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バンドが健康で居続けるために これもまた大切な仕事の時間なのである

昨夜、結成18年目にして初めてバンドメンバー同士で野球観戦に行きました。

プロ野球という極上のエンターテイメントを一ファンとして堪能しつつも、「野球楽しかったイェイ」みたいな単純な話でもなく、これもまたとっても大切な仕事の時間なのであるっていう話の切り口はしっかり存在しているので、そこを掘り下げて書いてみます。

ここで言う仕事というのは、クライアントさん関係だとかインフルエンサー的な意味で「野球を観に行く」という所作に仕事の側面が含まれているという話ではなく、これからまたさらにアカシアオルケスタというバンドが健康的に健全に表現活動に勤しんでいく上で、ひとつの種まき・水やりの時間としてけっこう大事な時間なんですよねっていう概念としての話。

キャッチーな話題かと思いきやそこそこ真面目でシビアな話が始まります。
おもしろいと思います。


と言うわけでアカシアオルケスタというバンドは4人組でスタートしたわけですが、気付けば2人体制でここ数年をひた走っています。
(一人脱退、一人活動休止)

バンドという概念はしっかり持っていてメンバーという呼称も何ら間違いはないんですが、個人的にもはや肌感覚としてコンビであり相方という空気感で居ます。

コンビと相方という単語だけの印象で言えばどうしてもお笑いが出てきますが、コンビという言葉を辞書で引けば「何かをするに当たっての二人の組み合わせ」という意味らしいので、何らその感覚は間違ってないのだと思います。準じて相方という感覚も。

一蓮托生の熱量でのバンド活動っていうものを長らく続けるっていう経験をした事がない方はピンと来ないかもしれませんが、特に何の案件でもなく、また何かしらの現場前(もしくは現場後)でもない中、わざわざその時間にスケジュールを取ってメンバー同士で野球を観に行くなんて、ハッキリ言って狂気の沙汰であります(一概には言えませんが)。

事実、昨日みたいな感じで2人でごくごく一般的な娯楽の時間を過ごすなんてのは実は初めてだったりします。
共通でお世話になってる方のライブを(招待されたりなんかして)一緒に観に行くとかそういう時間はありましたが、それは「お付き合い」という側面もあるのでまた別の話。観に行く側とはいえ音楽の現場という感覚です。

どれだけ記憶を辿っても、活動に(直接的に)何にも関係ない時間を確保して2人で昨日みたいな時間を過ごすという経験は今まで無かったんであります。

むしろ2人とか関係なく18年間でメンバーでそういう時間を過ごした事もゼロです。現場に付随した時間として(ライブの合間とか終わりとかに)ご飯に行くみたいな時間は数えるほどはありますが。
※その時間も結局ミーティングみたいになるし

なのでメンバーはあくまでメンバーであって、バンド以外の時間で特に友達付き合いすることもなくバンドで動いている時間以外は実にドライなもので、楽器の前に居る時間以外は本当に他人として日常は流れていくわけで、言ってしまえばビジネスライクな関係と称しちゃってもよいかもしれません。

かと言って仲が悪いとか割り切った関係みたいな冷淡さはまったく無く、ことバンドとなるとものすごい熱量の血が通い合うわけで、信頼感、無敵感、最強の仲間みたいなスイッチが一気に入るわけで。
これは分かるような分からないような話かもしれませんが。

その一定の距離感があるからこそ続いてきた部分も多分にあって、むしろバンド関連以外の時間でメンバーとプライベート的な時間を共有するなんて「勘弁してくれ」案件でしかなく、念を押しますがそれは仲の善し悪しじゃなくて本当にそういうもんなんであります。

くれぐれも一概には言えませんが少なくとも僕たちはずっとそうでしたし、同じようなスタンスのバンドも多いと思います(お笑いコンビの方もそうなのかも)。

ここまで書いてしまえば、昨日の時間がなんとも稀有な話だってことはかなり伝わるかと思いますが、ちゃんと掘り下げたい話はここから。

昨日の時間に限らず、2人での活動体制になってからバンド(現場)以外で何かしらの時間を共有する機会がグッと増えました。

別に「今2人しか居ないし一枚岩で頑張らないといけないから、ちょっとそういう日頃のコミュニケーションもしっかり取っていかなきゃね」みたいな示し合わせをしたわけでもないのです。
もちろん対外的に仲良しアピールをしているわけでもない(なんじゃそのアピール)。

バンド外でのそういうコミュニケーション(ラインの会話含)の時間が実にナチュラルに増えた要因として、各々が完全に独立した個人としておもしろい事をやってるという部分が大きいんだと思います。

僕は僕で、相方さんは相方さんで(もはや相方さんと呼ぶ)、それぞれの持ち場で全く毛色の違うエンタメ時間を日々作っていて、だからこそお互い全然違う客層にリーチをかけていたりもするからこそ、俯瞰でそれをおもしろがっているし素直に応援していたりもする。

2人体制になってからはそのあたりのフットワークがさらに軽くなったことも手伝って、それまではバンド関連の話以外に然してやり取りらしいやり取りはしてこなかったのが、本当に自然と何ら示し合わせることなく互いの仕事面での会話が一気に増えたわけです。

「今度こうこうこんな仕事が決まって〜」
「おおすごい!頑張れ!」
「それで言うとこっちも今こんな話が進んでて〜」
「おおそれはぜひモノにしなければね!」

みたいな調子で。
時に事後の報告までセットな時もある始末。

そこから派生して、互いのひとつひとつ仕事の深掘りにまで発展することもあり、そこに対してディスカッション(というほど大層なものでもないけど)が芽生える場合もあり。あくまで雑談ベースで。

そのコミュニケーションは、互いがバンド以外の時間でしっかりエンタメ道を邁進しているからこそ生まれるものであり、どちらか片方だけが個人の活動が充実してる感じだったら歪んじゃうんだろうし、そもそもそんなコミュニケーションも生まれていないんだろうし。

冒頭、バンド以外の時間は他人レベルだくらいの話を書き連ねた上で、ここ数年でお互い個人として何かしらおもしろい事を積み重ねていく中でコミュニケーションがグッと増えた結果「ちょっと二人で野球とか観に行ってみようや」という次元にまで辿り着いた事実は、「2人で野球観に行くとか仲良しね〜」「楽しそう〜」みたいなポップな話に非ずなのです。

『バンドが健康で居続けるために これもまた大切な仕事の時間なのである』というタイトルを最初につけたのですが正確には…

それぞれピンの活動をしっかり頑張っているからこそ、今バンド(コンビ)が実に健康な状態に在るという事をひとつの結果として示している時間という言い方が正しそうです。ここまで書いてみて。

それはそれとして…
3-12なんて結果はないだろう。



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