症例振り返り1 過剰内服での意識障害
高齢者の意識障害での中毒についてです。
意識障害の初回の血液検査で今までコリンエステラーゼはあまり気にして入れてなかったなと反省した今日この頃です。
コリン作用:副交感神経興奮薬
有名な有機リン中毒での症状は「徐脈、縮瞳、だらだら体液」
いろんなところから体液が流れ出ていて、発汗、流涙、気道分泌、嘔吐、下痢などがみられるんですよね。
有名な有機リン中毒じゃないか!?と証拠を得るために農家の人かどうか、自殺企図がなかったを家族に聞きますよね。
ただ有機リン以外でもコリン作用のある薬剤って結構あります。このサイトだと語呂で紹介してくれてますから一度見てみてください
コリンエステラーゼの測定を頭に置く必要がある人ってつまり
こんな人たちですね
コリンエステラーゼが下がらないことも
コリンエステラーゼ阻害薬でのコリン作動性クリーゼではコリンエステラーゼが低値になるのは有名です。
ただし注意が必要な点として
※直接的なコリン作用のあるピロカルピンやベサコリンはコリンエステラーゼが低下していなくても否定できないということです
まとめ
ベンゾジアゼピンとフルマゼニル
今回経験した症例ではベンゾジアゼピンも処方されていて、ベンゾジアゼピン過剰摂取も疑われました。
フルマゼニルで拮抗できることを覚えておらず、入院が確定してから調べて初期対応時に入れておくべきだったか!?と思ったんですが
Up To Dateには、拮抗薬を無差別に使うとむしろ害が多く、その1例としてベンゾジアゼピンに対するフルマゼニルがあるって書いてたんです。
実はベンゾで発作が抑えられてる状況で、フルマゼニルで拮抗しようとするとフルマゼニルが発作を誘発してしまうようなのです。抗痙攣薬を飲んでいる人とか要注意ですね。
高齢者で非痙攣性てんかん発作(NCSE)の可能性を考えるなら、同様にフルマゼニルの投与は積極的に行えないません。
総合内科病棟マニュアルにも循環動態、呼吸状態が不安定なときに使用を考慮すると記載されていました。
積極的に疑って拮抗しないとバイタルが保てないような状況で使うべきってことですね。
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