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食う寝るゲーム【NieR:Automata】文化との初対面

NieR:Automataというゲームを全クリしました。

なお、この記事の後半ではNieR:Automataに関する
重大なネタバレをしますので、ご注意ください。
(上から読んでいけば「ここからネタバレ」と書いてあります。)

■最高のゲームと、それにハマらなかった理由

NieR:Automataはオープンワールド・アクションゲーム。
現在より遥か未来のお話で、すでに地球上に人類の姿はなく、
主人公である3体のアンドロイド「2B」、「9S」、
そして「2A」を操作して。地球上に住む「機械生命体」との戦いが
メインストーリーとなっています。

結論から言うと、とんでもなくクオリティ高い
そしてゲーム史上に残るギミックが満載
素晴らしいゲームでした……!
こんな体験、他のゲームでは絶対できないでしょう。

なんですけど、実は僕はハマり切れなくて。
理由ははっきりしていまして。
ゲームのクオリティのせいではないです。
この記事では、このゲームの魅力を3つに絞って
(と、おまけ程度に僕がハマり切れなかった理由)
を書いていこうと思います。

■①他のゲームには見られないギミックが満載!

大抵のゲームは、マリオやドラクエのように
ゴールやストーリーの結末に向かって一直線、
というのが普通ですが、
このゲームは一度エンディングを迎えた後に
周回プレイをすることが前提で作られています。
別のキャラクター目線で再プレイ、というやつですね。

これだけでもゲームの表現に大きなツイストがかかっているのですが、
それはゲーム内ギミックのごく一部で、
主人公がアンドロイドであることを利用している、
ゲームならではの「メタ表現」が満載なんですよ!

例えば、通常、ゲーム画面には
・体力ゲージ
・ミニマップ
・敵の体力やダメージ数
など、様々なUIが表示
されていますよね。
NieR:Automataでは、これらを表示させるために、
自分の能力リソースを使う必要があるんです。

どういうことかと言うと、
例えば自分の能力リソースが100ポイントあったら、
「体力アップに20ポイント使おう」
「攻撃アップは30……いや35ポイント!」
というように、プレイヤーの能力の割り振りを楽しめるのですが、
NieR:Automataでは画面上に
自分の体力ゲージを表示させるのに2ポイント必要なんです。
そうしないと体力ゲージやミニマップは見ることが出来ないんですね!

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このように、
まるでプレイヤー自身がアンドロイドかのように思えてくる仕組み。
これが面白いんです……!

他にもそういうのがたくさん。例えば
敵からダメージを受け続け、
体力の8割を削られたあたりから、
画面がモノクロになり、音声にノイズが混じり始めます。
アンドロイドの体が壊れかけていることを表現している!
普通はこちら。

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そしてダメージを受けているとこちら。

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こういうメタ表現
―正確に言うと「メタ表現でありゲーム内表現でもある」、
 超高度なテクニックだと思うのですが―
が、ものすごくたくさんあります。
あんまり言い過ぎちゃうとネタバレに近づいてしまうので、
このあたりにしておきます。

参考程度に言うと、
「メタルギアシリーズ」(正確に言うと小島監督作品)に通じるような
感覚ですね。
僕自身、「メタ表現との初対面」はメタルギアでした。
僕たちがメタルギア味わったあの感動を、
今の子どもたちはこのゲームで感じるのだな、と感慨深くもあります。

■②ヨコオタロウ氏との出会い

みなさん、オタク男子が好きなものは何だと思いますか?
⇒そんなのは人それぞれ、人による。
そりゃそうです。
ですが、この「NieR:Automata」というゲームのデザインは
こういう要素でできてますよ、
と言われて、心がときめかないオタク男子はいないでしょう。

・SF
・アンドロイド
・改造パーツ
・機械生命体
・変形ロボ
・廃墟
・ゴシック&ロリータ
・かわいい女の子
・日本刀
・オペラ調のBGM
・鬱展開

ええ、もはや「中二病リスト」ですが何か?

