不育症と着床障害について思う事

結局、不妊の原因はなんだったのか?

今考えると、1番の原因は着床障害だったのだろうと思う。自然妊娠も1度経験したし、体外受精をすれば5割に近い確率で着床できた。こうなると不妊というより不育の方が問題になってくる。

2回以上、連続して流産(胎嚢確認後)した状態を「不育症」

3回以上、体外受精による良好な胚(卵)を移植したのに妊娠しないか化学流産に終わった状態が「着床障害」

と考えられている。

カテゴリーとしては、不育症の中の着床障害の位置付けとなるのか?(ここは正直よくわからないけれど、そのような位置付けとして記事を書きます。)

私の体には、自分を攻撃する抗体があった。
橋本病に関する
・抗Tg抗体、抗TPO抗体

不育症に関係する
・抗PE抗体(杉での1回目の検査で判明)
・12因子抗体(杉での2回目の検査で判明)

どちらもも身体に抗体がある点では同じなので、橋本病と不育症は関係あるのかと色々調べてみたけれど、関係あるかもしれないと書かれていた記事を一度だけ見かけたことがあるが、伊藤病院の医師に聞いてみた時には関係ないと言われた。とにかくまだまだ解明されていない分野なのだろう。

不妊治療開始からこれら全てが分かるまで約3年かかった。ここまでくるのに、化学流産を7回繰り返した。(その後繋留流産も1回)化学流産しても最初のうちはたまたまとか、赤ちゃんの生命力が弱かったなどと流されてしまっていた。化学流産の原因のほとんどは、受精卵の染色体異常によるものと言われていているから、どうしても母体が原因である場合においては、化学流産を繰り返す結果になってしまう。
結局、原因は母体にあるにもかかわらず、治療もなしに移植を繰り返し、大事な命を無駄にしてしまう結果となった。

そして私の場合、不育症の専門病院に行って、原因が分かっても、最初のうちはスタンダードな治療のみで、さらに化学流産を繰り返して、そこでやっともう一段階上の治療に進めた。治療をする側にとっては慎重に薬の投与が必要かどうか見極めているのだろうが、こういう言い方をしてはいけないのかもしれないけれど、とにかく効率が悪かった

妊娠しても妊娠しても、赤ちゃんを授かる事が出来ない、自分のせいで流れてしまう、これは本当に辛い経験だった。

不妊治療をスタートした時から不育症の検査ができて、ある程度不育のリスクがあると診断されていれば、防げた化学流産もあったかもしれないが、今の不妊専門病院では不育症検査は初期の検査に組み込まれていない。不妊、不育の分野は全ての検査が自費診療になるため、そうせざるを得ない現状もわかるし、不育症であることが不妊に比べて明らかにパーセンテージが低いことも挙げられる。しかし、不育症であった場合の事を考えると、希望者には初めから検査ができるという選択肢もあってもよいのではと思うようになった。そうすれば、不育の知識も広まるし、妊娠への近道となり、防げる化学流産も出てくると思う

まだまだ不妊に比べ不育の分野は発展途上の分野であると思っていて、これからは最初から不育症についてのスクリーニング検査をする時代がくるかもしれないし、不妊に加えて不育症がある場合にはプラスして補助金などのサポートがあれば金銭面の負担も軽くなるのではないかと思う。

ここまで書けば不育症のもやもやした現状にうんざりしてしまうが、不育症は専門外来で検査、治療した人のうち適切な治療を行えば8割以上が無事に妊娠出産できるといわれてて、治療の経過はどんなに辛くても、頑張り続ければ赤ちゃんを授かる事ができるという事実だけはお伝えしたいと思う。

個人的には、杉先生にはもっともっと活躍して頂いて、不育の分野における謎を解明してもらいたい(笑)

不妊だけではなく、世の中には不育症で悩んでいる夫婦もいるという事実を知ってほしいと思う。

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