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【明日で2週間】 今思うところを少しばかりまとめてみます

被災当日の夜から連日連夜、震災避難者として自分の範囲でのリアルを発信し続けてきましたが明日で2週間になります。

当然まだまだ被災地として現在進行形ですし、奥能登のほうは相も変わらず一進一退の緊迫した様相です(ここに関しては僕も避難所のテレビや地元紙での情報ではありますが)。

ましてや昨日「絶対に風化させない」と豪語した身として「振り返る」とか「まとめ」なんて段階には程遠いのは重々承知しているんですが、この2週間という期間を迎えてそろそろ「100:0で避難所生活に全振りする」という部分がいよいよ個人として現実的じゃなくなってきたこともあるので(かといって0:100で元のスタンスの日常はまだまだ果てしないです)、ここらで一度自分の中でもいろいろ七尾の、そして能登の現場・様相を「僕の思うところ」として整理してみようと思います。

このnoteもそうですが、日々被災地からいろいろ発信している各種SNSは、僕と同じように避難所で日々奮闘している方も見てくださっているようですし、同じ石川県民の方もたくさん見ていただいてることも重々承知しています。

そして今回の震災に関して直接的に影響を受けてはいない他府県の方々でも、自分ごとのようにこのnoteを通して日々能登のことを、避難所のことを気にかけてくださってる方が全国にたくさん居てくださることも身に沁みています。

だからこそ(烏滸がましいですけど)、ここらでひとつ整理しつつ現状をしっかりと書いてみたいと思います。

あくまで「僕が思うところ」として。

ちょっと長めの慎重な前置きになってしまってすいません。
そろそろ本編に突入します。




というわけでまず今現在、七尾という場所に関して感じることとしては被災地として「明日明後日の水や食料が…」みたいな絶望的な状況は脱して、「生活インフラの整備の部分に注力できるようになっている」という印象。

あくまで山王小学校で避難所生活を送っている身として、そして七尾市街のをあちこち歩いて感じた空気感の中で僕が思ったことであり、避難所や町内ごとのグラデーションはやはりあるとも思うので、七尾と一括りにすることが正しいのかはちょっと分かりません。

が、全体的な空気感の第一感としてはそんな印象です。

そして同時に改めて「同じ能登と括るにはあまりにも輪島・珠洲といった奥能登の被害はここに比べて尋常じゃない」ということを思い知ります。

実は被災して避難した当初も同じようなことを書いた日があります(数日目くらいの𝕏で)。

初日、二日目くらいはもう何も考えられなくてとにかくサバイバル状態真っ只中だったのですが、とりあえず避難所での時間が確保されて「しばらくここに居させてもらえる」という安堵感をいただいた時に、テレビから流れてくる輪島や珠洲の状況を見て「七尾は全然マシだな」と思ったのが正直なところ。
※避難初期にそんなニュアンスの僕のポストが記憶に在る方もいらっしゃるかと思います

なのですが「いや確かに奥能登はとてつもなく壊滅的な状態ではあるけど、じゃあ七尾が余裕かっていったら全然そんなことねぇからな?!」という状況に在るということを思い知る段階がそのあとにやってきます。

これは度々僕が名前を出させていただいてる、この場所で陣頭指揮をずっと取ってくださってる山崎さんだったり職員の方に現状の話をいろいろ聞いて思い知った部分です。

なので実に心苦しい話ではあるんですが、綺麗事抜きに現実として一旦奥能登の心配は置いておいて「とにかくまずは自分たちを守る」という気概に振り切りました(ごめんけど!)。

その段階に入ってからは、各種メディアで繰り返し流れる奥能登の惨状はどこか一旦受け流しつつそれよりも「この場所に今物資はどれくらいあるのか」「水や食料はあと何日(何食)分あるのか」ということや、日々物資を提供いただける方々への感謝といった感じで、ここでの現状の事ばかりを考えるようになりました(微力ながら自分のわずかばかりの発信力も駆使しつつ)。  ※すごく生々しいですがリアルな話です

