見出し画像

【表現評論】メモリーズオフ 想い出にかわる君 コアレビューその13 カナタルート(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎ルート被り

伝統。音緒トゥルールートとほぼ同じで最初は書く事がない。

⚫︎自分らしく生きる

おばあちゃんを見習って生きているカナタのテーマ。我慢しない。言いたいことは言う。自分らしく。なんかおっさんになってくるとね、こういうの逆に浅い気がして来るんだよね。テンチョーもそうだけど。我慢する。言いたいことは言わない。自分を抑える。他人のために生きる。自分らしくとか、いかにも時代の流行っぽくて浅い。他人のために生きるって、多分人類が始まってからずっと続いているテーマですからね。その方がよほど深いだろ。なのでカナタより音緒さんの方が深いキャラクターかもしれない。そもそもカナタは人の話を聞いてないし。言いたいこと言ってるだけ。お前と呼んだら怒るし。めんどくせぇ〜。FF12か。

⚫︎全く噛み合わない人達

音緒さんを振ってから付き合ってるのか付き合ってないのかわからん状態に。物事にはバランスってものがあるじゃん。噛み合ったり噛み合わなかったりさ。その塩梅で物語って進んでいくものだと思うんですが、この人たち1秒も噛み合ってないですね。何が楽しくて一緒にいるのか。苦行だろこんなもん。

⚫︎唯笑再登場

冬服は黒いタートルネックを着てます。やっぱりこれよ。この一瞬のために新しい立ち絵を用意したんですかね。

⚫︎テンチョーの幻影

気まぐれなカナタに振り回されて、こんな時にテンチョーだったらどうすんのかな〜と悩む主人公。死んだ男をライバルにしたら永遠に勝てない、というテンチョーのメモを何回も見てます。カナタも田中一太郎と同じ対応は求めてないだろう。求められてないものを提供しようとしても意味がないという話です。

⚫︎電波会話の応酬

音緒ルートでは抑え気味だった想君特有の電波会話が永遠(僕が言いたいのは永遠)に続きます。さすがにキツくない。深くもないし、かっこいいわけでもないし、単に意味不明な例えとか皮肉が続く。こりゃきつい。

⚫︎車を運転するカナタ

バイクはやめたらしいが、乗りたくなったらいつでも乗ると。車の中で音楽をかけた時、那由多が持っていたMDの真実がわかります。ショーゴ愛してるはカナタのセリフだったと言う話です。空耳ではない。全ルートやらないとこのルート辿り着けないので、そのギミックが活かされています。活かすというほどのものでもないが。

真夏の海はモデル的にNGなので、寒い海に入るおバカ二人。ここでようやく同じ幼稚園に通っていたことが明かされます。幼稚園の時はラブラブだったのに、小学校に上がると沙子と仲良くなっていたとか。中学校で再会した時も、ショーゴ君は覚えてなかったけど、向こうだけ覚えていたということです。まあ、ショーゴ君は初見で大抵の女が惚れる男だから。そんな昔ちょっと同じだったくらいの女じゃ、いちいち覚えてられませんよ。ショーゴ君は沙子ちゃんに夢中だったんでね。ルックスは沙子ちゃんの方が良かったのかもしれない。性格も多分沙子ちゃんの方が良い。今はアレだけど。カナタは性格的にギャルゲーのヒロインとしてはあまり適してないと言わざるを得ない。こちらが気分良くなれる瞬間がほとんどないんですよね。常時気分良くさせろとは言わないけど、常に低値安定すぎる。ギャルゲーじゃなかったら、趣深いキャラなのかもしれない。

MDのショーゴ愛してるに気づいて、素直になったショーゴ君は、カナタと幸せになりましたとさ。多分。最後のテンチョーとチューした? というセリフはなかなか笑える。情けなくて。

⚫︎カナタルートまとめ

感想というほどのものもないんですが。音緒とだいぶかぶってるので、言えることもほとんど音緒の方に書いてしまった感じがあります。

カナタとショーゴ、最後は丸く収まりましたけど、この二人絶対長続きする気がしないですね。というか、カナタと続くやつおるんか? 

メモオフはメインヒロイン格が大体二人います。1stは彩花と唯笑。2ndはほたるとつばめ。想君は音緒とカナタ。果たしてどちらが真ヒロインなのか。1stはさすがに唯笑でしょう。2ndはほたる、と見せかけて、自分の中ではつばめになりました。だってさぁ。2ndは恋人を振るっていうのがテーマだしさぁ。翔太が匂わせていた謎も明らかになるしさぁ。シナリオの出来もつばめの方がよかったしさぁ。ということでつばめになりました。

じゃあ想君はどうなのか。これは音緒さんですね。タイトルに倣うならどう考えても音緒さんになる。ストーリーの組み立て的にも、音緒は最初からずっと一緒にいて、ノーマルルートとトゥルールートがあったのに対し、カナタルートはほぼ音緒と共通、独立している話は、最後にちょろっとあっただけなので、おまけ感が拭えなかったです。カナタさんには想い出の中でじっとしてもらうということで。そういう意味では彩花に近いものがありますね。やはり想君はちゃんとメモリーズオフだったのかもしれない。

次回はまとめに入ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?