素直な思い

先日、独身時代に仲が良かった友人と数年ぶりに電話で話しました。
彼女は元男子、性転換手術を受けて女性の姿形になりました。(戸籍はどうなっているかはわからないのですが、心は女性なのでここでは彼女と呼びます)

彼女の言葉選びはとても繊細で綺麗でした。
「無理してない?」
「頑張りすぎてない?」
「自分いたわってる?」

まるでお母さんのような優しい言葉。
荒れた心が、穏やかになっていくような感覚でした。
彼女には、お付き合いしている方がいて、自分たちの子供がほしいと願ってるそうです。

里親制度を利用して里親になり子供を育てたい気持ちがあるようですが、
その子が大きくなったとき、自分のような人間が母親であることで好奇の目で見られるのではないかということを懸念して、いまだに里親登録には一歩踏み出せないようです。

差別や偏見は耐えることはないけれど、
それってとてももったいないですよね。
こんなに子供が欲しいと願ってる人が、くだらない偏見で後退りしている。
子供なんて欲しくなかったのに仕方なく、と思う人間が産めば簡単に親になれる。おめでとう、と言われる。

周りの声なんてスルーしとけ、気にすんな。
とスルースキルを求められがちだけど、
本当にそんなことできる人っていないと思いました。
この人強いな、何言われても気にしてないな。と華麗にスルーしているように感じていても、
必ずどこかに溜まっているフラストレーションが、
何らかの方がでどこかに出ているものだと思う。
溜めれば溜めるほど、それが歪んだ形になっている。
差別や偏見への、「気にしてないわ。」って強がる人って、めちゃめちゃ弱いと思います。

彼女のように「差別や偏見がこわい。」と素直に言える事の方が大切なんじゃないかと思う。
彼女はいつも素直です。不安なものは不安だよ、こわいものはこわいよ、と言います。
それでも自分の思いを貫いています。
なりたい自分になれています。
私にとって彼女は尊敬しかありません。

彼女がいつか本当に子供を持てる日が来る事を願っています。








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