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全日本リレーをプロが結託して突貫工事で作り上げた話

話は4月にさかのぼります。山川さんから突然「2週間後に試走をする」と言い渡され、西村・宮西・坂野の3業者が集められました。

それまで何がどこまで進んでるのか、自分は一体何をするのかまったく知らされていませんでした。坂野たちは知ってるのかもしれません。まあでも試走をするというからにはコースは組まれてるんでしょう。なんか高野に競技任せるとか言ってた気がするし。

集合していろいろ話を聞きました。

分かったことは「何も進んでいない」ということ。

コースも組まれてはいましたが、ごく一部のクラスのみ、高野ではなく、山川さんが「こんな感じ」ってなもんでざっくり組んだものだけ。

うん、知ってた。そんなこったろうと思った。

そこで3人+山川さんの奥さんで結託して山川さんに進言。「運営統括は手放してください。」「山川さんが全部持ってしまってたら我々責任もって仕事できません。プロとしてのパフォーマンスが出せないです。」「山川さんは渉外とかに専念してください。」

協議の結果、運営統括は坂野が引き取ることになりました。坂野運営責任者誕生の瞬間です。EAは資格持ってる宮西に決まりです。じゃあ競技は?コースプランは?・・うん、えっと、自分しか残ってないですね?

競技責任者西村が誕生した瞬間でした。

怒涛のコースセット

責任者になりましたのでもうこっちのものです。速やかに方針を立てます。コストの関係もあるし、みんな忙しいし、試走を別途する余裕もないということなので、この1泊2日の現地作業でコースを組み切ってしまう事になりました。

まずコース決まってないのにだらだら山に居ても仕方ありません。手分けして2時間くらい全ポを参考にテレインウォークして、植生等の経年変化を確認し、とっとと下山。

過去の実績を洗い出して各コースの目標コース距離と各クラスへのコース割り付け案を決定。

宿にチェックインした後早速コースプラン開始。組んだらすぐEAチェック。OK出たら今度はパターン振りを作って再チェック、それを全コース分繰り返し。夜23時ごろ、競技責任者を任命されて約13時間。すべてのコースが完成しました。

翌日、宮西と西村で1日かけてテープ巻きとルート上の修正調査を行い14:00頃解散しました。

・・・こんな超速コースプランはもちろん初めてです。でも、EA宮西に即レビューしてもらえるという環境はめちゃくちゃ助かりましたし、そのおかげでこんな無茶ができたと言って過言ではありません。

1人で組んでたらもっと悶々と悩んでしまうことでしょう。さっさと助言を請う事で無駄な思考時間が減ります。また逆にメールのやりとりでレビューもらおうとしたらそれはそれでものすごく時間がかかってしまいます。

本当は「これ2日で組み切ったんだぜ!どや!!」ってツイッターで威張り散らしたいところでしたが、まあ、ことはそう簡単にはいきませんでした。ちくしょう。

以下コースプランの反省
・ラス前へのアタックで電気柵を選手が壊してしまうルート取りを想定できませんでした。みんな舗装道に早々に乗ると思ってた(トップ画像参照)。
・MEのウィニングをキロ7分半で推定していましたが、実際は8分24秒。思いのほかかかりました。下草の影響?暑さの影響?コースが厳しい?ちょっと読み切れてませんでした。ここの推定は全てのクラスの基準になるので、おかげで全体にやや厳しめに。
・WS,WVの入賞タイムが異様に厳しくなってしまいました。他のクラスとの比較・バランスで考えるとそんなに厳しいとは思えなかったんですが、そもそも人口が少ない上、走れる人はWE出ちゃうとか、むしろXVに出ちゃうとか、かなり選手層が薄くなるという理解が足りませんでした。
・XJはWJと分けるべきでした。四国のまんのう公園で全日本リレーを組んだ実績と、最近の割り付け案見てこうしたんですが、こういう難しいテレインではXJの巡行はがっつり落ちることは予想しておくべきでした。

まあ、やっぱ、ちゃんと試走したほうが良いです。あたりまえ体操。本当はコース組まれてないのに現地なんか行くもんじゃなくて、コース組んでから5月くらいに試走する方が植生も反映できてブラッシュアップは出来たでしょうが、もうここはそもそもが無理くり計画なので仕方ないです。

2021年度大会は中止からの再延期からの開催計画でした。開けるだけで丸儲け。その制約の中ではよく頑張ったと思ってます。

直前追い込み期

5月28日にウェルカムリレーが終わり、全日本ミドルロングの地図調査の最後の追い込み中、全日本リレー運営に戻ってきました。競技責としては地図の入稿作業です。ここでも円カット・レッグ線カット・最終の全コースパターン出力をEA宮西に横で即レビューしてもらいながら進められ、半日で完遂しました。

あとはもう当日まで暇。

Slackのやり取り見る限り、山川さんがなんかすごい忙しそうに動き回ってたので、あ、これ、坂野は運営統括奪いきれてないな?とは思いましたが、デスマーチにならずちゃんと現地入りまでに準備終わらせていたので、奪いきれてないだけで、手綱自体はしっかり持ててたんだと思います。こっちは地理的に遠いので下手に口出さずサポートに専念。

実況とか

さて当日。

朝ポ確行ったら10個くらいフラッグが付いてないコントロールがあったのは超焦りましたがなんとかリカバリー。(金・土の朝に宮西が設置指示してくれてたんですけど、そこからその設置管理の引継ぎを曖昧にしてもたなというのが反省。「たぶんやってるからヨシ!」じゃだめ。要確認。)

大会中は実況してました。

いや、楽しかったですね。

なんかちゃんと実況するの楽しめたの初めてかもしれない。

自分、経験自体は多いんですけど、大会会場に出てることが圧倒的に少ないから選手の知識が乏しいし、事前調査も時間割けてないし、インタビューも気の利いた質問できないし、上手な人にはかなわんよなーって思ってたんですよ。

でも、そういう中で自分が出来るアナウンスに徹するようにしたら、わりと良い感じにできた気がしました。インタビューも別になくても成立するなって。考えたらスポーツの実況でも試合中にインタビュー挟むってまずないわけで、するとしても時間帯選ぶの重要かもしれない。

ただ終わってみると、ああこれすればよかったなと思う事はあります。

タブレット持ってきてたんだしどうせMulkaクラウドしか見ないんだからもっとスペクテーターズレーンのあたり見に行けばよかったです。WEとMEのウィニングランはなんとか実況できたけど、それでもMEの小牧選手がすぐ後ろまで迫ってたこと把握してなかったし、他のクラスのウィニングランも逃してしまったし。

まあこのあたりは、実況も大会自体もうまく行ったがゆえに欲が出てきたという話です。

まとめ

一度は中止になった2021年度全日本リレー。この大会は欠かしちゃいけないと山川さんの熱い思いにより動き出した計画。ゆえにそもそも無理くり感はありましたが、それでも一定の形になったし、ちゃんと盛り上がったし、「やってよかったよね」って思えたのが一番の幸いです。

自分自身また一つ実績を積み重ねることができてよかったです。また7人リレー等も続きますのでいい形で活かしていけるように引き続き精進します。


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