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オンラインライブに向けて忘れちゃいけない表現者としての本分

昨日に続いてオンラインライブモードの記事が続きますが、今日は「そもそも一人の表現者(ピアニスト)として忘れちゃいけない、ちゃんと根底に持っておかないといけない"本分"の部分をちゃんと明け透け書いておこうと思います。

昨日の記事で改めて総ざらい的に書かせてもらいましたが、オンラインライブのひとつの大義として「いきなり全ての時間を奪われて仕事を全てストップせざるを得なくなった一人の仕事仲間を助けたい」というキングコング西野さんの温情からスタートしたものであります。

仕事仲間として、友人として、できることを考えたのですが、元の生活を取り戻すまでのことや、ご家族のフォローで休まざるをえない仕事のことを考えると「お金」が必要になってくると思ったのですが、「お金を贈ります」と言っても、西村さんのことだから受け取らないでしょう。
#絶対に受け取らない

その上で、「どうすればいいかなぁ」と考えてみたのですが、たぶん…

『西村さんにピアニストとして働いていただいて、“西村さんご自身のピアニストとしての稼ぎ”で、西村さんご家族の平穏な生活を取り戻す』

…というストーリーが、西村さんにもキチンと負担があって良さそう(※西村さんも引き受けてくれそう)なので、西村広文のオンラインピアノLIVEを企画&運営することにしました。

プロジェクト概要文より引用


その旗振りをきっかけとして、西野さんコミュニティの方々が続々と賛同していただいて初日から視聴権購入という形の多大なる支援が集まりました。

また、そもそも今までのキャリアの中で僕の事を応援し続けてくださっている方々(ファンと呼ばせていただきます)からもたくさん購入いただき、延いてはミュージシャン仲間やスタッフの方々、クライアントさん等々からも購入支援をたくさんいただいています。

さらにはこのオンラインライブを機に久しぶりに名前を見かけて…って感じで何十年と連絡を取っていなかった昔のバイト仲間とか地元の人間とか…本当に自分が思ってもみなかった範囲にこのオンラインライブが届いています。

その結果(延べ)3000人弱という、今の自分の身の丈を考えた時にあり得ない数の購入支援が集まりました。とんでもない事であります。

そうやってムーブメントがどんどん大きくなっていく中で、「一人のピアニストのオンラインライブを皆んなで楽しもう」みたいな枠を超えて「被災地を勇気付ける」とか「石川の人たちのためにも」とか「復旧・復興のひとつのシンボル」的な新たな大義もどんどん重なっていきました。

そのムーブを肌で感じていた日々が、あの時期の生活の原動力になっていたのは紛れもない事実です。本当に感謝しています。

だからこそ僕は明明後日(もう明明後日!)に、年明けからのゴタゴタのひとつの区切りをしっかり迎えるべくその恩義に全力で応えます。

結果、今日も朝までグランドピアノのスタジオを抑える始末です。

当日までに体調崩したら元も子もないとかあんまりそんなお行儀の良い事は全然考えられなくて、今このタイミングでフルスロットルに居続けなくて、"無理しちゃいかん"みたいなギア緩めを発動させて一体どうするのよっていう自分側しか勝たん状態です。

強いて言うなら、当日何千人の前で実に酷いお疲れ顔を晒してしまうかもしれないみたいな懸念はありますが(頑張れCOMET&WHINNY!)、案外それはそれでピアノとのコントラストで映えるんじゃないかとも思ってるので、まあいっかって感じで。
(自分で言ってて世話ないですがサマになるとぶっちゃけ思ってます)


そんなわけでいろんな大義が詰まったひとつの時間にピアニストとしての本分を全力で発揮するために、後先の事は一旦考えずに29日まではそんなモードで居るわけですが、ここで忘れちゃいけないもうひとつの(というか本来の)本分を改めて。

先ほど区切りと書きましたが、間違いなくひとつの区切り感は醸し出されると思います。

年明けの被災があり、避難所生活があり、行ったり来たり期間があり、それらを日々ここで発信してきた中で「オンラインライブ」という時間がひとつの区切りみたいな空気感は自然と仕上がってまいりました。
なので「いよいよ!」みたいな声が多いのも当然。

そして、何度もしつこくてすいませんが自分の身の丈を考えた時に、驚くべき関心度だしありえない数の人たちに聴いて(観て)もらえるし、語弊満載で分かりやすく言うとこれはひとつのボーナスステージだと思います。

これまでコツコツやってきた中でいきなりこんなにたくさんの人に聴いてもらえる日がなんて、降って湧いた時間にも程がある。

だからこそ、これからも一人のピアニストとして、表現者として生きて行かん自分として「チャンチャン♪」で済ませちゃ駄目な時間なんであります。

元日からエライ目に遭いました。
西野さんに手を差し伸べてもらいました(本当に感謝です)。
たくさんの方の「頑張れ!」の声が購入支援として集まりました。
日常を取り戻す中でついにオンラインライブ開催の運びとなりました。
無事オンラインライブが遂行されました。
めでたしめでたし。

「オンラインライブ」というものに関しての大義はそこでしっかりクリアになるんですが、西村広文というピアニストとしてはそこで「はあ良かった。楽しかった。ひとつ終えた」みたいなユルさを持ってたらちゃんちゃらおかしい話で…

この先も自分のピアノで一人でも多くの人の日常を彩りたいと思う中で、たyんとひとつの通過点にしないといけないしチャンスにしないといけない。

先ほどボーナスステージと書きましたが、こんな事でもなければこれだけたくさんの人に一気にピアノを聴いてもらえる機会なんていきなり訪れるわけもないので、そこはやっぱり改めて「自分のピアノの最高のプロモーションの場」としての側面もきっちり自覚しておかないといけない。

この日のために生きてきたとか、この日のために音楽をやってきた、この日のためにピアノを弾いてきた、みたいな人間なら「めでたしめでたしチャンチャン」が到達点でも全然良いんですが、そんなわけはないのでそこはちゃんとギラついていたりもします。

前半に書いた事の経緯からのありとあらゆる大義に関する心からの感謝、そしてそのたくさんのお気持ちにお応えするために、眠い目擦って身体に鞭打って鍵盤に向き合ってる日々は紛れもない本心です。

と同時に「オンラインライブ」を区切りにしてたまるか(この人のピアノをこれからもずっと聴き続けたいと思わせてやる)というギラついたピアノ弾きが同居しているのも事実で、そこもこうやってちゃんと書いておかないと自分の中でフェアじゃなかったので、書いてみました。

そもそも避難所にいた時からその野心めいたギラつきは正直あって、じゃなかったら毎日毎日note書けてなかったと思うんで、これはとっても大切な気概なんです。僕の中で。

以上です。

頑張ります。



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