娘の初恋キャラが「冨岡義勇」氏

YouTube大好きな六歳児がいる。

先日彼女がこう宣言した。
「わたしの推しは、しのぶさんとトミオカギユウ!」

それを聞いたときの母の心境は「あなた鬼滅の刃読んだこともアニメ見たこともないでしょーが!!」だった。斯くもYouTuberの影響は大きいのである。(以下、多少のネタバレあり)

●YouTubeの影響と女子力

ええと、YouTuberのみなさんは流行り物に敏感なので、自分の世界観に流行り物を取り入れていくスタイルが多いようである。人気キャラがおままごとの世界に登場する。六歳女子は塗り絵動画などで鬼滅キャラを知ったらしいのである。

どうでもいいが「しのぶさん」はさん付けで「冨岡義勇」は何故呼び捨てになるのか。彼女の一番の推しは「しのぶさん」である。理由は蝶々が可愛いから。娘は明らかに私より女子力が高い。現時点で既に。母は不安である。いや女子力が高いことは極めて良いことなのだが、女子力が低すぎる母が彼女を育てねばならないことが不安だ。

彼女は「なかよし」よりも「りぼん」を読み、「花とゆめ」よりも「マーガレット」を読む女子になりそうなのだ。反抗期の育児に不安を覚えるから、将来積極的に花ゆめを勧めても良いだろうか、と今から悩んでいる。

もしかしたら、私が子供の頃にYouTubeがあればもっと女子力が高くなれたのであろうか。いやない。ないだろうなー私の六歳の頃の推しキャラは「アンドロメダ瞬」だった。そう聖闘士星矢である。

アニメから入ってはじめてお小遣いで買った単行本が聖闘士星矢。好きな雑誌はジャンプ。そしていまだに楽しく二次創作を書いている。娘は好きにするがいい、と思うが、嫌われたくないな、とは思う。この歳までオタクで居るのだから恐らく生涯やめられまい。

アンドロメダ瞬、は中性的な見た目で優しい性格。いまでも好きだが年齢が上がると主に、好きなキャラクターの傾向は変わった。特に成人してからは。
まあ、鬼滅の刃の中では、義勇さんは比較的そこに近い方だし、初恋キャラが義勇さんで、そこまで不安はない。ここで変化球出してこられたら母の動揺は今以上だっただろう。

●何故義勇さんなのか?

ぎゆしのか夢女子なのかと思って「義勇さんとしのぶさん付き合ってる?」と聞いたが「わかんない」だった。よかった単体萌えだ。ただ彼女は恋愛系おままごと動画が大好きである。ねねちゃんのリアルおままごとまではいっていないのでまあいいか、と思っている。YouTuberのみなさんも、そこはある程度…親にチャンネルをブロックされない程度の刺激に留めていてくれるのである。

しかして、何故義勇さんなのだろう…。
見た目? 見た目なのか? それともしのぶさんとセットでよく登場するからだろうか。

たしかにあの漫画の中では性格的にも無難な方……な気がする。鬼滅の刃にはリアタイで最後まで付き合わせて頂いたが、柱会議で全員揃ったときには本当に絶望した。「えっこの組織大丈夫??」と思った。その後だんだんキャラクターが判明して今は柱の皆さん大好きであるけれど、当時は「義勇さんが居てくれて良かった」(比較的まともに見えた)としみじみ思った。

ただその後義勇さんがコミュ障であることが発覚し、その性格は大変好みではあるが、娘は多分気付いていない。いつか気付いたとき、どう思うんだろうか。あと義勇さんは、他の柱の皆さんからの誤解は解けないままだったのだろうか。駆け足だったのでちょっとそこは理解していないが、世の中はままならない物語だったし、誤解は解けていなくても一つの目的に向かったことは価値があると考えている。

まあそれはいいとして、何故義勇さんなのかは聞いてみてもよくわからない。母としては、あなたの初恋キャラは富岡義勇さんだった、と将来教えてあげる程度のつもりである(なのでここにメモった)。初恋キャラはおそらく10代後半まで性癖として続くので。

●鬼滅のアニメを見せるべきか

本人は見たいようだ。

去年の紅白を録画してあるので、主題歌をフルで聞いて盛り上がっていた。いやしかし、結構血まみれアニメだからなー。しかも血の色は赤。あと話が悲しい。彼女は共感性羞恥?が強くて、人が恥をかく場面があるとテレビから逃げる。この点は親子だなあ、と思う。母はある程度耐性が出来ているが、やっぱり苦手展開である。娘も、今年のプリキュアはそういう意味でちょっと合わないようである。

彼女は悲しい話も苦手だ。なのにホラーは見たがる。
怖い物見たさは分かるが、母は昔ブラックエンジェルズの拷問シーンでトラウマを負って10年記憶封印をかけた経験があるので、ほどほどにしておけ、と思う。最近は本当にやばいものへのアクセスが簡単になっていてこわい。まあブラックエンジェルズへのアクセスも別に簡単だったが。単なるジャンプ単行本だったし。

閑話休題。
それにしても鬼滅の刃かー…。いやでも別に良いのでは? 聖闘士星矢が血まみれではなかったとは到底言えまい。しかも異形を倒すやつじゃなくて人間同士で殴り合ってたし。それでも自分はある程度の社会人をやれている。
それに、鬼滅の刃はそこそこ勧善懲悪である。

でもなあ……全滅エンドだし……(※語弊がある)。
アニマックスで鬼滅の映画の宣伝もしているので、娘は「見に行きたい!」と言っている。連れて行きたくない。煉獄さん死ぬじゃん。あなた煉獄さんも好きじゃん。しかも悲しい話嫌いなのに無理でしょ、と思うがネタバレなので言えない。まさか柱がほぼ・・なんて流石に六歳児には言えない。あとオタクとしてネタバレをしたくない。

どうしようか迷っていたが、最近「はたらく細胞」にはまってくれて、そちらの映画でもいいと言ってくれた。いやあなたゾンビ系も苦手で、はたらく細胞のインフルエンザ回再生させてくれないじゃん…。
大丈夫なのか? 映画の舞台は「腸」と言ってたからインフルエンザゾンビ系は出てこないのか? なら連れて行ってあげても良いし、確実に鬼滅の映画よりは大団円だろう。
とにかく映画公開までにリサーチが必要だ。

しかして、育児の悩みがこんなことでいいのか、という思いはある。
彼女は比較的……比較的手がかからない。偏食だが、親も偏食なのでなんとも言えない。宿題を始めるのが遅いが、やらないわけではない。嘘だろってほどに普通である。「普通」ってすごい。自分で明日の準備をするし、忘れ物もほぼない。多分、きっちりしている私の母に似たのだろう。ありがとう母。

そういうわけで、日々こんな親ですまないとは思っている。思うだけだが。

●とはいえ

六歳児女子の一番の推しジャンルは「すみっコぐらし」である。この方向性は極めて安心する。母子ともに、サンエックスにお世話になる人生。すみっコぐらしの映画はたいへんに動揺した。1ひねりでいいところに3ひねりくらい入れてきて、流石に展開が読めなかった。良い映画だったが、娘は泣いていた。悲しい話が苦手なので。
だから、鬼滅の刃で大丈夫なのかなー? という不安はあるが、まあ次の再放送は録画してあげようと思う。仮に最終巻までアニメ化される日がきたとして、そのときには彼女はおそらく鬱展開に耐えられる年齢になっているだろう。

それにしても、ホント花ゆめ系に進んで欲しいなあ…と思うが、一個の人格を持つ彼女の進路に口出しはすまい。ただ…ただ、学力的な進路の方をもっと意識すべきかも、と今思った。

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