ミュージカル『えんとつ町のプペル』 舞台稽古 初日
昨日はミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演の舞台稽古初日でした。
ここから千秋楽の15日(木)まで他のスケジュールは一切入れてないので(4日にスピンオフはある)、丸々2週間劇場通いの日々が始まります。
なのでこのnoteは今日からしばらくはミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演日記って感じのコンテンツ模様になると思います。
一人の演者目線としての舞台稽古、ならびに本番の日々をこうやって日々書き綴って記し残しておくのも良いものかもしれないと思い、その日その日の自分なりの雑感を毎日書いていこうと思います。
そんなわけで…
昨日からいよいよ舞台稽古が始まりました。
稽古場を飛び出して実際に公演を行う小屋に入っての場当たり稽古。
稽古場での全体稽古では最終的に1日2回通しが行われて、さああとは劇場行ってから頑張りましょうという感じで打ち上がったわけですが、昨日の劇場稽古では改めて冒頭のシーンからひとつひとつ丁寧に掘り下げられました。
気になるところがあったら都度都度ストップして、納得いくまでそのシーンを繰り返す。
通しをする前段階の稽古場さながらです。
(ですから舞台稽古と呼称してるわけですが)
改めてここに「ミュージシャンとの明確な違い」があり、目の前で繰り広げられるやり取りは「そりゃそうだよな」と思えるものばかりでした。
僕らミュージシャンはスタジオリハと実際の会場とで特別何が大きく変わるかと言われると、基本的には「音環境」と「照明」くらいかと思います。
当然、ライブによっては派手な演出や特効を駆使しまくる場合もあるので(たとえばユーミンとか)、その規模になると話はまた違ってきますんで、ここではあくまで僕が普段主戦場にしているバンドライブやアコースティックライブとの比較で話を進めます。
で、「音環境」で言うと今回の公演ではミュージシャン一人一人にミキサーが用意されてまして、自分の好きな音バランスを自分の手元で調整できる環境を作っていただいてます。
※たとえばこういうの
実際に現場で使ってるものと機種は違いますが、こうやってツマミがたくさんあって、ひとつひとつに「キーボード」「ドラム」「ベース」「声」「効果音」って感じで音が単独で割り振られてて、それぞれのツマミを上げ下げすれば単体で音量が変わる。
それで自分の好きなバランスを作ってイヤホンから聴いているという感じです。
なので稽古場であろうが大きな会場に移ろうが、音環境はまったくといっていいほど変わらないので、まずここの懸念材料はない。
そして照明に関しても、客席からどう見えるかという部分が重要なんであって僕らの演奏内容は変わらない。
「この曲の照明はこんな雰囲気」とか「ここでピアノにピンスポください」とかそういう段取りめいた話が主で、照明が入ることによって直接的に何かしらの影響が及ぶことは基本ありません。
で、楽器も本番で使うものをそのまま稽古場にも持ち込んでいたので、そういう面も含めて稽古場であろうが劇場であろうがまったく変わらない環境で演奏ができています。
その点昨日の舞台稽古中、俳優さんたちからはミュージシャンでは計り知れない違いが至る所で見受けられました。
その中でも昨日個人的に、大変だなあと思った大きな違い。
当人の中ではもっともっと細かいレベルでいろいろ違いはあると思うんですが、あくまで僕みたいな素人目線で「大変だなあ」と思った部分ですが、それこそ照明環境。
基本的に稽古場は言ってしまえば普通の「部屋」ですから蛍光灯がずっと地明かりとして点いているわけで、明るくなったり暗くなったり色が変わったりなんてことは起こらないわけです。
ただ劇場に入れば本番さながらの照明環境になるので、当然稽古場よりもはるかに暗くなる場面も多々あるわけで、シンプルに視界が悪くなる。
そこで激しいダンス、アクロバティックな振り付けを行えば当然稽古場とのギャップがその瞬間に生まれる。
くるくる回る時とか(語彙力!)、出ハケに関して全力で走ったりとか、そういう時にやはり蛍光灯の地明かりと薄暗い(もしくはほぼ暗転)の環境の違いがあると、当然稽古場と同じ感覚でのステージングはいきなりはなかなか難しいわけで。
「見えないかも」
「一瞬、前後が分からなくなる」
「危ない、気をつけて」
みたいなやり取りが目の前で繰り広げられていました。
で、「本番こんな感じの暗さだけどいける?」 「慣れます!」みたいな。
稽古場であれこれ積み重ねてきても、劇場に入って本番仕様のステージセットで稽古着よりはるかに視界が悪くなる衣装を着て、照明環境がまったく変わる。
僕らでいう音楽スタジオ→ライブハウスっていう環境の変化のギャップと、俳優陣(主に激しいダンスをする人たち)の稽古場→劇場という環境の変化のギャップがこんなにも違うという部分を、同じステージに立ってる目線でその生々しい模様を眺めてて、ただただバンドメンバーで「すげえなぁ...」と漏らしていました。
そういうアクロバティックなものを客席から見て「すげぇ」と思うことは多々あっても、稽古場→劇場っていうグラデーションを見ると「本当にすげぇな」と思います。(語彙力!)
実際、今回の舞台はセットも照明も併せて本当にギャップがすごいんで。
そこに限らずですけど(細かい立ち位置とかそういう面も含めて)、そりゃあ稽古場で何回も何回もやってきた場面を改めて劇場で掘り下げる必要はあるよなって思いましたよ。
舞台稽古が3日間用意されてるというのも納得です。
なんかそんなことに感銘を受けながらボーっと眺めてるうちに終わった舞台稽古初日でした(演奏はちゃんとしましたけども)。
さて、そんなこんなで本日は舞台稽古2日目。
ステージに座り込んでパソコンを叩く時間はそろそろやめにして、機材の準備をして臨戦態勢に入ろうと思います。
本日も頑張ります。
[P.S.]
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