見出し画像

アコギ回顧録 Vol.34 「Gallagher」「Fields」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「Gallagher」
 次にJ.W.Gallagher & Son。ドク・ワトソンが使用したことで有名になったギターですが、1970年代にすでに日本に輸入されていました。今から35年ほど前にG-70というモデルを使用していましたが、非常に良い音だったと記憶しています。シリアルナンバーから1970年代初期のものだったと思いますが(500番台前半でした)、当時メインで使っていたマーチンのD-41 1972年製と比べても、音質は違いますが遜色のないサウンドを持っていました。マーチンほど音の廻りこみがなく非常に使い勝手の良いギターだったと記憶しています。デザイン的にもヘッドの形はアコギの中で一番良いんじゃないかと思っていますし、ピックガードの形も好きです。

画像1

Gallagher G-70

名称未設定 1

Gallagher GC-CUSTOM(2002年製)

 残念ながら1970年代後半以降のGallagherは、かなり質が落ちているような印象があります。(1976年に創設者のJ.W.Gallagher引退し、息子のDonがその後を引き継ぎます。その頃が変わりめだったのかもしれません。)その後も何本かGallagherのギターを手に入れましたが、やはり70年代後半以降のものに、これは!という個体は少なかったです。

 数年前にGC-CUSTOM(2002年製)というモデルを手に入れたのですが、これが思いのほか良かったのです。それでちょっとGallagher Guitarのことを調べてみました。現在は別の経営者(David Mathis、デビッド・マティス)に変わっていました。彼は古くからのGallagher Guitarのファンで、Donが工房をたたむと言ったときに継続させるため買収したようです。なので、今でもGallagher Guitarは製作されているようです。ほとんどがカスタムビルドで、製作本数もかなり少ないようですね。

 何年か前に日本のギターメーカーがギャラガーの名前でギターを造っていましたが、すごくイメージを落としてしまったような気がしました。そのあたりの事情を良く知らない方は、本物と国産ギャラガーの区別がつかないようですが。
 ただし、本物のGallagher Guitarも個体差が大きく、すべてのギターが良いとは言えません。イマイチというのもけっこうありました。(これはマーチンやギブソン、他のメーカーでも同じです。)

「Gallagher」の最後にドク・ワトソンの動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=s3VWOeqph0M


「Fields」
 いよいよここからSomogyiのことを書こうと思っていましたが、その前に Fieldsのことを書きます。 Somogyiのお話はその後にします。

 Fields(フィールズ)というギターを知っている方は少ないと思いますが、ここからはこのギターのことについて書きます。FieldsはHIRO CORPORATION(ヒロコーポレーション)という神戸のギターショップのオリジナルギターで、1996年を最後にまったく製作されていませんでした。
 初期のものは、“鳴り”は十分だったけれど音色・音質等の面でまだまだ完成されたとはいえないギターでした。製作本数が少なく何年かに一度、数本ずつ造られていました。あたらしいロットになる度に進化して行き、最後期のもの(1996年製)はかなり完成度の高いギターになっていました。その当時はGREVENと同等か、それよりもグレードが高いギターとして販売されていました。この次のロットはどんな凄いギターになってくるのだろうかと期待していましたが、それ以降1本も製作されていませんでした。
 第一世代のFields、80年代に製作されたものを過去に2本所有していました。どちらも鳴りはすごかったのですが、音質がメッチャ硬い(引き締まりすぎ?)感じでした。ガチガチというイメージで、温かみがない感じでした。最後のロット(1996年製)になってかなり改善され、とても良い感じになってきました。

画像3

画像4

画像5

画像6

Fields D 1996年製
ド柾目のジャーマンスプルースとハカランダです。

 そのFieldsが、ついに2007年から再生産されるようになりました。1996年以前のものとは全く別のギターとなっています。フィンガーピッキングに特化されたサウンドで、そのレスポンスの良さは特筆ものです。国産ギターの中では最もSomogyiに近いかもしれません。他の日本のギタービルダーの製作するギターとは、はっきり違う音質を持っていると思います。フィンガーピッキングをやっている方は、是非弾いてみてください。買う、買わないは関係ありません。体験しておく価値は絶対にあります。

画像7

Fields MD-Cutaway 2008年製

参考
HIRO CORPORATIONのホームページ
https://www.hirocorporation.com/?fbclid=IwAR1gxZJPcNz76wD-GociXJPM0Y3QcLWBtJRqGDrkQIvIm2Rc3mtU7O5C8QY

 過去に所有したFieldsは下記のとおり
Fields D-Cutaway
(ホンジュラスマホガニーサイド・バック 1980年代)
Fields D
(ホンジュラスマホガニーサイド・バック 1980年代)
Fields D(ハカランダサイド・バック 1996年製)
Fields F(ハカランダサイド・バック 1996年製)
Fields MD-Cutaway
(ハカランダサイド・バック 2008年製)

 このうちFields F(1996年製)とFields MD-Cutaway(2008年製)は今も所有しています。

画像8

画像9

画像10

画像11

Fields F 1996年製

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?