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【表現評論】メモリーズオフ2nd コアレビューその7 巴ルート3(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

●前回の記事

●見てて悲しい

完全に気移りしているので、ほたるにはほとんど心が残ってません。巴しか見えてない主人公です。もはや悲しさすらある。ほたるが哀れだし、主人公は巴巴巴になっててドン引きだし、巴もズルズル関係続けるし。せつないというか、気持ち悪いというか、哀れというか。でもこのルートは出会って3回で唐突に告白され、受け入れる、他にはない特徴がありますからね。そもそものコンセプトが、この手の哀れさを提供することなのかもしれません。二人の話が全然入ってこない。主人公と巴の匂わせ会話が女々しくて女々しくて女々しくて辛い。もう付き合っちゃえよ! というザインの気分です。

●ほたると巴の友情

主人公が見てみたいと言ったせいか、わざわざ澄空の制服を着て会いにくる巴。そんな友達おらんやろ〜。中学時代の、巴を庇うほたるのエピソードを聞かされます。このルートほわちゃんの株だけ上がっていきますね。めっちゃええ子やん。でも肝心のほたるルートは、全く印象がない。

●罪悪感から逃げる方法

友達だからこのくらい仲良くしてもいいよね、というラインを探っている巴。なんですかね。倫理と友情と愛情の板挟みになっていると考えると、この手のライン探りも、なくもない気がしてきました。と思ったらほっぺにキスしてラインを超えてくるわけですが。微妙な距離感探りが、巴ルートの味なのかもしれない。ただね、主人公はないんですよね。こいつは本能丸出しおじさんになってしまっている。もう少し葛藤してくれ。

●トルシエ批判をする主人公

当時を知らないとわからないネタぶっ込んできます。4バックに戻せとか。トルシエといえばフラットスリーだったからね。

●だいぶ後になって弟の話

巴に弟がいたことは覚えてたんですが、ここでようやく出てきます。サッカー好きで、随分前に亡くなった弟。メモリーズオフっぽくなってきたな。お芝居が一時期嫌いになったのも、父親が仕事で弟の死に目にも会えなかったから、というトラウマに起因するものでした。2ndは主人公にトラウマはないけど、ヒロインの方にありますね。どっちにもなかったら物語にならないわけですが。ここで慰めにかかってんのもね、もう主人公への好感度がゼロなので、下心にしか見えないんだよなぁ。邪推を抜きにしても、ほぼほぼ下心でしょ。これは。

●ほたるからの電話

るんるん気分で健ちゃん大好きオーラを出してくるほたるさん。これほど悲しい電話あるのか。あなたの彼氏は現在進行形で他の女と花火やっていちゃついてますよ。翌日アパートにやってくるほたる。普段やらないゲームを一緒にやろうとします。これでなんとなくわかるけど、ほたるも流石に気づき始めてますね。コンクール前で緊張してるだけとか言ってるけど、流石に嘘でしょ。主人公は古い女には塩対応です。新しい女にはちゃんと対応する。モテ男の鏡。

●ピアノコンクール全国大会

当日に巴のお芝居のチケットを渡す主人公。流石に酷くない? 鈍感では済まされないほどのひどさ。コンクールは大失敗で終わります。静流にもおめー、ほたるに会う前に帰れや、と脅されます。静流にも気づかれてる。

●全部バレてましたというお話

コンクールの夜、巴と二人でほたるを探す主人公。道端で偶然発見しますが、ほたるは激おこです。まあ全部バレてましたよねと。主人公がどんどんほたるに興味を失っていたことにも気づいてたし、誕生日パーティーの時も、海に行った時も、主人公が巴のことばっかり見てたことにも気づいてたと。バレテーラ。これが彼の有名な修羅場です。それでもあんだけ楽しそうにして誤魔化してたんだから、偉いもんですわ。気づいてたけど、二人から言って来るまで待とうと。昔は見落としてたけど、ほたるにはメモオフの真ヒロインの素質があるな。実質ほたるルートですわ。でも最後まで諦めないあたり、唯笑とは違いますね。唯笑さんの物分かりが良すぎるだけか。人間らしいといえば人間らしい。もう一回やり直そうって言ってますけど、そいつ絶対またやらかしますよ。一回浮気した人間は何百回でもやりますよ。他人の信頼を裏切ることが可能な人間ですよ。そして結局二股かけてたのは、単にほたるも惜しいからという、男の鑑のようなことを言い出しています。正直やね。ここで腹を切るようにほたるに別れを告げますが、そう簡単には行かない。ほたるはととちゃんに断られたらやり直そうと言ってます。それは流石にでしょ。しかもまだ定期的に会いに来るというね。恋は盲目。

