足と自転車と(SOMA RUSH)
1月上旬、自転車関連商品を取り扱う東京サンエスさんのSOMAの価格表を何気なく見ていると、珍しいフレームが限定で入荷する告知がなされていた。
フレームの名前はRUSH、固定ギアで所謂、ピストバイクというやつだ。去年グランドランドナーV3のジオメトリ表を見るためにSOMAの本国サイトに頻繁にアクセスしていた時に目にし、存在は知っていた。
色々な種類の自転車に乗ってきたが、ピストバイクには乗ったことがなかった。価格も約11万円だし、限定という文字がバーンと乗っていると一期一会の自転車界隈での苦い思い出が買うように囁いてきて、気がつけばショップに在庫の確認をお願いしていたのだった。
グランドランドナー購入時の経験から、予約になり、およそ見積もっても5月か、早くて4月ごろにしかやってこないだろうとタカをくくっていたところ、なんと予想を裏切り在庫アリとのことで、在庫照会から1週間ほどで到着する運びとなったのだった。
ガラクタ大集合
1週間後には来る、となったら組み立てるためのパーツを今度は選ばなくちゃいけない。固定ギアの自転車を所有したことはないので、当然ホイールは組むなり、完組を買うなりしなきゃいけないが、ハンドルやらステムやらは、費用を抑えるために家にあるものでまかなうことにした。
幸い1インチスレッド規格はグランランドナーやらFUJIのバイクでさんざん付き合っているので、使ってないステムやハンドルはあるし、取り外した古いキャリパーブレーキもわんさかあったはずなので自転車小屋からガラクタを引っ張り出してきた。
全部ピカピカのパーツを買って組むっていうのもいい体験だけど、こういう昔なじみのパーツがまた自転車にひっついて遊べるっていうのは、すっごくワクワクする。さしずめ同窓会って感じである。基本的にずぼらな人間なので、自転車小屋をひっくり返していると、こんなの持ってたっけ…というものもよくあって掘り出し物を物色して楽しむ感覚も味わえる。
こうしてドライブトレイン以外のパーツを調達したころには、東京サンエスからでっかい段ボールがストアにやってきたのだった。近年、よく見るようになってきたブランドロゴが大きく入った段ボール。いつだってこの段ボールを開けるのは、ワクワクしてしょうがない。
飾って楽しむわけじゃないので、急いでドライブトレインのパーツやらBB、ヘッドパーツなどを選ぶ作業に取り掛かるのでした。
1/8と3/32とか固定のみとか工具とか
さて、ドライブトレインを発注しようとなったわけだが、ストアの人もピストバイクについての知識はほとんどないし、私も持ち合わせていない。というわけで、最初は調べ物からはじめて結局、薄刃とか厚歯とかなんなんだとか、ハブの両側歯が付けられても、固定固定のパターンがあるんだとか、つけ外しの工具がどれだとか、散々迷ったのでした。
結局、費用を限界まで節約するために東京サンエスさんのVIVAというブランドの3/32フリーを採用して、薄刃のドライブトレインを組むことにしました。SUGINOのメッセンジャークランクとか使いたい気持ちが大いにあるけど、さすがに歯込みで約9万円はお財布に厳しすぎる。というかフレームと同様の金額ってなんなんだ。いつかは使ってみたいんだけどね。
こうして紆余曲折を経て、激安ドライブトレインが構築できたのであった。SPORTS DEPO はその昔はイワイ商会さんと取引があったので、その頃ならフォーミュラのトラックハブなんかをチョイスすればもっと安上がりだったに違いない。
ちなみ、ダイアコンペのトラックハブでフリーハブをつけたい人はI-HUB(アイハブ)と呼ばれるバージョンのものを購入する必要があるんだけど、カラーはBKのみ。DEPOじゃ足元を銀ギラ銀のポリッシュカラーにはできないってこと。
ヘッドパーツは補修部品が買えるものの中で最も安いタンゲのパッセージ、BBもタンゲ。本当はチェーンラインの理想から言えばたぶん103㎜を買う方がよかったんだろうけど、売り切れてたんだからしょうがない。いっても左右で2㎜差。そんな神経質になるな。あと表に入れ忘れたけど、チェーンはイズミから5~7速まで使える3/32チェーンを買った。
後は組付けるだけだ!
こうしていろんなところから部品を購入して、待つこと1週間。部品がアッセンボォウ(集合)したので、いよいよ組付け開始。なんだかんだサドルとグリップもFUJIバラッドのおさがりで組付けようかなぁと思っていたんだけど、合わせてみると自分の好みじゃなかったので、結局、マルイのGPの鋲付きサドルと店に置いてあったアディプトのグリップを買って黒にしたのだった。
こうして、ヘッドパーツの下球受けの上のパッキンパーツの裏表を間違えたり、BBBのオイルホースケーブル受けをペタペタフレームに張り付けたり、パークツールのホイール組みアプリとにらめっこしたり、バチバチスポークを切ったりいろいろして2日後、どうにかこうにかSOMAのRUSHは組みあがったのであった。
ストアの担当してくれた整備士の人はバラ完も初めてだったし、ホイール組みもいちから組むのは初めてだったので、緊張したことだろう。お世話になりました。
ちなみに組付ける人向けに少し役に立つ情報を書いておくと、フォークコラムは出荷されてきた状態で、パッセージを使ったときに、スペーサーは20㎜1枚、5㎜2枚必要でした。
更にどうでもいいことを書くと、東京サンエスさんでは、1インチコラムスペーサーはワンバイエスとダイアコンペから買うことができますが、ヘッドパーツの上ワン、ともまわり防止スペーサーと段差が出来ず綺麗に面一になるのはダイアコンペのスペーサーです。外見が気になる人はこっちを買うといいかも。
いざ乗ってみよう
とりあえず28Cをつけてるとは思えないくらい快適な乗り味とぐいぐい進む感じ、そしてクイックな切り替えし、子気味のいい自転車になってる!特に振動吸収性に関してはびっくりする。ストレートフォークなんだよな。これくらいのタイヤ幅だともっとがつがつ来そうなもんだけど、すっごく快適だ。名前もRUSEとイケイケな名前で、体にも攻撃的かなと思ったけどすっごく優しいぞ…!
右も左もわからないまま、とりあえず組んだのでギア比が軽すぎた。けど漕ぎ出しがすっごく軽くて街での移動手段なら理想的じゃないかな。通勤ルートで乗ってみたけど地味に坂がある地形なので、坂に差し掛かると今くらいのギア比が無理しない感じでちょうどいいぞ…!ただ平地だともう少し漕ぎでのあるギア比のほうがよさそう。うーむ、悩みどころだな…!
まとめ
SOMA、RUSEとりあえずすっごく快適。これならよっぽどひどい山岳ブルベでもないならRUSEで走れちゃうかもしれない。というか、LELではシングルギアで走ってる人たちもいたから、私がもっとスマートになれば全然、走れてしまいそうだなと思うポテンシャルを感じるのだった。
ただ足を回して漕ぐ。これがこんなに楽しい事だったなんて。もっと早めにピストバイク買ってもよかったかも。まだまだ、乗り込んでいくと新しい性格の一面が見えてきてまた評価も変わっていくかもしれないのでそれも今からの楽しみとする。乗り回せ…!
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