと思っていたんですよ……ね、コンサートでステージ上にたつキャストたちがあんなに幸せそうに惜しむように時間を過ごす姿を見てしまったら、どうかコンサートでもOp.6でもいいから続いてくれ〜〜〜〜!と願わずにはいられなくなりました。
ここで途切れると自らに罪を課したアルバート兄様と、モランが救われない気がするので二人を救ってあげてくれ…と思ってしまうのを許してほしい。
コンサート前には見ようと思っていたけど、怖くて見ることができてなかったOp.5の円盤、コンサート見終わってからみました。ぐちゃぐちゃになりました。

コンサートの話をします。
そもそも2.5次元のミュージカル舞台作品で、キャラクターの扮装をせずに出演者が歌うコンサートと告知されても「え〜〇〇(キャラクター名)じゃないんだ〜」みたいな落胆が出てこない舞台作品って稀有だと思うんですよ。それはミュージカル『憂国のモリアーティ』というカンパニーがそれだけ信頼されているということの現れだったと思っています。
扮装をしないとはいってましたが!!!!!!美しいスーツやドレス姿で出てくることは聞いてません!!!!!!!!!!!ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今回発売されたペンライトに割り振られたそれぞれのキャラクターのイメージカラーに合わせたお衣装がとても素敵でした、ありがとうございます。

やっぱり一曲目は「憂国のモリアーティ」この曲の前奏を聴くといつでも背中がぞわぞわしますよね。なんというかこれからはじまるぞ…という気持ちになります。
7/12ソワレはモランが「包んじゃった」回だったので最初のMCで包んじゃったこといじられてるのもよかったです。

Op.1からの歴史を感じられる選曲の数々も本当に最高でした。
お楽しみコーナーの話は絶対にした方がいいと思ったのでするんですけど、まさか久保田秀敏さんがエンダース伯爵の「人狩り」を歌うとは思わなくてひっくり返りました。あの麗しのアルバート・ジェームズ・モリアーティにぴったりの美しい顔をした人類が凶悪な形相で楽しそうに人狩り歌ってるのはどう考えても絵面がやばすぎるので……
あと絶対にこの日!の理由だったゲストコーナーは「シンデレラ戦争」が聞けて大満足だったところにボンド(アイリーン)の「生まれ変わるとき」とハドソンさんの「あなたが思うよりずっと」を聞けてもう満腹状態でした。
「シンデレラ戦争」の満足感はもちろんなんですけど、「生まれ変わるとき」をあらためてコンサートという形式で観て、なんかアイリーン役がせしこと聞いた時、男役から娘役に転向した経歴のある彼女に女優から男性諜報員に生まれ変わる役を与えるのはあまりにも上手く出来すぎでは?と感じたことを思い出しました。本編を劇場で観た時に泣いてしまったのが「あなたが思うよりずっと」だったのですが、今回は堪えることができてよかったです。

レストレードの「刑事屋のブルース」本公演の時も最高だったんですけど、スペシャルコーラス付きのコンサートバージョンあまりにも最高すぎませんでしたか?どうしても扱うテーマというか原作のストーリー的にも、そしてモリミュとしてキリスト教のモチーフやシェイクスピアに似せた構造を盛り込んだことで物語自体が重くなりがちではあるんですけど、そんな物語の中の清涼剤的なポジションだったレストレードがこうやってセンターに立ってメインキャストたちを従えて歌う構図はレストレード…というよりはしゅんりーさんへの感謝の気持ちなのかなと感じました。

モリミュ→原作の順番で入った人間なんですけど、モリミュは平野良目当てで入った作品でミュージカルが良かったので原作を読もうという順番なんですね。
原作を読んで一番好きになったキャラクターはセバスチャン・モラン大佐で、救われてほしいのはアルバート・ジェームズ・モリアーティでした。
で、そんな一番好きなキャラクターをブリミュですっかりメロってしまったいざーさんが演じているわけですよ(本編みてる時から若干危なかったけど役者:平野良の引力が強すぎるため普通にストーリーがある作品だとどうしてもみてしまう)なので、シンプルにコンサートという舞台に立つセバスチャン・モランを見たら…好きだな〜ってなっちゃいますよね。
いざーさんの声って甘くて優しいので、その声でモランの抱える苦悩を歌われると甘さと優しさで隠されたざらついた手触りを感じて胸がいっぱいになってしまうな…と強く感じました。
そして救われてほしいアルバート、モリミュはその先の物語が現状ないのでアルバートは自らが蒔いた種によって弟が自ら死を選び、自分自身はその罪を償うための幽閉を望んだ…そこで止まっているんですよね。原作で描かれていないアルバートの心情や苦悩も描くことでより魅力的なキャラクターになったと思っていますし、それを演じたのが久保田秀敏さんという人類の中でもトップクラスに美しい人だったというのも魅力を増す要因だったのだろうなと思っています。コンサート関係なくなってしまった、アルバートのこと多分かなり好きなんだろうなという自覚があるのでゆるしてください。
超余談なんですけどなんでOp.2が一番好きなんだったっけ?って見直したらモランとアルバートがめちゃくちゃ出てたので「あからさますぎんか自分……」ってなりました

