知床半島沖の観光船浸水事故に関して体験観光事業者としての意見


事故を起こした観光船 KAZU1

北海道知床半島沖での観光船浸水事故の後、10名の発見者の全員の死亡発表されました。まだ16人の行方不明の方がいます。全員の発見と生存を祈るところですが、非常に胸が張り裂けそうな気持ちになっています。

・昨年6月に事故を起こし、北海道運輸局から文書指導があった。
・事前に座礁し、船体の補修が必要だった。
・同業者が4月29日から運行開始する取り決めがあった。この会社だけ24日から運行を開始した。
・2年コロナにより売上を失ったことで健全経営から無理する兆候が出ていた→全体の観光だけではない事業者も。

観光事業者が午後からの荒天予測を軽んじて座礁危機が上がる中、ツアー催行することはあり得ないというのが定説です。しかし、催行してしまった…

「なぜ事前にやっておけないのか?」 
「なぜ催行判断のミスが起きるのか?」 
「事故後に速やかに救出に行ける天候状況での催行判断をしていなかったのか?」

この事故後、午後1時半以降、悪天候で地元の方々が救出に行ける状況ではありませんでした。大きな巡視船クラスとヘリコプターが最初に現場に入っていました。海水温3℃。生存するには20分以内という救助が必要というのが定説。海が荒れて救助に行けなかった。

報道も様々な方々に聞き取りを行い、報道されますが、時間が経つにつれて出てくる情報は本当に厳しい、残念な情報ばかりです。



これは本当におかしい…
◉本当におかしなことにならないように警笛を鳴らす意味で意見させて頂きます。With コロナ禍でこのような事業者だけでなく、地域が業界が催行判断を誤った事業者を助長しているとも考えられます。

日本全国の着地型体験観光、アドベンチャーツーリズムを推進する地域、事業者、協議会は以下のことを自分ごととしてお考え頂けたらと思います。
※既にこのような知見をお持ちになり、行動されている方は以下読み飛ばして下さい。

●体験に関するリスクマネジメント(地形、気象、スキル、体力レベル、事故後のレスキューマネジメントを含む)、ローカルルール(観光事業者、行政、地域のステークホルダー、地元住民、観光客)の徹底と再確認する
●ローカルだけで判断しない第三者によるチェックと新しい知識、情報を常にキャッチし、お客様に誇れるマネジメントする事業者を行政、業界、地域支援する
●協議会、体験観光事業で催行における判断材料のデータ収集とデータベース管理をする
●経営者、オペレーターの判断力を磨く為の仕組み作りと情報共有の場の設定をする

当方の海外の富裕層のお客様を送客するエージェントが選ぶポイントはキャパシティコントロール(ガイド対お客様の適正人数決定:団体の定義、内容吟味)の基、危機管理が出来ているか、しっかりお客様に英語で説明が事前、最中、事後できるかということを条件にしています。

世界遺産登録を全国の地域で目指し、登録に至り、登録を目指す地域は官民連携協議会をお持ちな地域が多いと思います。世界遺産に対するPRやブランド化、マーケティング、商品造成、事業者のルール作りなどはコロナ禍でも進んでいます。国内外の人々が、家族がそこに行きたくなる仕掛けがされています。


国土交通省が事故を起こした会社へ

今回の観光船事業者は受け入れ準備ができていない1事業者だったと法的になる可能性があります。ツアー催行から10人死亡し16人行方不明者が出した事故を起こしてしまった。この事業者は4月24日午前まで合法的に営業し、ツアー催行し、事故を起こしてしまった。もしルールや教育、情報共有を観光事業者任せにせず、地域がもっと介入していたら。


過去、このような悲劇的な体験観光事業者の事故として、8人が山中で亡くなった2009年7月16日のトムラウシ山遭難事故があげられます。なぜ催行を止められなかったのかについて、行政、地域商社、体験観光、アドベンチャーツーリズムを推進する関係者は皆さん事故報告書を読んで学んで頂きたいです。


観光船もセイリングとして体験観光に属する

アドベンチャーツーリズムとして、日本全国で着地型体験観光が看板商品造成、セールス、マーケティング、ブランディングを国内外にする観光庁の補助事業もあります。

世界→欧州→広域観光地→日本におけるEBSTMとして効果として広めようとしている

都道府県、自治体もコロナ、Covid-19で失った地方経済を取り戻す為の事業として、安全管理判断、リスクマネジメント、事故から学び、最小限のリスクにする努力とはどういうことなのか、事業関連のステークホルダーから学んで頂く必要があります。地域が学んでいたら、この船を止める仕組みを作れたと言えます。

お客様が、子供たちが、自分の家族が、このような事業者だと知らずに観光船に乗ってしまうことになるのだ…ということを想像し、着地型体験観光事業のあり方を学んで頂きたいと思います。

謙虚にこの観光船を沖に出してしまった事業者、業界、地域は観光客を受け入れるサスティナブルな何千、何万もの安全チェックと事故後も二次災害無く救助できる仕組み作りとしてやり直すべきではないかと思います。

観光事業者は事業者ですので稼がないと潰れます。営利優先します。安全管理とは裏腹な考えを持っているのです。コロナ禍でどういう気持ちかを想像してみて下さい。

基本的なリスクマネジメント、準備をしましょうと地域皆さんで危機前の備えを

犠牲者を他の体験でも、地域でも起こさないようにどのような立場の方々であっても皆さんの地域で事故が出ない、救えるシステムを作ることに対し、学ぶことをやめないこと…そこを応援してほしいと思います。

見えていない現状と最悪のケースを皆さんの地域で1つでも無くすことは事故が起きてしまった以上その分析と考察を様々な専門家にしてもらい、ステークホルダーに共有し、有効な国、都道府県、地方自治体や観光団体、事業者の事業の方向性や観光事業と地方創生事業の啓発、事業予算の使い道の判断材料にして頂かないととも思います。

長文、読んで頂きありがとうございました。たくさんの地域で着地型体験観光を進めていますが、このような悲劇を起こさない為に何をすべきかを示させて頂きました。

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