自分次第で逆算的に時給が決まる世界
一昨日、昨日とバイトの話が続きましたが基本的にアルバイトというのは「時給」でお金をいただく仕事ですよね。
一日何時間働くのかも月に何日働くのかも流動的で、働いたら働いた分だけ掛け算で報酬が換算されていくシンプルな構造です。
他方、正社員というのは月給として固定給が決まっていますよね。
なので基本的には出勤日数と出勤時間がハッキリとしている。
(個体差もあるんでしょうけどあくまで一般論として)
じゃあ僕みたいなフリーランスの個人事業主の場合はどうか。
仕事の形態にもよりますが、基本的にはひとつの案件に対してギャラがいくらという世界です。
ライブ一本に対してとかレコーディング一曲に対してとか。
なので、「自分次第で逆算的に時給が決まる」という考え方ができます。
どういうことか。
例えば、10曲演奏する本番が1回とそれに向けたスタジオリハ2回でギャラ1万円という仕事があったとします。
※誰もが分かりやすい数字として1万円と設定しているだけでリアルな金額ではないのであしからず!あくまで例えですのでくれぐれも。
本番日、会場入りからお疲れ様でしたまでの時間を仮に10時間とします。
で、3時間のリハが2回。
この時点で合計16時間は稼働するわけですから時給換算すると625円となります。
じゃあその現場に関わる全てのミュージシャンが時給625円なのかというとまったく違ういう話。
まずスタジオリハの日を迎えるまでに、演奏する10曲を家なりどこなりで確認する時間が存在します。
仮に1曲4分だとしたら通しで聴いたら40分。
そしてそれを1回ずつ練習したらさらに40分。
それだけでもトータルで1時間20分。
ここもしっかり仕事としての時間に含まれています。
なので先ほどの現場稼働時間と合計すると17時間20分となるので、時給換算するともうひと回り下がりますよね。
(570円くらいでしょうか)
ちなみにこれは1回ずつ聴いて1回ずつ練習して「はいOK」というスペックの人ならの場合。
2回ずつくらい練習しないとリハがキツそうな場合はさらに1時間20分追加されるので、稼働時間は18時間40分。
ここまで話せば「自分次第で逆算的に時給が決まる」の本質的な部分は誰しも理解できるかと思います。
1回ずつの練習でリハに出向ける人と2回ずつ、3回ずつの練習でリハに出向く人では、同じ額の報酬をもらえるにしてもそこに費やした時間の対比を考えると実は同じ額とは言えない側面があります。
同じ1万円のギャラでも価値が全然違う。
この場合、その価値の差を生んでいるのは「演奏技術」と言えるでしょう。
別の例もあって、例えばその10曲が全て過去に演奏したことがあって自分の身体に染み付いている曲であれば「おうち時間」は0分でもいけちゃいます。リハ日までその案件に時間はまったく費やさない。
ただ、同じ現場に呼ばれている別のミュージシャンは1曲も知らないとなると、曲確認の時間と練習の時間が当然必要になるのでここにも価値の差異が生まれます。
この価値の差は「経験値」と言えるでしょう。
この辺りの話は作品制作という観点になってくるともっとエグいですが、そこも話し出すと長くなるのでまたどこかの機会で。
要は同じ報酬でもそれぞれによって価値の差異がハッキリ生まれるのが常な世界ですねんって話ですね。
その価値の差異を生んでいるのはスペックと経験値。
まあなんでこんなことを書いたかっていうと…
「5回弾いても6回弾いてもなかなか弾きこなせない曲に僕は今めちゃくちゃ苦戦してますなう」ってこと!
以上。
[P.S.]
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