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星を紡ぐ子どもたちと旅する大人──たかがゲームされど峡谷

 暗く醜い前話(雨林・後編)を読んで下さった方ありがとう! そんなの読みたくねーって方は読まなくても問題ない!? 折返しの第4話はじまり、はじまり!

 突然だが、Twitter上でも私生活をあまり発信してこなかった私のリアルに触れなければならない……ドキドキ……私は田舎に暮らす、しがない主婦である。
 ああっ! フォロワーが減っていく! 待ってくれぇ! せめて読んでってくれーっ……などと茶番を入れておこう。これで前話とのバランスは取れたはずだ。

Sky 星を紡ぐ子どもたち
雨林を終えて

 さて、ここで精霊解放といこう──ゲームのレベル上げは苦手、課金で話が進むなら(独身時)月三万円も溶かしていた私は、こんなエモートを教わる「コツコツ……ログインだけでもコツコツ……」そう精霊さん改め旦那は無課金ゲーマーだった。
 専らアプリだが某有名パズルゲームや某有名ウォークゲームなどをリリースから無課金で続け、謂わば古参プレイヤーの立場で悠々と攻略を極めている。が、安心してほしい……私のSkyへの課金は反対されない(誰も心配してない)のだ!

 そんな旦那が「たかがゲームの、ひとりのフレンド相手に自分の好きなものを辞めなくていい、早くブロックすればいい」と説得してくれて、ある晴れた日の満天の星空から私は──光を奪う特別な経験をする。
 その頃の記憶はほぼなく、フレンドへのワープ回数もぐんと減りデイリークエストのみをコツコツやり過ごす日々を送っていた。

 ここで不思議に思った方はいるだろうか、“ゲーマーの旦那さん”はSkyをしないのかと……。その発想はなかったが違う発想は思い付いた。
「ゲームしなくてもいいけどハート欲しいんだよね」
「……それ、いつ言うのかと思ってた。待ってた」

 そうして雀旦那を連れた旅は幕を開けた!

Sky 星を紡ぐ子どもたち
雀旦那を連れ回る

 ここで問題です──背格好にも、二週目に入っても、季節のクエストさえも、特に興味を示さなかったゲーマーにを付けたのは何でしょうか? 
 正解は……精霊・星座盤の右下に表示される達成率%を目にした瞬間だ。ちなみに私は一切気にしたことなく、いつの間にか実装された? くらいの認識に「何これ?」とマジトーンで聞かれ説明する。そこからは早かった……まさに峡谷を華麗に滑り降りるようにハマってくれた。

 “羽=レベル”のために再訪さんを心待ちにし、女神や神フレへの丁寧なお辞儀を使いこなす旦那のおかげで、まだこの世界にいたいと思え始めた頃だ──とても、とても大切な出逢いをする。
 とある休日の早朝4時、何となく目が覚めてしまう。すると真っ先に旦那がSkyしようと言い出したことは可笑しかったが、灯りも付けないリビングから明るいホームへすぐに移動した。

 どこへ行こうか相談していた私たちに“双子”雀がぷえぷえ鳴く。唐突フレンド申請にも応えつつ面白そうなので、ふたり付いて行くことにした。
 草原を駆け回りながらも精霊や羽に見向きもしない、せっかち雀と指差した方向へ素直に寄り道する、のんびり雀。相容れないふたりは早々に離れ我が道を進む。

Sky 星を紡ぐ子どもたち
ふたりの雀

 せっかち雀を追う旦那とのんびり雀に綻ぶ私──雨林までを“一直線に”終えたせっかち雀はチャット椅子に座ったようだ。海外の方だと嬉そうに実況通訳する旦那の“初チャット”を聞きつつ未だ草原を探索中の、のんびり雀の可愛さに心惹かれていく。
 実は上級者か経験者ではないかと疑うほど、数少ないエモートでも楽しさや喜びを豊かに鳴き返してくれるのだ。案内しすぎないように“通れる”ルートで、気付けば峡谷まで一緒に来ていた。

 すっかり朝日が照らすリビングに生えた思い──こんな関係が続けばいいのに、言葉の要らないエモートだけの関係……。

 捨てられた地を前にお別れするのも酷な気がして、書庫入口へ送り届けバイバイする。チャットはしなかった、解放は愚かチャット椅子の前も足早に避けた。
 何より、もう会うことはないと思った──こんな早朝にプレイすることもなければ、これから“面白く話せる”フレンドが、この感情豊かな雀さんにならたくさん出来るはずなのだ。

 次回、エモートは世界を救う!!?   
 星を紡ぐ子どもたちと旅する大人──言葉の捨てられた地 へ続く……!

──あとがき──
 所謂、癒しゲームなSkyの中でも戦い要素が欲しかったのか、今でも旦那は花火杖でエビちゃんに一矢報いるつもりでいるらしい。

Sky 星を紡ぐ子どもたち
旦那の成長ぶり


  

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