時間に対する対価を自分自身でどう持たせるか

こんばんは。

昨夜はパソコンに向かってる時の自分の熱量を考えたらかなり裏側の香ばしい話になると最初から分かっていたので、冒頭からメンバーシップ限定に振り切らせていただきました。

今夜は今夜でその話の延長というか付随した話になるので、引き続きその形をとらせていただこうと思います。

時間に対する対価を自分自身でどう持たせるかという話です。


そちらのクオリティーが上がるのは分かりますが…

昨日は超一流のプロフェッショナルのこだわりの話をさせてもらいました。

データのやり取りや郵送でなんとなく済ませれそうなことでも、ほんの少しの誤差のリスクを回避するためにたった10分で済むことだとしても来てもらう。そのためには経費(往復新幹線)が嵩むのも厭わない。

他ジャンルの非常にプロフェッショナルな考え方でとても感銘を受けたという話でした。

しかし、逆の立場で考えるとちょっとしたジレンマが生じてくるのも事実です。

昨日はそこまで言及しませんでしたが、ちゃんとそっちも話しておかないとなんとなくスッキリしないなと思ったので、今日はこちらの立場としては…という反対の角度からの話になります。

昨日の話を一面だけで見たら超一流のプロの拘りは凄いという話に終始するんですが、その裏でこちらは1日を捧げるという事実が生じます。

例えば僕が一人で夜な夜な音楽を創っている時に、寸分の誤差も許したくないので自分で勝手に没頭し続けるような形の場合は、一面しかない話なのでジレンマはまったく生じないんですが、今回は衣装さんの誤差を回避するための側面として、僕の1日を捧げるという側面がどうしてもあります。

当然、そんなことは分かってて「非常に申し訳ないんだけどもどうかお願いします」という前提なので、そこに対しての不平不満という話では決してありませんし、昨日も書いた通りその拘りは素晴らしいものです。

正味の移動時間は6時間。

衣装さんがプロとしてのクオリティを保つ代償としてこちらは最低6時間を捧げることになるのは事実です。
(なんか書けば書くほどすごく文句っぽく聞こえるかもしれませんがくれぐれも誤解ないようお願いします)

僕の今の仕事内容をざっくりカテゴリー分けすると…

①現場仕事
②締め切り仕事
③練習(仕込み)
④作品創り

といった感じになると思います。
(もっと細分化していますが大まかな分け方です)

①はとても分かりやすく、ライブやリハーサル等の実際にそこに赴く仕事ですね。何時から何時というのがハッキリしているので、公務員や会社員の方と仕事に対する時間の使い方の形態は同じだと思います。

②は主に家で一人で向き合う仕事。
僕で言えば、誰かが歌う曲の作曲だったりアレンジだったり鍵盤パートのレコーディングだったり。自分の好きなタイミングでできる仕事ですが"提出期限"が定められている仕事です。
学生でいう宿題と時間の使い方は似てると思います。
("アイデアを思いつく”という時間も含めて必要なので宿題より何倍も難易度は高いですが)

③はその名の通り練習。
自分の楽器の腕前を維持ならびに向上させるための時間だったり、①に向けての曲の練習や音源確認、譜面チェック等もここに分類されます。
格闘家で言えば筋トレだったりスパーリングしてる時間にあたる部分ですね(試合がライブです)。

④は誰かにオファーをいただいて締め切りを設定されて…というものではなく自らの意思で曲を作ったりする時間。バンドの曲を作る時間がそれにあたります。そしてこのnoteを始めてからで言うと、自分の作品創りもここですね。

すなわちスケジュール帳に何か書き込まれている仕事は①で、書かれてない時間は②~④の仕事が常にあるという状態です。

当然、時間も無制限。
やればやるほどクオリティーが上がるというシンプルな話です。


なので、スケジュールを眺めながら「ここにこのレコーディングがあるから、この日はその練習に半日を割こう。で、残りの時間は一番締め切りが迫ってる案件の制作に充てよう」みたいな感じでカレンダーに何も書かれていない日の自分の仕事の時間割の計画を都度都度立てています。


さて、そこで今回の6時間をどう捉えるか。

衣装さんのプロとしてのクオリティーを保つためにこちらが②~④の時間を犠牲にしているという考え方もできてしまいますが、その時間も含めて「作品全体のクオリティーのため」という一括りの考え方もあると思います。

