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良心の呵責を利用するモラハラメッセージに気をつけろ!

人に頼まれごとをされるときってありますよね。

そういう時に、人によっては「良心に訴える」という手法をとることがあります。これは強力で、まじめな人ほど効果を発揮しますが、方向を変えると洗脳や隷属関係に置くことができる危険な武器になります。

今回はそんなお話。

1.良心とは?

私がこの話を意識するようになったのは、以下のブログ記事を読んでからです。

紹介した記事では、人に罪悪感を持たせて、行動を事実上強制するプロセスが解説されていますが、ここでは「良心の呵責(かしゃく)」にしぼって、書こうと思います。

そもそも良心というのは、「倫理観」のようなものです。

泣いている人がいたら、とりあえず「大丈夫?」と聞きますよね。電車で調子が悪そうな人がいたら、席を譲りますよね。

これらは「義務ではないけど、やった方がいいと思っている」から行われる行動です。

こういう「やった方がいいと思っている」価値観を「良心」と言います

良心の呵責っていうのは、これが発動できなかったときの後悔や罪悪感のことです。

優しくてまじめな人ほど良心が強いので、良心の呵責が起きると、強い苦しみを覚えます。

「自分は心が弱いなあ……」と思う人は、たいてい良心が強くて、罪悪感を感じやすいんじゃないかなあと思います。

では、これを利用するメッセージとはどういうものか。次はそれについて見てみましょう。

2.良心の呵責を使ったメッセージ

人に何かしてほしいときには、相手にそれをするだけの動機を与える必要があります。

この動機として、私自身はできるだけ相手に「メリット」を伝えます。「こうしたほうがあなたにとってメリットがあるよ」という感じで。

逆に、「デメリット」を伝える人もいます。「このままだとこうなっちゃうぞ!」みたいな。私は嫌いなんですけど(笑)

この「デメリット」論法のうち、「それをしないと依頼者が辛くなる」というものを伝えて、相手の良心に訴えるのが「良心の呵責」を使ったメッセージです。

具体的に見てみましょうか。

「ねえ、お茶碗洗っといてくれない?」

え、これが良心の呵責を使ったメッセージ!?
と思われる方が多いでしょう。

なんでこれが良心の呵責を使ったメッセージなのか、今から説明しますね。

シチュエーションによって多少違いがありますが、例えばいつも家事を担当している家族Aにこういわれた場合、「そうしたほうが自分が楽になる」というメッセージが言外にあります。

「心が敏感な人」ほどこういうメッセージを受け取りやすいので、「お茶碗を洗ってあげないと、Aが大変になる」と考えます。

また、お茶碗を洗うのは面倒ですが、5分くらいで終わりますよね。

だから、「これくらいのことなら余裕だし、できる」と思います。

で、お茶碗を洗うと。

ポイントは、「断ったら良心の呵責が起きるように仕向けている」ことです。

断った場合、

・自分(依頼者)が大変になってもいいっていうのね!
・5分くらいで終わるのに!ひどい!

というメッセージが断った人にとんできます。

「大変な人は助けたい」、「できることはやってあげたい」という良心がある人ほど、これを想像します。だから断れなくなるんです。

別の例で言えば、ミスか何かをして注意されたときに

「こういう風に言うのも辛いんだぞ」

というメッセージを飛ばす人がいます。

これも良心の呵責を使ったものです。ミスをして「上司にも迷惑をかけた」と思わせることができるからです。これをされると怒られた人は、上司に頭が上がらなくなります。「迷惑かけちゃったから、もっと頑張ろう」という具合に。

で、こういうものはだんだんエスカレートします。

「私がこんな気持ちになるのは、お前のせいだ」

というメッセージを受け取り続け、「そういう風に思わせちゃ悪い」とどんどん考えて、その人の奴隷のようになってしまうのです。だって、上司の言う通りにしてないと罪悪感にさいなまれてしまいますからね。

親や先生、周りの大人が子どもや若い人に

「これはあなたのためを思って言ってるの」

というときも同じ構図です。「わざわざ言ってあげている」と恩を売って良心に訴えているのです。

こういう倫理観を悪用したメッセージを「モラルハラスメント」(モラハラ)と言います

なぜなら、言っている人は「相手を思うがままするため」にこういうメッセージをとばしているからです。

悪いことにこれを無意識に行っている人はとても多いです。
(もしかしたら気づかぬうちに自分もしてしまっているのかも)

だから、受け手が防衛策を知っている方が、相手を変えるより手っ取り早いです。

3.良心の呵責メッセージ対処法

まず、辛くなった時には不真面目で嫌なやつになりましょう(笑)

「私が悪かったんじゃないか」と思っても、まずは「あいつの言っていることはおかしい」と考えるのです。

実際に人に話してもいいですし、自問自答でもいいですが、言い訳をちゃんとして、「あいつだって間違ってるじゃねーか!」と思うのです。あ、人に話すときはちゃんと話を聞いてくれる人に話してくださいね。「そりゃ、あんたが悪いでしょ」とかいう人に話したら逆効果ですから。

世の中で健康的でピンピンしている人は、「極端にのほほん」としているか、「めっちゃ嫌なやつ」です(笑)

彼らは注意や頼まれごとをほとんど聞いてません。馬の耳に念仏ぐらいなもんです。聞いているふりをして「早く終わらねえかな」と思っています。

さすがにその境地に達するのは無理ですが、一時的に彼らの真似をしてみるのです。

これだけでだいぶ冷静になれます。

優しくて、まじめな人ほど、最初に自分へ向けてナイフを突き立ててしまいます。そうすると痛いのでどんどん冷静さを失ってしまいます。

とりあえずナイフを下ろさないと話が始まりません。

少しして冷静になってから初めて、「何が問題だったんだろう」と考えればいいのです。自分を責めてしまう人はまじめなので、この地点に戻ってこれます。大丈夫です。

辛くなったら、自分を守ってくださいね。

人間、多少わがままでもいいんですよ。

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