結果的に関係各位のご尽力のおかげで日に日に物資の量は増えて、いつからかとりあえず水と食料、ならびに生理用品、生活備品(カイロとかティッシュとか)あたりに関してはひとまずは安心という空気感になりました(ここに関してはマジで山崎さんの敏腕っぷりの賜物だと思います)。

そこに付随して「他所のことを考えてる場合ではない!」という空気感は徐々に薄れ、各々に奥能登を案ずる感情が戻ってきました。

毎朝届く地元紙には来る日も来る日も壊滅的な奥能登の写真と数字。

まだ物資が滞っていたり避難所の環境が不十分だったり。
(避難所がキャパオーバーで比較的若い方は車中泊を強いられたり)

水どころか電気もまだまだロクに通ってない所も多々。

なので紆余曲折を経て今は改めて、同じ被災者ではありますが奥能登の現状に心を痛めてやきもきしているというのがリアルなところです。
(しかし今はこちらもどうにもできないのでなんとか踏ん張ってほしい本当に)

そして、本当の意味で他所の心配を自然にするようになる(少なくとも僕は)くらいには底を脱した感のある七尾の町は、一時に比べたらずいぶん穏やかな空気感にはなりました。


当然!
全壊、半壊している家屋。
この状態を物理的に保ってるのが意味分からないレベルで傾斜している家屋。外見は保ってても中がグチャグチャの家屋。
パッと見普通に見えるけど中のひび割れや亀裂だらけの地盤で、本当にたまたまバランス保ってるだけかもしれない家屋。

ひとつひとつに目を向けるといろいろありますし、まだまだ余震が続く中でビクビクしているのも事実。

ですが、町全体をかなり大きく俯瞰で眺めてみた場合、営業を再開しているスーパー、コンビニ、飲食店も増えてきましたし、車もスイスイ流れています。

市役所に物資を頂きにくる方々の列は相変わらず長蛇の列ではあるんですが、並ぶのがちょっとツライくらいで物資はしっかり行き届いている印象です。

僕は今日、久しぶりにコンビニに入って暖かい缶コーヒーを一本買ってみました。

店員さんは2人体制でいらっしゃるし商品の陳列棚にもしっかりモノは並んでいます。ここだけ切り取ったら2週間前に被災したのが嘘みたいな日常です。

ですがリアルだったのはここ。



水が通ってないからトイレは当然使用禁止だし、ゴミの収集もまだバタバタしているのでゴミ箱も使えません。

あとは街ゆく人のほとんどがおそらくずっとお風呂に入れていない状態なんだろうという部分。

日常的なコンビニの姿かと思いきや「そうね、まだまだここが目処立ってないんだよね」と改めて実感した部分。

ですが逆に考えれば、そこの心配・懸念が一番大きいというところに今は居るということで「お風呂に入りたい」「普通にトイレがしたい」というのが今の感情の礎にあるように思います(あとは洗濯か)。

「とりあえず水さえ通れば…」

この「…」の先は各世帯・家屋ごとで差異は当然あるとも思いますが、町全体としては一気にかつての日常の暮らしに戻るブーストになるんだろうと思います。

明日で2週間。
なんとなくそれくらいのところまでは来たように思います。

もちろん大きい余震に常々気を抜けないことや、避難所で言うと感染症のこともあるので、そのあたりの懸念点は当たり前に持ってるうえでの話です。
(ここに関してはどの地域も同じ懸念)

2週間が経とうとしている中、現状僕が感じるのはそんなところ。

だからどうってことでもなく、何か結論があるわけでも何かに固執して訴えかけたいとかでもありません。

「そんな感じです」ということを書いてみました。

もしかしたら水面下の専門的な水準で言ったらズレてる部分もあるのかもしれませんが、あくまで「僕はね」という話でございました。

とにかくもう水のことは全然分からないので、水道局の方々(で合ってるのかな?)引き続き頑張ってください!応援してます!心から!!


少し疲れたらこれ聴いてください!


で、奥能登も含めて復興の目処が立ったらこのライブ来てください!


僕も頑張りますから!
以上です!



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