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区切りがついた上で改めて仕切り直しという感じで...
先日のオンラインライブを終えた事に際して、自分の中で「区切り」という言葉をちょこちょこ使っていた事実がありまして、それは年明けからあらゆる自分の時間とずっと並走していた「オンラインライブ」という存在がひとまず終わった事で、大きなひとつの区切りが(あくまで個人ベースで)ついた実感があったからであります。
ただ、あの日久しぶりに(と言っても1ヶ月ぶりの事なんだけども)地元にガッツリ帰ってライブ会場の現地の方々の空気感や声、そしてその後の時間でこれまた久しぶりに七尾市街地(特に爪痕はっきり残っている箇所箇所)を巡って、地元の方のお話なんかを直で聞かせてもらっている中で、僕は勝手に自分事として先のオンラインライブを「区切り」なんて言ってたけど、全然まだまだ地元はなんの区切りもひと段落もついてなくて、ずっとずっと震災(の余波)というものと並走し続けているという事実を肌で実感しました。
ある程度自分の活動の日常風景がどっぷり戻った事で、どこか風化させてしまっていたのかもしれません。
なので、オンラインライブを終えた14時くらいになんとなく区切りがついた感があった自分の心は16時くらいにはすっかり仕切り直っていて、まだまだ自分のポジションとして七尾という場所に対してやるべき事、やれるはずの事は山積みだなと思い直しました。
事実として「ピアノに勇気をもらった」とか「元気が出ました!七尾もまた頑張ります!」みたいな声を会場で直接いただけたり、SNSのレスでいただけたりDMでいただけたりします(本当に嬉しい)。
僕ごときがそんな大それたことを言うのは烏滸がましいですが、でもでもやっぱり少なからず地元の人たちの希望の一環になれている事実があるっていう自負は生まれます。
そこで「オンラインライブ終えてひとまず区切りがついたから、さて改めて自分の活動頑張るぞ〜」って感じで、皆んなも引き続き頑張ってね!と文字通りそこで区切っちゃうのはちょっと虫がいいというか、なんとも冷淡な話だなぁと思ったり。
もちろん自分が、ピアノ弾きとしての本分を頑張れば頑張るほど付随して相乗効果的に七尾のためになるという側面は在るとは思いますが、やっぱりもっと直接的に尽力できる部分はしっかりやっていきたいし、自分の立場としてそのポイントがどこにあるのか、どういう形で今後も役に立てるかっていうのは探っていきたいところ。
ある程度落ち着いてきた時期に、慰問として素晴らしいアーティストの方々が能登にライブをしに来てくれたりしましたし、今もそういう活動の数々は何かしらで目にします。
本当に有難いことですし地元の方々もとっても喜ばれてると思いますし、勇気や元気を存分にいただいてるかと思います。
ただ、「一緒の苦しみを味わった」という事実には、慰問とは別次元のエネルギーというか、ならではのパワーが在ることも実感しています。
(どっちがどうとかいう話じゃなく)
避難所に居た頃に音楽室ライブを演ってた時に思った事があります。
その時間は紛れもなくライブであり、その小一時間はプロミュージシャンとそれを堪能する聴衆という空気感が普通に生まれるのですが、その時間が終わったら一緒に炊き出しに並ぶし同じ空間で雑魚寝するし、翌朝も一緒に物資をもらいに行き、バケツの水でトイレを流して余震にビビりながら共に生活をします。
皆さんと同じように何日もお風呂にも入ってないしずっと同じ服着てるしって環境も含めて。
たまに勘違いされる事があります。
避難所の音楽室で演奏をしたっていうトピックに対して「避難所に出向いて演奏を届けに行った」という捉え違い(全然悪気なくです!)。
僕はその都度けっこう熱量高くそこは訂正させてもらったりします。
「いや、同じ避難者として全く同じ状況を耐えてる仲間の立場として演奏してたんです」って。
「届ける」っていう感覚では全然ないし、応援するとかでもなく。
まったく同じ立場だからこそ湧いてくる感情というのは間違いなくありましたし、聴いてくれてる側にもあったと思います(多分ですけど)。
5月に出演させてもらった金沢での『ガルガンチュア音楽祭』では、4ステージ全てで、限られた時間内でその辺りの話をしました。
先日のオンラインライブでもその辺りの話を少し挟み込みました。
多分ですけど、その背景含めてのピアノというものが持つ特別なパワーというのはあるんだと思います。
そしてそのパワー的なものを未だ復興半ばの現地に届ける事が僕の役目なのだと思います(と、勝手に気概を持っております)。
6月末まではオンラインライブという存在とずっと並走してましたが、ひとつそこが終わった事でまた2023年以前のように単線に戻るんではなくて、また別の形で改めて並走させないと自分事だけ遂行してはい終わりみたいになっちゃうので。あくまで自分の中で。
オンラインライブという存在が控えてたからこそ、そこに七尾(能登)のためにっていう気概を持ちながら他の活動諸々を並走できていましたが、そのライブを終えた今、今後は自らちゃんとそういう時間をそれこそ仕切り直して作っていかないといけない。
一過性のものにしてはいけない、ちゃんとこれからも並走させ続けないといけない。なのでまた何か直にな事を手探りながら探していこうと思う次第なのであります。
と、下半期に向けて改めて仕切り直す意味で書いてみました。
(当然自分の本分も頑張りますが)
もっと現地の人と積極的にアポイントメントを取ってあれこれ動いてみたいと思います。
僕を介して…というと偉そうで申し訳ないんですが、引き続き七尾のこと、能登のことを併せてよろしくお願いしたいという気持ちを込めて、今日のnoteとさせてもらいたいと思います。
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(Top picture photo by 上石千聖)
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