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薬剤師による起業への挑戦 #4 「データヘルス改革」
日本は、2019年度データヘルス改革の関連予算として、721億8,000万円を計上した。
データヘルス改革は、医療、介護、個人の健康管理情報などこれまで分散していた情報を連結してビッグデータを構築し、これをもとにAI解析などを加え、データをより実効性のあるサービス提供に活かそうという政策だった。
情報通信技術を活用した健康管理・診療サービスの提供や、健康・医療・介護領域のビッグデータを集約した
薬剤師による起業への挑戦 #3 「医療費の構造と診療報酬制度」
日本の国民皆保険制度における医療費は、公費(国庫、地方)、保険料(事業主、被保険者)、患者負担の大きく3つ財源から構成されていた(資料3)。
患者負担の割合は年齢や所得によって決められており、基本的には70歳未満は3割、70歳から74歳未満は2割、75歳以上は1割とされていた。
つまり、高齢者の医療を労働人口が支えるという構成になっていた。
医療費は患者が医療機関を受診することで発生するが、そ
薬剤師による起業への挑戦 #2 「日本の医療」
2019年5月、子供の寝かしつけを終えてリビングに戻ってきた妻に、西川は今考えていること、すなわち起業について考えている事を伝えた。
漠然とした考えではあったが、妻はその意見を尊重してくれた。
対話を重ねていくうちに、そもそも今の日本の医療の何が問題なのか、その本質は何か、もっとクリアにする必要があると思えてきた。
医療の仕組み自体を紐解くため、西川は日本の医療制度について調べ始めた。
日
薬剤師による起業への挑戦 #1 「プロローグ」
2019年4月、西川は海浜病院(仮名)で薬剤師10年目を迎えた。
電車を降りて少し歩くと、満開の桜並木が病院までの道のりを案内してくれた。
海浜病院は静岡県海浜市(仮名)にある唯一の総合病院で、地域医療を支える役割を担っていた。
西川は10年目というひとつの節目にあたり、これまでの病院薬剤師としての勤務を度々振り返っていた。
思い返してみると、毎年のように印象的な出来事があり、多くの困難にぶつ