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全てが詰まっている尊い作文

各種SNS上でアップさせてはいただいたことではあるんですが、もうちょっと深掘りしたくなったので今日はそんな話を。

この作文についてです。


今日のツイート内でも触れていますが、僕のことを応援してくれてる方がお子さんと一緒にミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演を観に来てくださったあと、お子さんが作文を書いたらしく親御さんがDM経由でその作文を送ってくださいました。

僕はこの作文を何度も何度も読み返してとっても尊い気持ちになりました。

『えんとつ町のプペル』という作品と『子供』という存在の何たるかを知っていると、この作文が持つ意味は実はなかなか深くて(個人の主観です)。

僕の記憶の範疇なのであまり好き勝手なことは言えませんが、大きく内容は外れていないと思うので書きます。

『えんとつ町のプペル』の生みの親である西野さんがどこかでこんな感じのことを言ってたと思うんですが…

兵庫県川西市の平凡なサラリーマン家庭の西野家では、ミュージカルなんてものは非現実的で手の届かない存在だった的な。

その大きな弊害は「価格」で、とにかくミュージカルのチケットは高くて、おいそれと家族で簡単に観に行けるものではなかったと。

なのでミュージカル「えんとつ町のプペル」ではチケット売り上げだけで収益を考えず、他の部分でマネタイズすることでチケット価格をリーズナブルにする。
※チケット売り上げだけで回収しようとするからおのずとチケットが高くなる

それによってご家族でミュージカルに足を運ぶというハードルがライトになる。

…的なことをおっしゃってたと思うんです。
(ほんとおぼろげな記憶を辿っているので細かい部分が違ってたらすいません)

すなわちファミリー(特に子供)で楽しめるミュージカルなんだろうと思います。

東京公演がYoutubeで無料配信されてるのも、世界中の子供達に気軽にミュージカルを見てもらうためのツールとして(関係各位のとてつもない尽力のもと)実現したコンテンツだったかと思います。

プロデューサーのセトちゃんも「大人から子供まで楽しめる…」って感じの枕詞を都度都度付けてたように思います。

その「大人も子供も」という意味は、作品の中身ももちろんなんですが前述したようにミュージカルの敷居を下げるという意味での「大人も子供も」も含まれていると僕は勝手に解釈しています。

そういった要素を全て含んでの「ファミリーミュージカル」なんだろうと。

僕は今回の大阪公演に参加する云々関係なく以前から東京公演のプロセスをずっと追っていたので、このプロジェクトがいかに子供という存在を大切にしているかは理解していたつもりで。

なので大阪公演でも毎公演たくさんの子供たちが客席に見えて、勝手にとても感慨深い想いをしていました。
(だから大事な所でもなかなか泣き止まない子供ちゃんの泣き声も愛おしかったよ)

そんなこんなを踏まえてのこの作文ですから。


観に来てくれたことはもちろん、わざわざ作文にしてくれたっていうことも嬉しいし、何より文章が最高すぎる。

「かなしいところと おもしろい所や すごい所がありました。わたしはすごかったなぁと思いました。」

僕はこれこそこのミュージカルをやってる意義なんだろうと思います。

子供の言う「すごかった」

これ以上リアルな評価はないと思います。

子供というのは良くも悪しくも本当に直球しか投げません。

つまらなかったらつまらないと言うし、飽きたら飽きたというし(もしくは寝る)、長いと思ったら長かったと言うだろうし。

あまりに直球すぎるので時に人や物を平気で傷つけてしまうようなこともしてしまうものです(親御さん先生方、教育お疲れ様です)。

そんな子供が作品を観て一言「すごかった」と言っている。

僕は個人的に同業者や専門家の評価よりもこういう声のほうがよっぽどリアルで解像度が高いと思っています。
(信頼し合っているもの同士のアドバイスや意見交換は別)

だって作品や舞台の矢印はこういう子たちに向けているんだから。

この作文を送っていただいた時に、瞬間的に思った尊さを分解するとこんな感じですというのが今日の記事でございました。

この200文字足らずの文章の中に、本当にたくさんの人が死に物狂いで紡ぎ続けてきたものがギュッと詰まっていると思います。

だから何度も何度も読み返してしまうんです。


最後に、この作文を書いてくれたキミへこの場を借りて僕からひとつだけ。

「有名な人がピアノ…」とあるけども…

残念ながら僕はまだまだ「有名な人」と言われるほど有名じゃないんだよ。

もしかしたらキミの家庭では有名な人なのかもしれない。
でも日本そして世界というところに目を向けると僕なんて全然有名じゃないんだ。

でもだからって取り消さなくていいよ。

僕がキミの作文に追いついてみるから。

そしてその時にキミのことを「予言者(よげんしゃ)」と呼ぼう。

じゃあ。


[P.S.]
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