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アコギ回顧録 番外編⑦ 「ヴィンテージギターについて、思うことあれこれ」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。


マジでアコギの世界もインフレ?それともバブルなのか?
アメリカのヴィンテージギターの価格が凄いことに!
急激な円安もあって、いずれは日本の市場もえらいことになるかも?

 とかなんとか思っていましたが、すでに日本もすごいことになっていますね。アコギ回顧録の番外編その⑥で書いたことですが、調べれば調べるほどえらいことになっています。特に人気のあるモデルやレアモデルは、驚くほどの価格上昇になっていてビックリしました!

 MARTINも6月から値上がりするようですし、遅かれ早かれ他のメーカーも価格改定(値上がり)するのは間違いないでしょう。この先余程の円高にでもならない限り、値下がりすることはないと思います。特にヴィンテージギターの価格上昇は、過去に例がないほどの急激なものです。こんな価格ではそう簡単に売れないだろうなと思っていたギターが、次から次へとSOLDになっています。

2022年6月1日~ MARTIN スタンダードモデルの新旧価格

 ギターだけでなく、すべての輸入品の価格が上がっています。ギター関連の小物類(弦やカポなど)やパーツ類も上がって行くでしょう。カポのように一度買ってしまえば長期間使えるものはまあ良しとして、しょっちゅう交換する弦の値上がりは痛いですね。今のうちに買いだめしておいた方が良いかも?
 
ネットで見つけた(アメリカの楽器屋さんで)これはちょっと高いんちゃう?と思ったギターを2本載せておきます。

1944 Martin D-28 Herringbone Scalloped Brace
2022年5月14日現在の価格(すでにHOLDになっていました。)$58,500
(1ドル=130円で換算すると7,605,000円)

説明文に
典型的なセンターシームの修理と他の問題はなく、すべてオリジナルです。(Googleの翻訳サイトで翻訳したものです)
という記載がありました。写真でもセンターシームのリペアはわかると思います。驚くほどの価格の理由は「オリジナル度が高い」と言うことなのでしょう。楽器としての価値より、骨とう品的な価値だと言わざるを得ません。

1944 Gibson Southern Jumbo Sunburst
2022年5月14日現在の価格(すでにHOLDになっていました。)$15,950
(1ドル=130円で換算すると2,073,500円)

こちらの説明文には
この例は非常に良好なビンテージ状態であり、通常の仕上げチェックと化粧品の摩耗を示しています。 交換されたブリッジが取り付けられ、分厚いネックは素晴らしい演奏性のために新しいナットで再フレットされています。パンチの効いたフルミッドレンジで超暖かくクリーミーなトーンを生み出すのは素晴らしいサウンドです。 ヴィンテージギブソンドレッドノートのシグネチャー。 このギターは、信じられないほどのダイナミクスを持つチャンピオンのように重いストラムとフラットピッキングを処理しますが、軽いタッチとフィンガーピッキングにも同様によく反応します。
と書かれていました。(Googleの翻訳サイトで翻訳したものです)
パーツ交換はあるが、サウンドが素晴らしいということのようです。こちらでは骨とう品的な価値より、楽器としての価値を重要視しているような感じです。
 
 たまたまどちらも1944年製ですが、自分の感覚ではとてもとても信じられない価格です。しかもどちらもすでにHOLD!

 この2本のギターの説明を読んで、オリジナルを重視した骨とう品的価値と、楽器としての価値をうまく使い分けているように感じました。このあたりは日本でも同じだと思います。売り手側としては当然のことでしょう。何よりも“売る”ことが目的なのですから。ショップは必ずしも“良いギター”を売っている訳ではありません。ぶっちゃけて言えば“仕入れたギターを売っている”だけです。そして仮にイマイチのギターであっても売らなければいけないし、自分の店で扱っていつギターを悪く言うことはできません。当たり前の話です。
 
 我々のようなギターを購入する側の人間は、そのことを頭に入れて選ぶことが大切なポイントです。そういう売り手側の論理はある意味、間違ってはいないと思います。このことは、買い手側にとって悪いことばかりではありません。(特に自分のようなオリジナルを問題視しないユーザーには)自分は“楽器としてのギター”にしか興味がないし、価値がないと考えています。なので、オリジナル度が低いから価格が低くなっているギターは、メッチャおいしいギターと言うことになります。もちろん弾いてから決めるので、必ずしも“当たり”のギターに巡り合えるとは限りませんが。
 
 もう一つ、ヴィンテージギターを買ったときの経験からのアドバイス?を。
 有名なショップで買ったとしても、ある程度のリペアやセットアップは必要になることを覚悟しておいた方が良いでしょう。自分の過去の経験で、最高は15万円ぐらいかかったことがあります。平均すると10万円前後でしょうか。ヴィンテージギターを買ったままの状態で、そのまま使えるギターはほとんどないです。(あくまでも個人の意見、感想です。)


 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

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