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薬剤師による起業への挑戦 #3 「医療費の構造と診療報酬制度」
日本の国民皆保険制度における医療費は、公費(国庫、地方)、保険料(事業主、被保険者)、患者負担の大きく3つ財源から構成されていた(資料3)。
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患者負担の割合は年齢や所得によって決められており、基本的には70歳未満は3割、70歳から74歳未満は2割、75歳以上は1割とされていた。
つまり、高齢者の医療を労働人口が支えるという構成になっていた。
医療費は患者が医療機関を受診することで発生するが、その医療行為に対してどれ程の対価を支払うかについては、医療機関が決定するものではなく、国の「診療報酬制度」によって決定されていた。
診療報酬とは、技術・サービスの評価(医科・歯科・調剤)と物の価格評価(医薬品については薬価7基準で価格を定める)を指し、 保険医療機関及び保険薬局が保険医療サービスに対する対価として保険者から受け取る報酬と定義されていた。
具体的には、実施した医療行為ごとにそれぞれの項目に対応した点数が加算され、1点の単価を10円として計算された。
例えば、急性虫垂炎(いわゆる盲腸) で入院した場合、初診料、入院日数に応じた入院料、急性虫垂炎の手術代、検査料、薬剤料と加算され、保険医療機関はその合計額から患者の一部負担分を差し引いた額を審査支払機関から受け取ることになった(資料4)。
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この点数は中央社会保険医療協議会によって決定され、2年に一度内容が見直された。
この見直しによって改訂された診療報酬は、国の意向が大きく反映された。
診療報酬改定の近年の流れとしては、薬価は下がり続けていたのに対し、医科に関する報酬は増加傾向であった。
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令和2年度の診療報酬改定においても同様で、薬価はマイナス、診療報酬本体はプラス改定となっていた。
その診療報酬改定の具体的な内容として、訪問診療や訪問看護といった在宅医療に関する技術料に点数が割り振られていた。
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