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舞台『テイラー・バートン』を観に行って改めて思った「西野作品」の当たり前の凄み

昨日『テイラー・バートン』を観に行った際に、会場で「西村さんですか?」「あ、むぅさん!」みたいな感じでいろんな方々にお声がけいただけて、素直に嬉しかったです。

そこに関しては「あ、どもども!」って感じで素直に居れるんですが、ただそのあとに続く「いつもnote読んでますよ」は未だに「っ!!!恐縮です!!」といった感じで背筋がちょっと伸びる感じで慣れません。

こんな毎日毎日好き勝手書いてる文章にわざわざ時間を割いていただいて本当にありがとうございます…といった恐縮感。

でも嬉しいです。
この場を借りて(むしろここを読んでくれているからこそ)ありがとうございます。

そんなわけで繰り返しになりますが昨日、東京キネマ倶楽部で公演された舞台『テイラー・バートン』を観に行ってきました。

数日東京に滞在するので他にもいろいろ仕事諸々を組んだので、このため"だけ"に来たというわけではないんですが、どうせ東京に来るならっていうことで他の予定も後付けで入れたという感じなので、このため「だけ」ではないものの今回はこの舞台を観るたけに東京に来たというのは事実です。

それくらい観ておきたかった楽しみな公演だったので。

『テイラー・バートン』にあまりピンと来てない方がいらっしゃったらアレなので、ここで唐突にクレジットを載せてみようと思います。

(公式HPよりそのままコピペで拝借させていただきます)

作・演出
西野亮廣

キャスト
宮迫博之
木下隆行
戸田恵子
阿部よしつぐ
西野亮廣

演出助手   MOEKO
照明演出   井實博昭
照明   澤邊将志
舞台美術   佐藤央一
音響   小林祐介
小道具   篠川理湖
大道具   俳優座劇場
配信撮影   上田雄太・ぴーまん

舞台監督  吉川亮
メインビジュアル  かんかん
ウェブサイト制作  Sabeevo
制作   横田裕久
プロデューサー   笠井あかね
主催・製作   Chimney Town USA, Inc.

今回の舞台の公演が告知された時にこのクレジットもほぼほぼ同タイミングで発表されたんですが、驚いたのは約半数の方がミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演(以下大阪プペル)でご一緒した方だったということ。

当然、大阪プペル以前から西野さんと一緒に舞台を作られてきた方もいらっしゃいますが、このクレジットを初めて見た時にやっぱり「大阪プペルチームめっちゃいる!」と思ったのは事実で、実際に大阪プペルきっかけで今回もご一緒にと西野さんが思われてオファーを出された方もいらっしゃったりします(演者にしろ裏方にしろ)。

そもそものそもそも、僕は『西野作品』のファンなので西野さんが作・演出(今回は演者としても)というだけで「観たいなぁ」という気持ちにはなるんですが、「東京まで観に行く」というフッ軽の決断が秒速だったのはこの大阪プペルでご一緒だった方々が名を連ねているという部分が大きいです。

やっぱり本当にいろいろあったんで勝手に戦友だと思っているので。

(このあたりの記事は関連してくるかも)


そんなわけでいろんな楽しみを抱えながらの舞台『テイラー・バートン』ですが、配信も控えているのでネタバレ要素にもなるので中身に関してあまりあれこれ書く気はないですが、もっと大枠としての僕なりの感想を烏滸がましくも書かせていただくと…

とにかく西野さんの作品はいつも完膚なきまでにタコ殴りにされる。

そしてそれは生の舞台で特に発揮される気がしている。
(くれぐれも映画や絵本がどうこうって話ではなくね)

まず空間に入った瞬間に圧倒される。

クオリティー面と予算面で1ミリも妥協していない圧倒的な舞台セットと照明による空間演出。

ずっと観てられるんですあれ。

開場から開演の間ってともすれば時間を持て余すこともあると思うんですが、例えば圧倒的な夜景とかってボーッと眺め続けられるように、焚き火の火はなんとなくずっと眺め続けられるように…

西野さん(ならびにスタッフさん!)が作る舞台の空間ってずっと眺め続けれるんですよね。
なんかもう凄すぎて。

まずその側(がわ)の部分で圧倒される。

で、しっかりと「本」が面白い。
これはもう「才能×努力」なんだと思いますが、圧倒的に本がおもしろい。

それでいてプレイヤーがエグい。
(昨日もめちゃくちゃ笑わせていただきました)

「本」「プレイヤー」「空間」

この三位一体っぷりがとんでもないクオリティーで発揮されているわけで、しかもちょっと考えたらとんでもなくバカやってるっていうのが分かるからこそ余計に完膚なきまでにタコ殴りにされるという感じ。

実際に昨日までキネマ倶楽部にそびえ立っていたあの空間を見られた方なら分かると思うんですが、たったの3公演のためだけにあれだけの空間をあそこに作った(そして3回終わったらバラす)っていうのが、「いやいやバカですか?」と笑えてくる気持ちは分かってもらえると思います。

3公演しかないからこんなもんでいいでしょうなんて逃げとか妥協の姿勢が1ミリもなくて、むしろ「え…たった3公演のためだけにこんなセット…というよりむしろ建築物レベルのものを建てたの?」っていうタコ殴られ感。

そこに輪をかけて本がおもしろくてプレイヤーがすごいんだから、もう参りました抱いてくださいって感じです。


で…

タイトルに「当たり前」と付けたんですが、実は西野さんがやってることって概念としては当たり前のことだったりする。

これは音楽に置き換えると「確かに当たり前だね」って話なんですが…

本 = 歌詞・メロディ
プレイヤー(キャスト) = プレイヤー(ミュージシャン)
舞台デザイン = 録音環境

こう置き換えれると思っていて、いくら歌詞やメロディがよくても歌がめっちゃ下手だったり録音が安っぽかったら作品としては全然ダメだし、逆に最高の録音環境で一流のミュージシャンの演奏でレコーディングしたとて、歌詞やメロディがめちゃくちゃダサかったら全然ダメなわけで。

曲もよくてプレイヤーも最高だけど音めっちゃ悪かった場合もしかり。

「曲はいいけど音が…」とか「演奏めっちゃいいけど曲が…」みたいなことって話はけっこうあったりします実際。

だから音楽を作る人間にとっては、曲にこだわってプレイヤーにこだわって録音環境にこだわるっていうのはめちゃくちゃ「当たり前」のこと。

なのでそう考えたら舞台を作る人にとって「本」にこだわって「プレイヤー」にこだわって「空間」にこだわるのはごくごく当たり前のことで、その当たり前を全力でやっているというだけだったりする。

ただ…その当たり前を妥協せざるをえない人のほうが大多数だから、西野さんの舞台設計が「圧倒的」になっているという側面もあるのかなとも思います。 #夢と金

もちろん大前提として、ご本人の圧倒的なマンパワーがあり気なのは当然として(それは発想面も行動面も人柄も)。

なんにせよまた改めて西野作品に恋をした一夜でした。
それは演者さんや周りのスタッフさんたちの最高の仕事っぷりも含めての話。

以上でございます。



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