見出し画像

夫の急死 ~未成年の子の相続

相続は突然訪れます。

一番困ってしまうのが、働き盛りの方がお亡くなりになるケースです。

相続は(恐らく)誰もが経験することですが、多くても2~3回です。初めて相続を経験するのは親が死んだ時が最も多いのですが、中には配偶者が亡くなったとき、ということも少なからずありえます。

特にお子様がまだ未成年の場合、通常の相続とは少し勝手が違ってきます。

未成年の子がいても遺産分割協議は必要

遺言書が残されていない場合、未成年者も含めて遺産分割協議を行う必要があります。

ここで問題になるのが、未成年者は単独で法律行為が行えないということです。未成年者が法律行為を行う場合、親権者が代理することになりますが、相続の場合、親の利益と子の利益が衝突すると考えられています。

いわゆる「利益相反」です。

【利益相反の例】

・法定相続分と異なる方法の場合

・子に相続放棄をさせる場合

子に相続を放棄させたい場合、いくら子供を借金やローンの債務者にしたくない親心があったとしても、プラスの財産も放棄させることになるため、この不利益になると判断されます。

この場合、家庭裁判所で子に「特別代理人」を選任してもらうことになります(子が複数いる場合は、それぞれに特別代理人が必要)。

例外的に、親が放棄した後(又は、同時)であれば、子を代理して放棄ができるとする判例もあります。

相続放棄の判断は慎重に

特別代理人を選任してもらい、子の相続放棄をする前に注意したいのが、後順位の相続人です。

配偶者の両親や、兄弟が健在の場合、配偶者と後順位の相続人との間で遺産分割協議を行うことになってしまいます。

お亡くなりになった配偶者が自営業の場合、事業用の借入金などがあるかもしれませんが、安易に子に相続放棄をさせてしまうと、プラスの財産を配偶者の両親やご兄弟に持っていかれてしまうことがありえます。

さいごに

「相続の放棄」をせずに、遺産を特定の相続人に集中させる方法はあります。

住宅ローンの場合、死亡が免責事由になっている場合があります。

相続税や年金(遺族年金・寡婦年金)のことなど、配偶者亡き後の人生設計(少なくとも、子供が成人するまで)を考えるうえで、専門的な知識が役に立つことがあります。

相続の承認をするか、放棄をするか。10カ月あります。

役所や専門家に相談しながら、お手続を行うことをお勧めします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?