World Cup@中国の立禁侵入騒動の裁定


週末中国で実施されたWorld Cupミドルの最終戦で立禁侵入した選手が失格となり、提訴が出された模様です。下記のツイートで状況が分かりやすいです。

その裁定結果が、公開されました。結果として、侵入によって失格となった全員が救済され、競技は成立となりました。

https://eventor.orienteering.org/Documents/Event/3361/1/Middle-distance-MEN-Jury-decision

一部抜粋しますと、

「競技中、競技速度で競技者が地図を完全に理解することはできないと結論付けます」
「コントロール5に向かう途中で禁止区域を通過したアスリートが代替ルートと比べて獲得できた有利は30秒程度で、これはどのメダルにとっても重要ではありませんでした」
「完全な地図および公正な競争を100%行うことは不可能です」
「審査員は、マップの違反と、影響を受けたアスリートのタイムロス/ゲインの大きさは、レースを無効にするのに十分ではないと結論付けます」
「この場合の裁定は将来のレースやイベントに関する優先順位を構成するものではないことを表明し、ISOM2017マップ仕様と競技規則の適用を推奨します。」


特に「完全な地図および公正な競争を100%行うことは不可能であり、地図の違反と、影響を受けたアスリートのタイムロス/ゲインの大きさは、レースを無効にするのに十分ではないと結論付けます」というこの観点はどのような裁定を下す上でも重要な感覚だと私は感じます。

日本でも最近物議をかもしてえらい騒動に発展した裁定がありましたが、「不公正=不成立、失格」ではなく、特にメダルや入賞を決めるうえでどの程度の重要度があったのか、という観点で裁定されるのは参考にすべき部分であると感じます。

スプリント競技が始まって、立禁入って失格にするしないの議論は相当進みました。競技スポーツの根幹として、地図は最小寸法しっかり守って明確に描くようにしましょう、現地表記はっきりさせましょう、っていう方向になっています。

特に、私有地については、競技者が安易に侵入すると地元と大問題になってしまいかねません。ただ描くというだけでなく、常識的な競技者であれば決して立ち入らないようなコースコントロールが求められます。

日本でも似たようなことやらかさないよう、これからもしっかりノウハウを蓄積していかなければならないなと感じます。





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