コンサートの話に戻ります、シャーロックとウィリアムの「巡れ輪舞曲」と「With you」
前者に結構思うところがあるんですけど、一見すると犯罪卿であるウィリアムに探偵であるシャーロック・ホームズが踊らされているように見えるんですけど、実際の曲をしっかり聞いて歌詞を噛み砕くと、シャーロックにソロがあってウィリアムにはない、シャーロックには能動的なウィリアムには受動的な歌詞が割り当てられている構造になっていて、犯罪卿と探偵の絶妙なバランスが表現されているなと思っています。
これも奇跡的にYoutubeで公開されているので全人類みてください。

ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.3 -ホワイトチャペルの亡霊-より「巡れ輪舞曲」

公式のツイッターのヘッダーにもなっている例のベンチのシーンの「With you」
本当にどうやって歩いたらいいのか、救われてしまった命に戸惑うウィリアムに生きようと語りかけるシャーロックのこの曲、本公演だと二人とも客席を背にしているのでその表情が見えないんですけど、ようやく正面を向いた状態をみることができて嬉しいです……し、こんなに二人ともうるうるしてるというか勝吾くんに至ってはこんなに泣いてしまうくらい感情移入しているんだなと思うとグッときました(これは千秋楽配信の話です)千秋楽配信見ていてウィリアムが鈴木勝吾くんで、シャーロックが平野良でよかったなと噛み締めました(もちろん他のキャストもみんなそうです、誰一人として他の人がよかったなというキャストが存在しない舞台でした)

全員のご挨拶の後の全キャストによる「憂国のモリアーティ」これが1曲目のそれとはまったく趣が違っていてとても良くて……特に千秋楽配信の全て出し切った、あの時残してしまったかもしれない悔いも全てこの舞台の思い出として置いていくぞみたいな雰囲気を感じてしまって「ああ、モリミュがこの先どういった形になるかはわからないけど、このメンバーが見られるのはもう最後かもしれない」と思いました。感覚としてはドリライ7thの千秋楽を見た時と同じ気持ち(誰にも伝わらない例え)

アンコール曲として採用された「扉をあけて」を聞いてびっくりしたんですけど、もしかしてモリミュって前向きな曲ってこの曲しかないですか?あんなに名曲揃いなのに?記憶を一生懸命辿っても爽やかに前を向いて聴ける曲って確かにこの曲しかないような……気がしてきました……
ある青年へ向けた曲をみんなで歌ってくれるのは、キャスト・スタッフさん・そして観客全員に向けて…と解釈して、明るく希望を持てるこの曲を最後に持ってきてくれてありがとうの気持ちで胸がいっぱいになりました。

千秋楽の最後の最後に平野良と勝吾くんがハグしたシーン何度見ても泣いちゃうんですけどどうにかなりませんか……無理か……
私は二人で揃ってお辞儀をして終わる、このW主人公の構図が大好きで、モリミュが原作とは違いW主人公という手法をとってくれたことに対して本当に感謝しています。最後も二人でお辞儀をして締めてくれてありがとう。

ミュージカル『憂国のモリアーティ』に出会えてよかったです。
素敵な作品をありがとうございました。

最後にモリミュコンのショートダイジェストとまだ間に合うOp.1~4の配信URLを置いてこのnoteを締めたいと思います。

ミュージカル『憂国のモリアーティ』コンサート ショート・ダイジェスト

配信サービスはこちらから
定額制配信サービス
Op.1:2024/5/10(金)12:00~8/9(金)23:59
Op.2:2024/5/18(土)12:00~8/17(土)23:59
Op.3:2024/5/25(土)12:00~8/24(土)23:59
Op.4:2024/6/1(土)12:00~8/31(土)23:59
個別課金配信サービス
Op.1~Op.4:2024/5/10(金)12:00~8/31(土)23:59
(Op.4まで見ていただいたらOp.5の円盤貸せますので…お声がけいただければ……)