これらをバランスよく、しかし尖ったスタイルでまとめているのが、
ディレクターのヨコオタロウさんです。

私、ヨコオタロウさんの作品は初めてなのですが、
もし10代の時に触れていたら大変な影響を受けていた自信があります。
上記に書いた中二病リスト、
僕はいずれも他の作品で絶大な影響を受けていますから。
それらがまとめてプレイヤーに襲いかかってくるなんて……!
このゲームが「中二病リストとの初対面」だったら
僕の人生は大変なことになっていました。
なんせ全部かっこいいんですから!

主人公の2B。
ゴスロリ衣装を着た、
日本刀を振り回す、
アンドロイドの
眼帯無口キャラクター

……呆れるほど中二病デザインの鬼盛りです。
しかもちゃんとかっこよくてかわいいんだわ。

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これがかっこよく見えるようなバランスになっているのがスゴイですよね。
スマブラの参戦キャラクターとして期待されていたのも納得。

■③プラチナゲームズのアクションゲーム!

そもそもNieR:Automataを買った理由は、
「そろそろプラチナゲームズのアクションゲームがやりたいなぁ」
と思ったから。

プラチナゲームズと言えば、
アクションゲームを作らせたら右に出るものはいない、
ゲームデベロップメント職人集団です。
主なタイトルは「ベヨネッタ」、
「メタルギアライジングリベンジェンス」、
そして今や一番の代表作となった「NieR:Automata」。
ちなみに社名を「プラチナゲームス」と書き間違えると、
プラチナゲームズ専務取締役、神谷秀樹さんa.k.a.プラチナゲームス警察から
直々にリツイートされて指摘されます。

プラチナゲームズについて書いているとそれだけで記事が埋まってしまうので、一旦話を戻します。

NieR:Automata、さすがアクションゲームとして申し分のない気持ちよさ!
マップを走る快感、
攻撃を当てる快感、
攻撃を回避する快感、
いずれも素晴らしい!キャラクターを操作しているだけで快感です。

武器の種類、
武器を使ったときのコンボ、
武器の成長、
装備品のカスタマイズ、
みんなあります。

アクションとしての手触りの良さからして
どう考えてもハマるとしか思えない
のですが、
ハマりきらなかった理由がありまして。

NieR:Automataというゲーム、
アクションだけが売りなゲームではないんですねー。
オープンワールド、成長システム、キャラクター同士の会話など。
それらとのバランスを考えると、
アクション要素を犠牲にせざるを得ない個所がいくつかありました。
「プラチナゲームズ的には、ここは不本意だっただろうな」
という個所もあったりして。

何より「プラチナゲームズとの初対面」がこのゲームではなかったことが
大きかったと思います。
僕は「ベヨネッタ」、
「マックスアナーキー」、
「メタルギアライジングリベンジェンス」などで、
プラチナゲームズ味が濃いゲームをを味わっていましたからね。

もちろん、だからと言ってNieR:Automataのアクション要素が
とっても良いことには変わりませぬ。
個人的には「ジャンプする感じ」が他のゲームと大きく違って
ボタンを押そうと思ったと同時にジャンプしてくれいてるのが
とても気持ちいい。
他ではそうはいかないんですよ。

■まとめ、と、どうしても語りたい「ネタバレ」!

というわけで、NieR:Automataというゲームがいかに素晴らしいのか、
を書いてきました。

それと同時に、どうして僕がNieR:Automataにハマり切れなかったのかも
書いてきました。

やっぱり「文化との初対面」っていうのは大事だなー、と思いましたね。
知っていることに触れるのと知らないことに触れるのは
感動レベルにどうしても差が出ます
よね。

そう考えると、
「世の中知ってることばっかりになってしまったな」
「オジサンになってしまった」
と思いがちですが……
実は世の中、僕の知らないことがまだまだたくさんありますので、
まだ僕に残っている「初対面」は大事にしていきたいと思います。
ゲームとしては
・キングダムハーツシリーズ
・ファイアーエムブレムシリーズ
・ペルソナシリーズ
あたりはまだ未体験ですね!

そして……

すみません、
どうしても、
どうしてもこのゲームの
最終的なネタバレについて書きたくて、
書きたくて書きたくてたまらないので、
ゲーム未プレイの方は、
または今後プレイ予定の方はここまでとさせてください。
ええ、あの話です。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

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■セーブデータを消しました!!!

