(19)この日常の中でのペースメーカー

約3ヶ月かけて、全9回のラジオを自分でやってみて、ようやく内面のざわつきが落ち着いたという感じがある。
思えば、特に4月から5月あたり、調子を崩していた。本が急に読めなくなったし、育児・家事をしていてもイライラが多かった。
ラジオを始めて、月に2回ぐらい、好きな人をゲストに呼んで話を聞いたり、自分の感情をつらつらと話したりするようになって、それが僕のよりどころのひとつになっていった。

そういう日々を通して、家族・チームの中でのあり方と、社会・仕事で起こしたいと願う変化とを一致させる意思ができてきた。
この状況で分断や抑圧が深まるのであれば、そこに対してのカウンターカルチャーを張ろうと思えた。ようやくバランスが取れつつあって、自分のソース(源)にある力をうまく出せそうな気がしてきた。

この日常の中のペースメーカーが必要だと感じる。
外部の状況や情報の流れで揺さぶられるからこそ、自分の内面を落ち着かせてくれる何かがないと、どこかに飛んでいってしまいそうだ。
読む、書く、食べる、歩く。土をいじる、料理をつくる、人と話す。
新たなペースメーカーを探していたこの数ヶ月でもあった。
ラジオ番組をやってみた、筋トレにはまった、お気に入りの総菜屋を見つけた。

課題解決や価値創出に直接には関係ないように見えても、何の意味があるかなんて本人にだってわからなくても、大切な営みっていうものはある。
公民館のサークル活動、カフェ通い、公園での焼き芋、なんとなくのボランティア。
「あそび」や「余白」こそが、人のよりどころになる。
でもいまは、よりどころの存在が脅かされている。意味が見えないから。成果に結びつきそうにないから。それではずいぶん生きづらい。

ひとりひとりの日常や幸せを守るためには、世の中の小さなよりどころをみんなで守りあっていくことが、どうしても必要だという気がしてならない。

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