DroggerGPSは標高情報も結構使える(設定方法加筆)
今までGPSの標高情報が地図調査に役に立つ、という事はほぼありませんでした。森林内ではマルチパス?の影響で水平方向誤差10mくらいは当たり前だったため、垂直方向はおそらく20m近く誤差が出てたと思われます。コンタ4本分です。役に立つわけありません。
しかし、高精度で大変お世話になっているDroggerGPSなら役に立つのではないか、そう考えて航空レーザー測量のないエリアの調査に入った今試してみました。
測位環境はだいたい上記のリンクの通り。ただし、RTKによる補正は使用していません(SIMカード入れてなくて・・)。
その結果、尾根線上や上部の開けた場所であれば、大抵の場合誤差コンタ1本(5m)以内に収まるという事が分かりました。ただ、深い沢底、急な斜面上などだと2本分くらいの誤差が出ることがありました。
正直かなり使えます。
今まで航空レーザー測量のないマニュアル測量の場合は原図の標高情報が全ての拠り所でした。もしそれが誤ってたらいくら描いてもコンタがつながらなくて延々悩む羽目になっていました。しかし直接測位した標高情報が正確に取れるとその誤りを修正しながら調査を進めることが出来ます。
これは相当に大きい。
そして新しい発見も。
行政図の等高線は実際よりもメリハリがなくふんわりした描き方しかされないため、より誇張する方向に等高線を寄せる必要がある、という先入観がありました。しかし、必ずしもそうではなく行政図の方が極端に誇張されているという事例がいくつも見つかったのです。
いや、そりゃコンタ繋がらなくて悩むわけですよ。
具体的な設定方法
さて実際に使ってみようと思っても、実はGPSロガーが表示する標高値をそのままは使えません。東京湾の平均海面からの高さである「標高」とGPSが測位する「楕円体高」は異なる概念で、それを補正せねばなりません。以下の記事が背景知識として必要ですので、こちらもぜひ。
結論から書きます。
1.テレインの「ジオイド高」を国土地理院のサイトであらかじめ調べる
2.Droggerの受信端末に GPS_Status をインストールする
3.GPS Statusの「設定」で、「GPS&センサー」→「海抜」をオフにする(楕円体高を表示する設定)
4.すぐ下の「高度補正」で、「-(ジオイド高)-(身長)」をメートル単位で入力する(ジオイド高40mの身長1.7mなら、-41.7)
これで地形図と全く同じ基準の標高値を見れます。OOMapperとGPS Statusの2つのアプリを同時に表示させておけば水平方向と垂直方向の両方の現在地を常に把握することが出来ます。
航空レーザー測量のない環境での調査が必要になった時、ぜひお試しください。
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