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『染み込ませ注意』はピアノならではなのかも知れません

前にも同じような話を書いた記憶があるにはありますが、今回の本題の前置きとして改めて。

一般的に知られているポピュラーな楽器でピアノとそれ以外で大きく違う部分。

日々、自宅だったりスタジオだったりで本番に向けての練習という時間がミュージシャンにはあるわけですが、当然皆さんマイ楽器で自宅練習にリハに本番にと臨むのが常です。

ギターひとつ取っても家で弾いてるギターでスタジオリハに臨み、そのまま本番を迎える。

ベースにしろ管楽器にしろ弦楽器にしろそう。
場所や状況は変化するにせよ手にしてる楽器は日々自分の手に染み込んでいるものなので、感覚みたいなものはまったく変わりません。

ドラムに関しては、スタジオだったり会場にあるものを普段から自分が馴染んでいるセッティングにしたりします(各パーツの位置とか)。

で、スティックやペダル(足で踏むやつ)なんかは普段使ってる(手足に馴染んでいる)ものを持ち込んだりする。

要は日々練習で使っている道具をそのまま本番でも使うというわけでありますね。

その状況を作り出せないのが(グランド)ピアノ。

専用トラックでマイグランドピアノを各ライブに持ち込むようなワールドワイドなミュージシャン(例えばYOSHIKIさんみたいな)ならともかく、大多数のピアニストはその都度道具が変わるということになります。

これはなかなかのことで、野球で言えば(すぐ野球に例える)練習から使ってるグローブを試合でも使うという状況と、練習と本番で違うグローブ(メーカーや型は同一として)を使うという状況みたいな違いかと思います。

そんな話を踏まえたうえで、あまりにひとつの楽器(個体としての)で染み込ませすぎるとちょっと面倒なことが起こるものだなあという話。

ここ数週間、ちょっとワケあって来る日も来る日も同じ曲を弾き込んでいます。
(理由はそのうち分かると思います)

ここ数年でも類を見ないくらいに狂ったように同じ曲(たち)を自宅のキーボードで弾きに弾きに弾き込んできた日々なのですが、本番はグランドピアノだったりするのである程度サマになってきたなというタイミングでグランドピアノのスタジオに出向いて予行的な時間を取る計画はしてました。

で、甲斐あって自宅ではもうバッキバキに仕上がったので一昨日(23日)に満を持してグランドピアノに出向いたのですが、そこで最初に愕然としたこと。

びっくりするくらいうまくいかない。
なんだか自宅キーボードとの演奏の仕上りのギャップがエグい。

今までもリハはキーボードで本番はグランドピアノなんて経験も散々ありますし、行ったり来たりも日常茶飯事。

ツアーで会場ごとに違うグランドピアノを代わる代わる相手にしてきたことも多々。

なので今回も今までと同じようなノリで、まあサクッとアジャストできるだろうと踏んでいたんですが、今回は驚くほどそこにギャップがありました。

結果的に数時間ほど弾いてるうちに最終的にはなんとなく馴染んだんですが、これはもう「過度にひとつの楽器で染み込ませすぎた」ということかもしれません。

一心不乱にひとつの曲を同じ個体でやり過ぎた結果、多分知らずのうちに演奏におけるありとあらゆる感覚がミリ単位でその楽器仕様になっていて、一度その染み込みすぎている感覚を取っ払う時間を設けないとにっちもさっちもいかなかったわけで。

なので慌てて昨日も同じスタジオを抑えたわけで、結果的にはしっかりアジャストできたのですが(そのグランドピアノ個体に馴染んだというだけかもだけど)。

てことで、ひとつの個体で馴染ませるのはほどほどにして染み込みすぎる前段階で個体を変えるってムーブが大事になってくるな〜と、自分の変に不器用な部分が身に沁みた今日この頃。

まだまだ日々勉強でございます。

なんてお話でした。



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