ただ、僕はその日「プペルの曲練習の日」って計画を立てていたという事実があったりします笑

それも立派な「作品全体のクオリティーのため」の時間です。

衣装のクオリティーを追求する時間の裏側で、自分のピアノのクオリティーをブラッシュアップする時間を削ったというジレンマが確実に存在したわけです。

なので僕も最初に「こっちで採寸すれば…」と言い出したんでしょう。

今思えば。

「そのためにわざわざ一日空けていただいたのでその分のギャラは上乗せします」というのが通例だったりしますし、それは立派な誠意ですしだいたいの現場はそれでサクッとまとまります。

しかし僕の価値観としてはその時間の(ピアノのブラッシュアップの時間を削った)対価として"お金"ってのは価値としてあまりにも弱い(これは僕の価値観です)。

そこで今日の本丸に突入するんですが…


人間関係を築くという価値

今まで書いた諸々を踏まえると、10分でさくっと終わってはいお疲れ様でしたでそのまま帰って「移動時間分はロスしたけど少しでもやるか〜」っていうスタンスでも良かったんですけど…

衣装合わせの現場には今回の作品を支えてくれる運営面のコアメンバーの方々や、初めましての役者さんたちがたくさん居ました。

ご挨拶がてら軽く立ち話をしている中で「このためだけに大阪から今日来ました」っていう言葉はやはりそれなりに皆さん驚いてて笑

で、「もうこのまますぐ帰られるんですか…?」という流れになり僕が「そのつもりですけど…」となると、「せっかく来られたのにもったいない….もしお時間あるなら少し….(飲みのジェスチャー)」という流れになる。

その瞬間、僕はトンボ帰りの計画は捨てました。

最初は新幹線の終電までにはっていう心づもりだったんですが、結局いろんな話で盛り上がり気づけば新幹線もなくなっていたので始発の新幹線まで待つ事態になってしまったわけです。

移動の6時間分を犠牲にして云々とか言っていた人間が結局12時間くらいを費やしたというオチ。

しかしそこにはしっかり対価が存在しているということが大切でして。

どんな話をしたとかそんなことはさすがに言えませんが、間違いなく今思っているのは「稽古が始まる前にこうやって膝と膝付き合わせてお酒飲みながらいろんな話ができて本当によかった」ということ。

いろんなことが明瞭になったので、間違いなくスムーズに進むお膳立てができたなという自負もあります。
(コンダクターを背負ってる以上、役者さんや演出面の方々とのコミュニケーションがめちゃくちゃ大事なので)

家で一人でひたすらピアノのブラッシュアップに費やす時間よりも有意義だったとすら思います(1日潰すくらいならまだ取り返せるはず)。


まとめます

気付けばめちゃくちゃ長くなってたのでそろそろさすがにまとめます。

今回のポイントは、結果的にWin-Winに落ち着いたっていう部分ですね。

昨日の記事を踏まえて衣装さんにはWinしかないわけで、そのかわりこちらのWin要素は「それもこれも作品のためだ」という一点しか見当たらなく、むしろ練習の時間を削るというLoseポイントも見受けられる。

その対価としての「ギャラ」という部分がWin要素として定着している中で、僕にとってはあんまりWin要素ではない。

そんな中、大人しく帰らずに飲みの時間を作ったことでいよいよ始まる本稽古(11月から)に向けての風通しや諸々がめちゃくちゃ明瞭になった。

お一人お一人の雰囲気や性格、作品への向き合い方等を知ることもできた。この状態で稽古に臨めるのはめちゃくちゃデカい。

これが今回の僕のWin。

なので、タイトルの言葉に繋がります。


そして、中盤で箇条書きした僕の仕事のカテゴリーを更新しようと思います。


①現場仕事
②締め切り仕事
③練習(仕込み)
④作品創り

⑤飲み ←NEW!!


仕事終わりの飲みとか打ち上げでの飲みとかではなくね。

もちろん今回みたいにいつでもなんでもすんなりいくこともなく、ジレンマを抱えっぱなしのまま過ぎ去っていくことだって多いんですが、どうやったらそのジレンマを自分への対価に昇華できるかという考え方は常に持ちながらこれからもいろんな仕事に向き合いたいなと改めて思った、長い長い一日でした。

稽古が始まったらまたミュージカルがらみの話も増えてきそうな気配ですが、ひとつひとつを自分の作品創りにどう落とし込むか、どう繋げるかというのも常に同時に考えているので、そのあたりも含めて楽しんでもらえればと思います。

それこそ対価への繋げ方だと思います。


ではまた!


【追伸】
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