家計簿・資産管理アプリサービスの課題
家計簿、資産管理だけでなく、ダイエット、摂食栄養管理、メンタルヘルス等、個人向けの自己「管理」系アプリは、ユーザーが定着するかどうか難点は多いと思います。年頭の決意として、アプリの活用によって自己管理をしようと思ったユーザーが、「三日坊主」的にアプリを画面から消すケースは多いのが現実です。アプリビジネスは、何であれ、継続的課金収入の堅さが、そのビジネスモデルの価値を決するため、ユーザーのコミットメントを希薄化させない仕組みを作ることが肝要でしょう。
継続を促す仕組みの難しさ
ユーザーを維持するための技術的仕組みとして、日々入力データの更新を促す通知機能をつけることは一般的ですが、通知をオフにするか、いわゆる「通知スルー」をするユーザーは多いと思われます。また、日々のデータ更新を誉めてバッジがアップグレードしていくゲーム的要素を加味した機能も多くありますが、ユーザーから飽きられる時には、ゲーム機能も評価されません。
家計簿・資産管理をすることのパーパスの徹底的認識
家計簿・資産管理アプリはツールではあるものの、ユーザーにとって「ツール以上」の価値を見出させることが本質的に重要だと言えます。アプリ導入時に、なぜ資産管理をするのかというパーパスを確認し、さらに、資産管理アプリがなければ、どんな浪費に陥るのか等のシナリオを、性格アンケートを交えて問うことによって、「アプリを利用する必要性」を導入時に見える化することも一案でしょう。「家計簿・資産管理アプリ」を利用すれば自分の人生は楽しくなるのだと、強い動機付けをすることです。データの更新成果に応じて、自分の長期的なパーパスに照らしどんなマイルストーンを達成していくのかの診断も、コミットメントの継続性確保に必要でしょう。
継続価値の見える化
ユーザーが「アプリと共にある自分」の価値(バリュー)を認識できるようにすることが長期的なコミットメントを得る鍵です。アプリのバリューではなく、アプリで日々資産管理をしている自分の価値(バリュー)の「気づき」の提供が重要で、その気づきを印象付ける参考ストーリーを、定期的に見せることも有意義だといえるでしょう。
アプリのツール価値だけでは離脱をおさえられません。「アプリと共にある自分」のバリュー認識のためのプログラム作りをすることが、一つの方向性ではないでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?