●お前しか見えないんだ

と巴に告げる主人公。

どの道、全員が納得する結末なんてないんだ。なら少しでもマシな結果を選びたい

Memories off 2nd より

ここで珍しく伊波先生の名言が飛び出します。いや、その通りなんだけど。加害者側がいうセリフではない。巴にもそう言われて終わり。

●父親が倒れる

ここで巴の父親が倒れます。命に関わる事態で、見舞いに行くか舞台で残るかの二択を迫られます。昔の弟の件と全く同じ状況ですが、巴も舞台に残る選択をしました。

●巴の舞台

舞台の名前はTSUBASA。夢のつばさがここで出て来るとは覚えてなかった。名演で観客を沸かせますが、父親の死に目には会えませんでした。

●舞台から1週間

浜辺でほたると歩く主人公。ほたるは、主人公が巴と知り合ったら絶対仲良くなるから紹介しなかったのだと、なかなか趣深いことを伝えてくれます。しかも最後には、巴が黙って引っ越すつもりだよと教えてくれます。どんだけ聖人だよ。他の人のルートのほたる、いい子すぎないか。その分主人公がゲスの極みなわけですが。黙っていなくなろうとする詩音パターンだけど、引っ越し寸前で捕まえる。最後に気持ちを確かめ合って巴は去っていきます。ここで終わり。最後のCGのファッションが謎でした。

●巴ルートまとめ

この記事を読んでいる3人くらいの読者の皆様。全国の巴ファンの皆様。2ndのファンの皆様。申し訳ありません。巴ルートはメモオフシリーズの中で、今のところ最低評価となります。というのが途中の評価だったんですけど、まあ終わってみると、そこまで酷くはないですね。少なくとも最下位確定とかではない。でも結構下位争いかもしれない。巴のキャラは好きですけど。僕のルート評価に、キャラ評価は参考程度しか含まれないので、キャラが良くても評価は低いです。キャラもな、やってること考えると、かおるがちょっと重い女やな〜というレベルではない、結構なマイナスがありますね。ただ問題は主人公です。物語が続くにつれて好感度だだ下がりでした。ほたると巴の間でグダグダ。心は完全に離れているのに、中途半端な状態を続けてます。一番あかんのは、匂わせ会話で巴をチラ見する辺りです。もう好感度ゼロ。男気を見せる場面もほとんどないし、このルートに限っては、もはや幸せになってほしいと思えない人です。応援したくならない主人公はそれだけで物語に致命的なダメージを与えますね。そして巴ルートの不味いところは主人公の問題だけではなく、ルートに入った瞬間、ずっと気まずさが続くところです。告白を受け入れるまでは最高に気分がいいキャラなんですけどね。そっからのグダグダ感が凄い。ひたすらお互いに匂わせ会話をしてるだけです。つまりこの匂わせ会話が楽しいかどうかが全てなわけですが、自分は全く楽しめませんでした。唯一の救いは、倫理と友情と恋愛と罪悪感の板挟みになっている巴の心の動きが丁寧に描かれているところですね。これなかったらガチで危険だった。あとはほたるもね、根本的なところでの優しさが見えたので、いいキャラでしたね。昔よりも全然印象が良かったです。あと最後に気づいたけど、CGって上下が切れてるんで、水着のシーンも上下が切れてました。元の比率で見ると普通に悪くなかったです。

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