こんな稀有な客席の組み合わせを誰が経験できるのか
本当は今日のライブが終わったあとに書こうかなと思っていた事なのですが、ライブが終わったら終わったでまた別で書きたい事が現れる可能性も無きにしも非ずという事で先に書いちゃおうと思います。
というわけで七尾に向かっています。
前までは七尾と言えば「帰る」という感覚一択でしたが、最近は「帰る」と別で「向かう」という感覚も増えました。
概ねご存知かと思いますが目的はこちら。
満員御礼という事で既に受付は締め切らせていただいておるのですが(感謝！)、今日はこの満員御礼の客席の様相について改めて、本当に改めてなのですが「いやいや、こんな状況はそうそう経験できませんぜ本当に」っていう事が起きてるなぁと思い、つくづく僕だけの特権だろうって自負しちゃうわけなんであります。
そんな話を書きます。
改めて今日は僕の地元・七尾でライブを行うわけですが、今日の会場の『TENKU cafe J,Road』というお店がある場所は、七尾城山(通称じょうやま)の頂上に向かう道中にあります。
この城山は七尾市の子どもが皆、遠足で一度や二度は必ず登る場所でありまして(頂上に展望台があるもので)、子どもの頃のノスタルジックが実に詰まった山なのであります。
先のオンラインライブで中島町という場所でライブをしたのですが、実は中島町というのは元々は七尾市ではなかったのです。
十数年前の市町村大合併の際に七尾に吸収合併される形で、七尾市に仲間入りしたという背景があって、実は個人的には地元に居た頃は一度も行ったことない土地だったりします(車で通った事はあるけど)。
※家から20kmくらい離れているし
なので今日の会場に関しては実にコアもコアに地元という感じで、県が一緒とか市が一緒というよりも、会合の地区が一緒くらいのレベルだったりします。
だからこそという話なのですが、中島でライブをさせてもらった時よりももっと虫メガネでキュッとなった地元の方々がご来場を予定してくださっています。
今回、予約を受け付けるにあたってお店の方と僕との間でご予約リスト(名簿的な)を共有しております。なので当然、今日来ていただける方々のお名前も熟知させていただいているんですが、その一覧を眺めていて知った事。
同じ避難所暮らしをしていた方がけっこう来てくださる。
半月ばかり過酷な状況で寝食を共にし続けた方々でございます。
僕たちが避難していた小学校も近いですし、なんだったら当日津波警報が発令されてこの城山めがけて車を走らせた人もたくさん居ましたし(僕も含め)。それくらいの地区感覚なのも手伝って。
とっても不思議な感覚でございます。
どんな気持ちになるのか皆目検討もつきません。今の時点で。
そして、これは本当毎回毎回有難いなぁと思うのですが、市外・県外からもたくさんの方が来てくださいます。
いわゆる遠征というやつですが、日頃からピアノ弾きとしての僕をイチファンとして熱心に応援してくれている方々。
いつもは「ライブに来ていただいて有難うございます」という感じですが、今日はもう「ようこそ七尾へ！」という感じで僕のライブもさることながら、ぜひこの七尾という土地を余す事なく堪能していただきたいという気持ちでいっぱいです(夏の七尾の夜はいいぞ！)。
※もちろんわざわざ来てくれて本当に有難うございますという気持ちもたんまり
そしてそして、やっぱり七尾中の七尾って感じの場所でのライブですから、例によって家族ならびにそのお友達御一行も来てくれます。
家族は当然のことながら、七尾という場所ですくすく育った小さい頃の広文少年をしっかり知ってる方々。
今日のライブはそんな三位一体の客席の様相なんであります。
日頃から手厚く応援していただいている市外・県外のファンの方々。
家族、ならびに家族ぐるみでお付き合いのあるお友達の方々。
震災以降避難所で寝食をずっと共にした方々(音楽室での演奏も聴いてくれた人も多々)。
一人のピアノ弾きのライブにこんな組み合わせが出来上がる客席なんて(しかも生まれ育った場所で)、世界ひろしと言えどそうそう無いと思います。
まあいろんなことを思うんだと思います。
どんなことを思いながら弾くことになるのか全然想像付きませんが、まあいろいろ思うんだと思います。
おそらく観ておられる方もいろいろ思うんだと思います。それぞれの目線で。
避難所の時間がフラッシュバックするのかもしれないし(まあそれはするでしょう)、遠くから見守るしかできなかった人は日々SNS越しにただただ案ずるしかできなかった日々を回顧するのかもしれません。
ここ数ヶ月、当たり前のようにアグレッシブにあちこちで演奏したり飲んだりしてるものですから、ちょっと風化してきた部分もある感情かもしれません。
当たり前が当たり前じゃなくなるってことをリアルに痛感したことを思い返し、いかに日々贅沢な時間を過ごしているのかということに改めて感謝できる良い時間なのかもしれません。お互い。
どう足掻いたっていろんなことを思い出し、思い返すんだと思います。
そしてまたひとつひとつの時間に深みが増していくのだと思います。
なにはともあれ楽しみです。
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