消しました!消しましたよ……!
消すしかないでしょう、あの状況だったら……!
葛藤はありました。
ありましたけど、消しました。

えーと、
NieR:Automataを未プレイで、かつ
私の記事を読んでもやりたいと思えなかった皆さんのために
状況をご説明しますと。

前提として、このゲームは軽くオンラインに対応しています。
ときどきマップ上にアンドロイドの死体が落ちていまして、
これは「世界のどこかにいる他のプレイヤーの誰かがここで倒れた」
という証。
この死体の情報を読み取ることで、パワーアップなどが可能です。

あと……もう一つ前提なんですが、
このゲームはマルチエンディングです。
バッドエンドがたくさん用意されています。
僕もまだ全部見ていません。

で、話を戻します。

僕は今日、トゥルーエンドに到達し、
感慨深い気持ちでスタッフロールを眺めていると、突然、
最後の最後に大事なミニゲームが出てきたんです。
このミニゲームの後半が、めちゃくちゃ難しい。
しかしストーリーの意味合いとして、なんとしてもクリアしたい。

何度かリトライを繰り返すと、
「(プレイヤー名)が救助申請してきました。救助を依頼しますか?」
と問われました。
どうやら、世界のどこかにいるプレイヤーのようです。
リアルタイムで助けてくれるわけではないですが、
おそらく「困っているプレイヤーを助ける」設定をオンに
していたのでしょう。

自力でクリアしたる!と思い、何回か「いいえ」を押していましたが、
どうしてもクリアできなかったので協力を依頼しました。
何人かのゲームプレイヤーのおかげで、ミニゲームクリア!
無事トゥルーエンドを完遂できました。

問題はここから。

エンディングが終わった後、
突然、これまで主人公と会話してきたゲーム内の支援キャラクターが、
プレイヤーである僕に語りかけてきた
のです。
これまた「メタ表現」。いやぁ、ドキッとしますよね、こういうの。
そして、こんなことを問いかけてきたのです。

「もし世界の他のプレイヤーがミニゲームで困っていたら救助しますか?」

お、これで「はい」を選ぶと、
僕もさっきのミニゲームで誰かの救助に行かれるんだな。
なるほどー。
ここは喜んで「はい」を選んで……ん……

「ただし、その代償としてこのゲームのセーブデータは削除されます」

……は…………?

え、どういうこと……?
これ、「はい」を選んだらこのセーブデータ消えるの?

そ、そういえば、さっきのミニゲームの最中、
「(プレイヤー名)のデータがクリアされました」
って出て来てたけど……え、そういうことだったの……?

……というのが、僕が書きたかったこのゲーム最大のネタバレの正体です。

いやぁ、なんてことをするんでしょうね。
ちょっと調べるとヨコオタロウさんの作品で
これまでにもあったらしいのですが、
僕はそれこそ初対面だったので、衝撃でした。

それに、これ、究極のメタ表現ですよね。上手い。
ゲーム内で「自己犠牲!」をしても、
なんだかんだコンティニューすればどうにかなるわけじゃないですか。
だけど、セーブデータが消える、って
まさしく自分が歩いてきた記録が消える、即ち死。
「誰かを助けるために、あなたの命を賭けられますか?」
という問いを、正面から受け止めなくてはいけないわけです。。。

で、前述の通り、セーブデータを消すことにしたわけです。
もう、消すしかないよね。だって僕だって、
誰かのセーブデータを犠牲にしてクリアできたわけですから。

割と早い時間で決断しましたが、
それは僕がこのゲームにハマり切っていなかったのも
理由の一つだと思います。
もし、NieR:Automataをプレイして、
このゲームが大好きになって、
何も知らずにここまでたどり着いたら……。
どうするんでしょうね。
消せないかなー。
消せない気がするよ。
うん。
酷い仕掛けです。最高です。

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はい、ということで、
感想記事は以上になります。
記事を書いている間に、
やっぱりプラチナゲームズをもっとやりたいなぁと思い、
アストラルチェインを買ってしまいました。
また遊ぶぞ―。

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