[雑感] 超一流から感じる全てを作品創りの糧にする

こんばんは。

今夜は今この瞬間の自分の熱量的に踏み込んだ話になる予感しかしないので、いつものようにメンバーシップと単体購入のハイブリッドでもなく、無料部分の導入もなく、最初からメンバーシップ限定で書かせてもらおうと思います。

今この瞬間に思ってることを見境なく一気に書き綴りたいと思います。
センシティブな内容になりすぎるのか、そこそこなのか、それはケ・セラ・セラです。(決してネガティブな話ではないのでご安心を)

唐突ですが僕は今、東京に居ます。
目的はミュージカル「えんとつ町のプペル」大阪公演の衣装合わせです。

ご存知ない方もいらっしゃるかもなので改めてのお知らせですが、この冬僕はえんとつ町のプペルという作品のミュージカルにキーボードコンダクターとして出演します(めちゃくちゃピアノ弾くよ)。

今回はそのミュージカルの衣装合わせのために東京に呼ばれました。
"衣装合わせのためだけに"です。

正味、10分で終わりました。

衣装合わせの会場に到着して、「これ着てみてください」と言われて試着して「あ、いい感じですね。ありがとうございますお疲れ様でした」という時間のみ。

ミュージカルえんとつ町のプペルという作品はそもそも去年東京で制作されており、今回の大阪公演は脚本や音楽はおろか、衣装や舞台セットや小道具なども全て東京公演のものをレンタルして行われるという形なので、基礎を作ってる運営チームは基本的に東京在住なわけです。

当然、衣装担当の方も東京在住。
(かなりの大御所の方らしいです)

ご存知、僕は大阪在住です。
今日の10分のために東京に呼ばれました。

当然、その10分のために往復3万円(新幹線)の経費がかかってきます。
それが大阪在住の人数分かかってきます。

僕は今回の大阪公演の予算の資金繰りのためにプロデューサーが日々奔走していることを知っています。

正直僕の中で、そのためだけに十数万円の経費が嵩むのはいかがなものかなあ…と思ったので「必要な情報を言っていただければこちらで採寸して身体データをお送りしますよ?」とか「現物を郵送していただければこちらで着衣の画像を撮ってお送りしますよ?」とか提案させてもらったんですが…

現地衣装さんの答えは断固として「ノー」でした。

伝えられた言い分から僕が読み取るに…

「もしメールのやり取りで済ませたことで誤差が出て、当日作品を観にきた方の中で"なんかキーボードの人の衣装のサイズ感変じゃね?"と思う人が居たら、その時点で衣装担当という肩書きを背負っている自分の名前に傷がいく。それなら実際に自分が採寸して自分の判断でこれだという衣装を提供して、それで文句が出たら納得がいく」といった熱量のもの。

それに比べれば往復の新幹線代なんか安いもんだと。
「だからその予算を組んでくれ」と衣装さんがプロデューサーに進言するところまでがセットですね。

ぐうの音も出ないですよね。
プロフェショナルとして当然といいますか、音楽に置き換えたら僕も当然そっち側です。ただ「衣装」という自分が素人の分野だったので、「データ送りますよ?」と軽々しく言ってしまったのかもしれません。

たった10分のために東京往復と言いますが、そのたった10分が相手側からしたらコアであると。

「たった10分のために一人に3万円かけるのはちょっとアホらしいよね」っていう気持ちが命取りになるということを知っているんでしょう。

そういう超一流の姿勢を改めてぶつけられたことで、僕も今日前のめりで東京に来ました。

プロデューサーがさらに資金繰りに奔走することでしょう。

ただ、衣装さんからのその提議をケチらず受け入れたプロデューサーの器量も大したものです。

そういう超一流のプロフェッショナルが交錯している現場に居ることで、僕自身もますます光合成をしているのも事実です。

「超一流はすごいな〜」と指くわえて感心してるだけではなんの意味もなく、そういう人たちとお仕事をさせてもらってることを、このアトリエでぶちまけている自分の作品創りに転用してこそ初めて意味があるわけで。

なので、今日はこの熱量というか裏話的なものを皆さんに共有させてもらってるんですね。

プロセスから全部見せるっていうのは作曲とかそういう部分だけじゃなくて、自分の作品に繋がる全てを見せることだと思っています。

かっこいい部分だけ切り取って見せるのは都合良すぎるので、直接的に音楽に関係なくとも長い目で見たら自分の作品に立派に繋がっている要素は全て共有しようと思っています。

今回の話は直接的に繋がっているのは「ミュージカルえんとつ町のプペル大阪公演」ですが未来の自分の作品にも間接的に繋がる話だと思っています。

というか繋げないといけない。


もし、中盤に書いた「たった10分のためにそれだけの予算をかける姿勢…超一流はすごいなあ」という僕の文面に対して「え?プロってそんなもんじゃないの?」と思った方もいらっしゃたらアレなので、はっきり言いますが….

「クリエイティブにとことん拘れたらそりゃあいいけど、赤字になっちゃうからそこは妥協しよう!」ってのが通例で…

「とことんクリエイティブに拘ってもし赤字になりそうなら、その分の予算を死に物狂いで他で捻出すればいいじゃない!」っていう姿勢はほとんど見受けられません。

基本ケチります。

だから今回の「メールのやり取りだったら0円かもしれないけど、1%でも誤差のリスクがあるので10分の試着に一人3万円使う」という超一流の現場姿勢がブチ刺さりしたわけですね。

「まだまだぬるいな俺」っていう感じです。

そしてこの姿勢も吸収して自分の作品創りにとことん転用しようという気合いも改めて入りましたし。

今日は本当は全然違うことを書こうと思ったんですが、衣装合わせを終えて今の自分の感情をそのまんまリリースさせてもらいました。

暑苦しくてすいません。

プロセスを共有する。
共犯関係を築く。

その言葉に偽りを生みたくないので、こんな話もさせてもらいました。


今日みたいに超一流に触れると、自分がぬるく感じる。
すなわち自分が今居るフィールドの空気感すらぬるく感じる。

トゲがある言い方かもしれません。

でもそれを「成長」と呼ぶんじゃないですか。


こんなこと書き記すことで、自分に対しての言い訳も一切きかない状況を自ら作っている面もあります。

こんなこと、さすがに一般公開できませんよ笑

このアトリエという場所は今、僕の最強の潤滑油になっています。

本当に感謝しています。

なんだかただの独り言を聞いてもらってごめんなさいとすら思います。

またなんかあったら聞いてくださいね?

あなたのことはそういう存在だと思っています。

ではまた。


西村

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