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もう一度立ちたかった舞台【もちこの実話】

みなさんこんにちは、田中らぼた餅子です。
ボイスクリエイターの田中らぼた餅子です。
あなたのハートにめろめろ❤️めろりんちょ❤️

もう年末ですねー。
やることも多くて、忙しくしている方も多いでしょう。
皆様、お疲れ様です。
そんな中で、私事ではございますが、驚いたニュースがございまして。
何かというと、私が人生で初めて立った舞台が、老朽化により、取り壊されることが決定したんです。
たまたま町の広報誌を読んでいて気付いたんですけど、結構突然の出来事で驚きました。
人生で初めて立ったステージが取り壊されるのは、なんだか悲しいですよね。まぁ、最近は立つこともなかったので疎遠ではあったのですが、そのときの事をやっぱり思い出します。

初めて舞台に立ったのは、小学6年生の時。当時の私は誰が見ても大根役者というか、もう癖がすごくて。とても見返したくない演技でした。まぁ、今でもそんなに変わらないと言えば変わらないのかもしれませんが、思い出すのも少し恥ずかしいです。そんなんだから、なかなか役を当ててもらえなかったんですよ。それがすごく悔しくて、みんなの舞台稽古を見ながら、客席で泣いていた日もありました。日々練習していくなかで、ようやく普通レベルになってきた時、初めて与えられた役が、時代劇の男の子の役。とても嬉しくて、さらに気合いを入れて練習に励みました。初めての役で、異次元の、さらに異性を演じるっていうことの難しさ、それを今でも覚えています。自分なりに一生懸命演じたものの、結果は納得のいくものではなく、次の舞台ではまた役をもらえませんでした。「独りよがりの演技になってる」と気付くのは、もっと後の話。
そんな初舞台を経験させてくれたのが、この劇場なんです。悔しさと嬉しさ、どっちも経験させてくれた場所。役がもらえなくて涙したときに、ずっと思っていました。「いつかこの舞台で、主役を演じる」って。
でも人生はそんなにうまくいきません。
小学生の頃から憧れていた演劇の世界を、大学への入学を機に離れてしまい、いつの間にか就職をして、忙しさから、演劇のことすら思い出すこともなくなっていました。
パフォーマーとして活動していたときにも
「あの初めての舞台で演じてみたい」
なんて思うこともなくて。
言っちゃえば薄情ですよね。
あんなに立ちたいと思っていた舞台なのに、すっかりそんなこと忘れてしまって、取り壊されることが決まってから、また足を踏み入れるなんて。
でも取り壊される前に一目見ておこうと思って、つい最近久しぶりにその舞台を訪れました。

みなさんは観客のいない劇場を見たことはありますか?ステージ側から、誰も居ない客席を見たことがありますか?もし経験のある方なら、
今から話す話は、理解できるかもしれません。
誰も居ない、自分一人だけの劇場。
私しか立っていないステージ。
なのにね、妙に緊張感があるんです。
心臓がどくどくして、全身で鼓動を感じるんです。
きっと、身体が覚えているんだなって思いました。
もう何十年も前の話なのに、
身体はその時の思い出をちゃんと覚えてるんです。
その時、どんな光景を見ていたのか。
その時、どんな音が流れていたのか。
その時、どんな温度だったのか。
その時、どんな匂いがしていたのか。
ありとあらゆるそのステージの思い出が蘇ってくる、
不思議な体験をしました。

私は今でも、心の奥底では、きっと舞台に立ちたいんだろうなって思います。あまり意識はしてないですけど、身体はそのときの刺激を求めてるんだなぁって。頭と身体が別々になっている、なんだか変な感覚がしますね。
意識の中では、演劇はもういいかな、って思ってるのに、いざステージを考えてみると、ドキドキとわくわくが止まらないんです。
みなさんもステージじゃなくても、きっと何かしらで、そういう感覚、あるでしょう?
その感覚は、きっと身体の奥底から湧き出てくるものです。
大切にしてくださいね。それこそが、あなたの本当に求めているものかもしれません。いつか一緒に実現しましょう。
私ももう一度舞台に立ちたい。どんな形になるかはわからないけど。
また「役者として」かもしれないし、「パフォーマーとして」かもしれないし、もしかしたら「講師として」かもしれない。どんな形であっても、また舞台に立ちたい気持ちは消せないんだなぁと実感しました。
あの照明の温度、
あの客席から伝わってくる熱気、
あの舞台独特の木の香り。
もう一度経験したいものですね。
チャンスはそこにあるものではなくて、作り出すもの。
私だったら、本気になったら行動すると思うので、今は自分の気持ちの整理をしていたいと思います。
みなさんも、忘れられない何かがあることに気付いたら、チャンスを作りに行ってくださいね!

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