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河鍋暁斎『地獄極楽めぐり図』が脳裏から離れません。

先週の東京道中の合間に鑑賞した、静嘉堂文庫美術館にて開催中の「あの世の探検 地獄の十王勢揃い」(2023.8/11-9/24)で鑑賞した河鍋暁斎『地獄極楽めぐり図』が脳裏から離れません。

14歳という若さで亡くなった田鶴(たつ)ちゃんが阿弥陀さま御一行と共に極楽往生するまでの冥界ツアーの様子が描かれている冊子なんですが、それが本当に素晴らしかったなあと。

復刻版が販売されてまして、5,000円と会場ではちょっとびびってしまいましたが、今から思うと、もしかしたら格安だったんじゃないかと。

どの頁も好きなところをいつでもガン見できるんだぜ…と、あの日の私に伝えてあげたいです。

「たっちゃん、あの世に行っても阿弥陀さまたちと一緒に巡れてよかったね、楽しそうで、本当によかったね…!」

と、父親・勝田五兵衛 の愛娘への愛情と、その切なる想いを受け止め、供養の為に1冊の「地獄めぐり図」として表現した匠の表現力に、ただただ感銘を受けるしかありませんでした。

もちろん、『地獄極楽めぐり図』以外の静嘉堂の仏教美術の展示品もどれも素晴らしく、かなり濃厚な内容となっておりました。

例えば、「十二霊獣図巻」(室町時代・16世紀)は、十二の霊獣が描かれているわけなんですが、どうやらそれが悪鬼祓いのために、子供部屋にはられていたそうです。

「ある意味、ユニコーン大好き子どもじゃねえか!!!今の昔も不思議な生き物大好きだよねえ、変わらんなあ」

と、ほっこりした気持ちになったりもしました。

円山応挙筆「江口君図」の普賢菩薩に見立てたという美人画と不思議な雰囲気を醸し出している象さんの組み合わせも素晴らしかったです。

まだ、会期は9月下旬までされているそうなので、気になる方は是非、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

あの世の探検 ―地獄の十王勢ぞろい―
静嘉堂文庫美術館 (静嘉堂@丸の内 明治生命館1階)
2023.8/11(金・祝)ー9/24(日) 10:00ー17:00
「あの世の探検 地獄の十王勢揃い」

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