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「ギブソンJー45とJー50の話」

「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。

「ギブソンJー45とJー50の話」
 あくまでも自分から見たJー45とJー50の話なんですが・・・。

 一般的には明らかにJー45の方が人気があります。が、何故かJー50の方が良いのでは?と思えてならないのです。発売当時Jー45の価格が45ドル、Jー50の価格が50ドル。普通に考えたら、Jー50の方がグレードが上と考えても何ら不思議はないと思います。同じグレードの材料で作ったとしてもJー45の方はサンバーストなので、価格が上になるはずだからです。それなのにJー50の方が高い!と言うことは、そうなるだけの理由があるはず。考えられるのは材料のグレードが上であろうと言うことぐらいです。そうでなければ、Jー50が売れる訳がありません。ずっと以前からそう思っていました。それは今も変わっていません。

 かといって、明確な音の差があるのか?と言われると、はっきり差があるとは言えません。個体差が大きいことと、年代によっても全く違う音だからです。人気のあるモデルですので個体数も多いし、それだけ個体差もあります。はっきりこうだと言えるほど、たくさん弾いてきた訳でもありません。

 過去に所有したJー45とJー50は3本。Jー45は1957年製、Jー50は1952年製と1957年製です。いずれも購入前にあちこち探しに行き、大体の音の傾向を掴んでから買ったものです。買ってからリペアと調整でそれなりの支出はありましたが、非常にバランスが良く使いやすいギターばかりでした。ギブソンにしてはまとまりがありすぎて、ワイルドさに欠ける?サウンドだったかもしれません。
 余談ですが、過去に東京のお茶の水界隈で1940年代~1950年代のJー45とJー50を探し回ったことがあります。半日かけてあちらこちらのショップを回り、店にあったものを片っ端から弾きまくりました。が、その時はこれというものがなく、何も買わずに帰りました。大阪でも同じような経験がありますが、やはり”当たりの個体”に巡り合うのはそう簡単なことではないと思います。今から思えば価格的には2分の1もしくは3分の1、状態によってはもっと安いものもあった時期です。個体数も豊富にありましたので、選ぶ楽しさがありました。それでもなかなか”これやっ!”という個体には巡り合えませんでした。タイミングもあると思います。「欲しい!」という気持ちが強くなってきて自分の気持ちが高揚している時、ふところ事情に余裕がある時等々、ある程度条件がそろわないと購入には至りませんね。あらためて、ギターも”縁”だなと思います。

以前所有していたJー45とJー50。どちらも1957年製です。

 Jー45とJー50。弾くたびに感じるのは、マーチンのD–18とは全く違うサウンドを持っていることです。サイド・バックが同じマホガニーでありながら、ここまでキャラが違うギターを作り上げるのは凄いことだと思います。さすがはギブソン!ホンマにその一言です。
 これも個人的なイメージですが、Jー45とJー50に関してはマーチンのD–18に当初持っていた「音の芯が細い、頼りない。」というような感じはありませんでした。鳴りがイマイチだったり、まとまっていないものはたくさん見てきましたが、頼りない音というようなイメージは持ったことがありません。(1965年にナローネックになった後のものは、対象外です。)のマーチンのD–18に比べると、鳴り方がワイルドな感じがするというのは間違いないと思います。
 この「ワイルドさ」というのも、捉え方は人それぞれだろうと思います。ですので、自分の言うことが必ずしも正しいとは言えません。が、一点だけ以前から思ってことがあります。それはヴィンテージ、特に年代が古いほどそういう傾向が強いのでは?と感じていることです。オリジナルを重視するということが原因だろうと思っていますが、まったくリペアや調整がされていない状態で、それぞれの弦がバラバラに鳴っているように感じるものが多いです。1本1本の弦が好き勝手に鳴っていて、バランスも何もあったもんじゃない!そういうギターをたくさん見てきました。ある意味、ワイルドさがあるという言い方をしても通用するのかもしれませんが、それは違うと思います。楽器としてはアウトです。その楽器の持つポテンシャル(本当の音)を、ぜんぜん活かせていない状態です。上記の2本については入手してからすぐに、M-factoryに依頼してリペア及びセットアップをしてもらいました。特にJー45の方は手がかかりました。経費は過去最高の15万円ぐらいだったと記憶しています。おかげで、ギブソンらしくない音(ギブソンにしてはまとまり過ぎ?)になってしまったかもしれません。

 前回の記事でも書きましたが、D–18でも様々な音があります。自分が弾いたものは、ほんの一部の個体です。個体の数だけ違う音がありますので、まったく違うイメージを持つ方もおられると思います。Jー45とJー50も同様です。どうせなら、良い音の個体を見つけたいですね。簡単ではありませんが、弾き比べることが一番近道だと思います。

参考:2023年10月26日現在の価格です。
ほぼ同年代のJー45とJー50、価格はかなり違います。
この価格差!使われている材料のグレードが同じだったとしたら、
どうしてもJー50の方に惹かれてしまいます。私だけでしょうかね?

 ヴィンテージに限った話ですが、Jー45とJー50に比べると圧倒的にD–18のタマが少ないです。デジマートでもJ-Guitar.comでも、1950年代のものは1本も出ていません。この次に出てきたときの価格が怖いです。40年代の価格はもう別次元ですね。

 Jー45とJー50、D–18、以前は安物のギターというイメージでした。自分だけではなく、アコギをやっている人のほとんどがそういう概念だったと思います。そろそろ自分の感覚を変えなければいけない時期なのでしょう。世界的に見れば日本の物価は今、メチャクチャ安いみたいです。日本の外に出ないと感覚的にはわからないのかもしれませんが、そういう話をよく聞くようになりました。ギターに限ったことではありませんが、まだまだ物価は上がって行くのかもしれません。

  拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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