−196℃の世界で受精卵は眠る

繋留流産から3ヶ月たち、再び治療を再開する事にした。体調はよかったし、手術をしてから、生理出血も今までとは違ってサラサラしており、子宮内膜が綺麗に掃除されたようだった。毎日の生活も充実していたし、今まで感じていた治療に対する重圧感も払拭されていた。

前の記事で、赤ちゃんへの欲がなくなったと書いた。けれど赤ちゃんを諦めた訳でもないし、治療を辞める訳でもなく(治療を辞めたら、年齢的な事もあり絶対に授からないような気がしたし)、治療をマイペースにしながら、後は自然の流れに身を任すといったものだった。

そしてその頃から、神社によく参拝するようになった。なぜかというと、不思議と神様の事に興味がわき、単純に神様が好きになったから。

神様なんていない!と泣いていたあの日から数ヶ月。

神様の事が大好きになっていた(笑)

自分でも不思議に思うけれど笑(これについては長くなりそうなのでまたの機会に)
実は何故だか自分でもよくわかっていない。

でも一言でいうと、

神様っているよ!心の中にね!!

2017年11月
凍結してある分割胚移植→着床せず。

2018年1月(私40歳になる)
採卵。
卵子4個とれ、そのうち2個が分割胚になり凍結 保存。

2018年4月
凍結してある分割胚移植→着床せず。

受精卵は残り1個。
−196℃の過酷な環境の中(液体窒素)運命の日を待っている。

「受精卵を凍結保存」
初めて聞いた時、冷凍室で冷凍されるのかと驚いた。実際は−196℃の液体窒素の中に、特殊な溶液に浸された受精卵がストローみたいな容器に入れられて凍結されている。そんな環境下で生きていける受精卵って凄いと思うし、それって人間でいうと冷凍人間が生き返ったみたいなホラーな話になる訳で、そんな話ありえない。でも受精卵だとできてしまう。受精卵は−176℃の化学変化さえ許されない無の環境の中、強い生命力を秘め眠っている。ホラーではなく生命の神秘、やっぱり神の力を感じてしまう。

そして運命の2018年5月。
その記事はまた次回に。


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